駅の風景 人吉駅編① | 人吉鉄映会

人吉鉄映会

熊本県人吉市・球磨郡を走る肥薩線・湯前線・くま川鉄道の今と昔を発信していきます。

人吉鉄映会です。

 

当方熊本県も不要不急の外出禁止要請が発令されコロナの拡大も心配な状況ですが、3月29日もSL人吉の運行は予定通り行われ元気な様子を見てきました。

桜も見ごろになり、近所や通りがかった公園もこの状況下といえ、やはり多くの人がいました。さすがにこの陽気で巣ごもりってのは、って感じですか。感染しないように各自心がけて行動したいですね。

 

さて、人吉鉄映会では人吉・球磨の鉄道の面白さを発信しようということで、今まで懐かし鉄道写真や「SL人吉」情報などをお送りしてきました。今回は初の企画「駅の風景」をお送りしたいと思います。

 

最初はやはり人吉・球磨の鉄道の起点となる人吉駅からスタートしたいと思います。

お伝えしたい情報が多いので複数に分けてお送りします。

 

まずは外観から

人吉城の白壁をイメージしたような建屋。風情がありますね。でもどうしても名物のお城の形をしたからくり時計が目立っちゃいますね。

 

ちなみに昔の駅はこんな感じでした。

昭和50年1月撮影

いかにも昔の駅、って感じですね。駅正面に大きな時計塔が建ってました。

駅の裏のこんもりとした丘は村山台地という高台で、麓に国史跡の大村横穴群という古代人の「墓穴」があります。西南戦争時には丘の上に砲台も設置されていたようです。

大村横穴古墳群

駅正面から行くにはちょっと回り道にはなります。(SL館に行くその道すがらです。)時間があれば是非ご覧になってください。

西南の役 官軍砲台跡 大村横穴群の上にあります。この高台からなら一網打尽か。

 

ちなみに陽が落ちた後の駅の情景もきれいで好きですね。

 

そして今の人吉駅といえば何といってもからくり時計でしょう。

定時になると音楽が鳴り、ドン、ドン、ドンという太鼓の音が聞こえ、からくり時計が動きだします。

写真では表現しづらいので、是非現物ご覧ください。

 

人吉駅の名物といえば、もうひとつ(・・・というか、ふたつ) それは駅弁の栗弁当とあゆ寿司です。

くり弁当(熊本県公式観光サイトより) 🄫熊本県

栗の形をした弁当箱に栗ご飯、鮎寿司は緑の竹をイメージした容器に入ってます。

この容器はプラスチック製で人吉・球磨の家庭には食べ終わってきれいに洗って保管してあるところが多く、その出番は運動会やピクニックなどの食後のデザートに梨や柿を剥いたのを入れてありました。私個人的には栗弁当⇒容器再利用⇒運動会でのフルーツ入れで再登板のイメージがめちゃめちゃあります(笑)

それほど地元にも定着している名物です。

 

それを販売しているのが「駅弁やまぐち」さん。

駅正面から向かって右・・というか、すぐわかります。「汽車弁当」の看板がいいですね。昔から変わっていません。ちなみに弁当を売っているのは建物の右端に入り口があるのですが、左側の大きな建物には昔レストランがありました。子供の頃は鉄板で焼かれたハンバーグ定食を食べていました。ごちそうでした。何かご褒美など特別な時しか味わえませんでしたが・・・。でも残念ながら今はやってません。そういえば人吉駅周辺は喫茶店や居酒屋はありますが、ファミレスも含め食事を取れる所ってあんまりないですね。。普段はあまり賑わいもないからなんでしょうかね。

 

で、実は弁当もさることながら、それよりも有名なのは駅弁やお茶をホームで立ち売りされる菖蒲さん。鉄道関係のTV番組でも数多く取り上げられてる有名人です。

菖蒲豊實さん(熊本県公式観光サイトより) 🄫熊本県

 

「べ~んとう、べんとう~」という心地よい声は「あぁ、人吉だなぁ」という感じ。列車を降りて、もしくは窓を開けて菖蒲さんから弁当とお茶を買うと、鉄旅してる感満載です。列車で食べるお弁当は格別ですよね。これが楽しみという方も多いですね。

 

ただ、現在人吉駅を発着する列車は昔よりかなり激減して優等列車だった「くまがわ」「やたけ」「えびの」「おおよど」「九州横断特急」などが姿を消してしまいました。現在は「いさぶろう・しんぺい号」や「やませみ・かわせみ」が熊本からの急行を兼ねた観光列車になっています。それも今やホームで駅弁を買うのではなく、例えば、いさぶろう号では渡駅前後で客室乗務員さんが駅弁の予約を伺いに来られ、人吉駅到着時にやまぐちさんが持ってこられ、大畑へ向かうところで予約した方に持ってこられる、という形になり立ち売りで買うスタイルがなくなってしまいました。私も直近で菖蒲さんをお見かけしたのはホームでの立ち売りではなく、店から駅へ予約分(と思いますが)を運んでられる姿でした。列車も減り、こういった風情も見れなくなって、駅の賑わいがあった頃を知る者にとっては誠に淋しい限りです。

 

・・・といったところで今回はここまで。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、立ち売りの話は別として、まだ話の内容はまだ駅舎にすら入ってません。次回は駅舎の中の紹介からですね。

 

ではまた。