もう光らなくなってしまった。

軽く叩けば点滅するのだけど。




写真が許可された終演後だけど。

BUMP恒例のリストバンド。

様々な色で輝き、明滅する。

時には一斉に。

時には波のように渡ってゆく。


初めの頃に10000を超える観客の光が全て赤く光った。


(まるで「風の谷のナウシカ」の王蟲の群れのようだ)


そうするとボクもまた王蟲なのかも。





名古屋駅から臨時のノンストップ便に乗る。

ライブの観客に備えてだろう。

ピストン輸送をしている。


あおなみ線の終点。

金城埠頭駅。

(けっこう遠いなあ)



デカいのである。

そうして。

列が果てしなく長い。

まだ開演1時間前なのに。



人並みに飲まれて入る。



この飾りも色が千変万化する。



こんなふうにも。



グッズの長い列がある。

ボクはグッズにはあまり興味がない。

CD販売などを覗く。


だいぶ経って。

どこから入るのか心配になった。

CD販売のお姉さんに聞く。


「ここからは入れませんよ。

一度出なくちゃ」

危ないところだった。

お礼を言って出る。


また列に並ぶ。



大きなトラックがある。



入場したら一切の撮影は🆖だと。


列が長すぎて何処から入るのかわからない。

奥の方の入り口に入ってみる。

人の頭より高い案内板があった。

覗き込む。

「現在地はどこだろう?」

と独り言す。


(一人暮らしが長いと考えがすぐ口に出てしまう)

スッと案内嬢がそばに来てくれて。

スマホを見て、奥の方まで進んでと。


(沢山の方が探してるのにボクを直ぐに。

敬老の精神は尊いが、

そんなに年寄りに見えるのかと傷つくこともある。めんどくさいメンタル)


(しかしまあボクと同年代をひとりも見ない。

20代30代らしき方たちばかり。

10000以上でも年齢上位ランキングをすると、

トップ20に入れる気がする)

(或いはもっと上位かも?)


アリーナではなくステージから一番奥のスタンド席。

その13列まで階段を上る。


100m先にBUMPのメンバーが居る感覚。


まあ観やすいからいいか。

アリーナだと前の方が大谷翔平くらい背が高いと首を切り落としたくなるかもしれないから。


18時を少し過ぎて。

満席になってから場内が暗くなる。


重低音が身体に響く。

ライブが始まる。



アップテンポな曲。

やはり最初から総立ち。

(まあ仕方ないな)


2曲目は天体観測だった。

この曲からドラマが始まって。

BUMPの人気が高まった。

それからもう20年以上彼らはステキな歌を編み出してくれた。


午前2時踏切に

望遠鏡を担いでった

ベルトに結んだラジオ

雨は降らないらしい


2分後に君が来た

大袈裟な荷物背負ってきた

始めようか天体観測

ほうき星を探して


深い闇に呑まれないように精一杯だった

君の震える手を握ろうとしたあの日は


〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎


予報外れの雨に打たれて 泣き出しそうな

君の震える手を握れなかったあの日を


始めようか天体観測

2分後に君が来なくとも

「イマ」というほうき星

君とふたり追いかけている


(ほんとうになんでボクは手を握れなかったんだろう?)


マスク越しに観客がみんな歌っている。

声を出して良いのだ。

歌っても良いのだ。


そんな悦びが溢れている。



BUMPのライブは照明も際立つ。

青色ダイオードの発明者に感謝しなくちゃ。


BUMP独特の美しい旋律を持つ歌が数々流れる。

あとのアーティストが憧れるくらいに。



「新世界」

歌の後で藤原が繰り返すフレーズがある。


ベイビーアイラブユーだぜ〜


これを音程や調子を変化させて観客に歌わせる。


そのうち女性では難しい低音になった。

初めて歌う。

(ボクは低音が出せるのだ)


急にかなり高い高音に変わる。

これは男性は難しいだろうと歌う。

(ボクは高音が出せるのだ)


隣りの福岡ライブを観てきたという2人組がこちらを見るのが感じられた。


こんなおじさんが歌うのが驚いたのかもしれないし、音痴だと思ったかもしれない。

でもどちらでも構わないのだ。


歌で一体化するのが正しい❗️




もちろんMCもある。

藤原はいつも自分の想いを語ってると感じられる。

嘘くさくはないのだ。

もはや藤原節です。



2時間を超えるライブも終わりを告げる。


なぜだがアンコールの拍手が湧かない。

そのうちに前の歌のフレーズが観客から共鳴して出てきた。


あゝこんなアンコールもアリだなと感心する。

一緒に歌って出てくるのを待つ。


照明が明るくなり。



アンコールは2曲だったかな。

最後は「虹を待つ人」だったかな。


オウオウオオオウ➖


その観客の全力の声を藤原は求める。


みんなと共に。

ボクも全身で歌う。


オウオウオオオウ➖


オウオウオオオウ➖


カタルシスまたは感動。

何度も何度も繰り返して歌う。



藤原さんが最後に丁寧な挨拶をしてメンバーは舞台の裏に消えた。



陶酔した10000人。



たくさんの人生を運んで。

ライブは踊る。


これだけの観客だから規制退場は理解できる。

無秩序だと危険だ。


だけど終演30分を過ぎて。



ボクらのブロックだけが残されたのはちょっとね💦


前の観客がいないでしょ?


最後に呼ばれてやっと出る。

でもそれでも行列はなかなか進まない。



帰り際に見たトラック。


帰りのチケットはもちろん事前に買ってある。

電車は懸命に出してくれてるのはわかるが人数が多過ぎて、2両編成では捌ききれない。


ホテルに到着時刻が遅れると告げる。



奇跡のように席に座れて。

(優先座席ではないよ?)


名古屋駅に着いて。

コインロッカーの荷物を取り出して。



ようやくホテル着。

大浴場に入ろうっと❗️