ボブ・ディラン。

ライブで聴くのは初来日の武道館以来だ。



りんかい線の国際会議場駅。


ちょっと不思議な駅舎です。



雨が降り続いていた。

仕方なくいやいやコンビニで傘を購入。


駅の珈琲店で時間を過ごす。

あまり旨くない珈琲は哀しい。


やはり雨がやまない。

「激しい雨」という彼のアルバムを思い出す。


行きますか。



おっここか?



この後相当な行列に遭う。



ここをまっすぐ進んですごい列。


スマホのシャットダウンをチェックされ、

特殊なカバーにロックされる。

(不正な輩がいるからこれは賛成)


金属探知機を身体に浴び、

手荷物検査を受ける。


空港以上ですな。



踊るボブ・ディラン。


グッズ売り場に寄って。



アナログレコードも売ってる。



若者も年寄りも。

本当に幅広い年齢層。


全身革ジャンのロッカーのような方もいた。



館内も撮れない。

2階席で舞台が遠い。

双眼鏡のピントを合わせていると係員が来た。


「目が悪いんです。

双眼鏡がないと見えないんです❗️」


そう言っても話を聞いてくれない。

取り上げられた。


周りの客も多い。

論争するのも傍迷惑かもしれないと引いてしまった。



でもやはり見えなかった。

どこにいるか姿もわからない。


ディランはピンスポットを好まない。

LIVEでよくある側面での大きな写しもしない。


武道館の頃からトークもしなかった。

今回も「サンキュー」が2回だけ。


歓声が湧いてピアノの演奏が聴こえる。

ディランがピアノを弾いた(のかな❓)


ぶっ続けのライブ。

ブルースのような

フォークのような

ロックでもあるような

ジャンル分けが難しい最新アルバムからの曲を歌う。

それも違うアレンジにしているよう。


初来日の武道館ライブを聴いた。

若者の頃だね。ボクが。


手に入る全てのレコードは聞いてたのに、

何の歌を歌っているのかわからないほどディランはアレンジを変えるのを躊躇わない。


80を超えても変わり続けている。



武道館ライブのレコードは当初は日本だけだった。

しかしアレンジの異なる演奏は海外のファンも聴きたがる。

結局世界販売となったようだ。



武道館ライブでは初期の人気曲も多く歌われていた。


今回は一切歌わなかった。

それがボブ・ディランなのだ。



最後に歓声が最高潮になり、

特徴的なハーモニカの音が聴こえた。

ディランがハーモニカを吹いた(のかな❓)


アンコールには応えない。

会場は熱気があった。

「凄かったな❗️」

などと高揚した言葉が多く聞こえてくる。


でもボクは苛立ちから怒りを覚えていた。

「目の悪いものからライブを楽しむ権利をいったい誰が持つと言うんだ‼️」


視覚を奪われてはライブの一体感が味わえない!



ボクが聴いた日の曲目はこうだったようだ。


係の方に頼み、責任者を呼んでもらう。

ライブの楽しさが損なわれることは理解してくれた。

HPを見せてくれると、持ち込み禁止の中に双眼鏡も記されていた。

(でもチケット購入の際には記されてはいない)


全てを一律に取り締まることはどこかで歪みが生まれる。

「今まで双眼鏡を取り上げられたことはないです」

そういうと。

「私も有りません」と応えた。


今後の目の悪い方の為にと訴えると。

「必ず上の方に声が届くようにします」

とはいってくれた。


でも釈然としないまま会場を後にした。



45年経ちましたか。

ディランは帽子をかぶってた気がする。

オシャレなのです。



浦沢直樹さんは東京公演に来ていたらしい。

Twitterで絶賛コメントを書いていた。



渋谷陽一氏には些か批判的だが、

この文には賛成する。


ディランはいつも次を見ている。

新しくなる自分を。


それはまるで彼が歌ったように。

「ライク・ア・ローリングストーン」


転がる石のように。




個人的には。

「ディザイア 欲望」のアルバムが傑作だと思っている。


「ハリケーン」

ヴァイオリンが泣いているように奏でる。

黒人差別で捕らえられたボクサーへの抗議の歌が印象深い。



「風に吹かれて」

も、もちろん良いけれど。

公民権運動を後押しした。


ボブ・ディランが転がり続ける限り。

ボクは彼のライブを楽しみたいと思う。


だから双眼鏡問題を解決しとかなきゃね。