前回指摘したシナリオとうりに中国は動き始めた。


前回ブログで指摘したの次の諸点である。

・中国は経済政策面でジレンマに陥りつつある。

・インフレと不動産のバブル処理を「軟着陸」させるには利上げが必要である。

・しかし西側各国が利下げ競争をするなかでの利上げは海外からの資金の流入と元高要因となる。

元高は経済の生命線である中国の輸出(人件費が高騰しておりコスト高も加わる)への打撃となる。

・元高を抑えるには元を売ってドルなどの外国通貨を買う必要がある。外国通貨を買って元を放出すれば、放出された元は中国国内に投資(投機資金)として入ってくる。(元は基本的には中国国内でしか使えない)

ではどうなるか?

金利を上げざるを得ないだろう。

インフレ(物価高、銀行利子の方が物価の値上がり率より低い)は国民の政府への直接的批判の源になる。

・では何が起こるか。

金利を上げても不動産バブルの本格的崩壊は回避できないだろう。

大連などの真っ暗なマンション(投機で変われた)はそれを象徴している。


ここまでは前回のまとめ。



そして予想どうり本日26日中国は金利を上げた。

今回の利上げは物価と不動産高騰への国民の不満に答えたものである。

更に来年は数回の利上げを余儀なくされる。


不動産バブルに軟着陸は無い。市場原理にのっとって価格が下がるしかない。バブルははじけるしか終わる方法は無いのである。


物価は現在5.1パーセントまで上がった。目標は3パーセント以内である。


物価(特に食糧)高は世界的需要増と供給の停滞を反映した構造的なものであり、国内農業の国際的競争力のなさとあいまって食糧輸入が増加している。


どうなる?


これからも続く利上げは不動産バブルに終焉をもたらす。銀行の安易な融資が表面化し金融危機が起こる。


金利高は国内経済活動の足かせ(企業の借り入れ金利上昇)となる。

人件費の上昇とあいまって、至上命令である8パーセントの経済成長に危険信号がともることになる。


しかも以下のような中国経済の隠れたコストが表面化してくる

・知的財産権問題で米国は本格的に中国を攻め始めた。日本もEUも追随するはずである。


・更に環境コスト、人件費上昇、国内の各種社会保障整備、どれも中国経済のコストアップにつながる。


・国営企業の手厚い国の保護からの自立、銀行など金融機関の(国の指示から自由な)市場原理に基づく経営への移行等は血を流さずには実現しない課題であり、また実現を先延ばしすれば傷口が広がる課題である。


2011年以降これらの課題が一気に表面化するはずである。


世界経済のリスクに上記中国問題は織り込まれていない。

中国は経済政策面でジレンマに陥りつつある。


10月には消費者物価が4.4パーセント上昇した。政府は3パーセントに押さえることを目標にしているので、目標の50パーセントも上回っている。


この間3軒目の不動産購入融資を禁止するなど不動産融資の規制を厳しくしてきたが、不動産価格の下落は1部地域にとどまる。


しかも不動産価格が暴落すれば、不動産の最大の供給者である国自体の財政基盤を脅かすことになる。


また不動産融資を実施してきた金融機関の不良債権が増えることになる。

中国は超法規的特権を持つ共産党という市場原理かく乱要因を抱えている。不動産融資にもその特権が十分に発揮されているはずであ

る。


銀行が抱える不良債権は金融危機時の資本主義国の比では無いだろう。


インフレと不動産のバブル処理を軟着陸させるには利上げが必要である。

しかし西側各国が利下げ競争をするなか、利上げは海外からの資金の流入と元高要因となる。

元高は経済の生命線である中国の輸出(人件費が高騰しておりコスト高も加わる)への打撃となる。


元高を抑えるには元を売ってドルなどの外国通貨を買う必要がある。外国通貨を買って元を放出すれば、放出された元は中国国内に投資(投機資金)として入ってくる。(元は基本的には中国国内でしか使えない)


かくして金利を上げても出回る元の量を減らすことができないことになる。


しかも中国の経常収支の黒字はGDP比で7パーセントを越えており、米国などの要求する4パーセントをはるかに越えている。

米国の議会からの経済制裁や元切り上げ圧力は更に高くなる。


中国は身動きの取れないジレンマ状態である。


ではどうなるか?

金利を上げざるを得ないだろう。

インフレ(物価高、銀行利子の方が物価の値上がり率より低い)は国民の政府への直接的批判の源になる。また不動産バブルの本格的崩壊は、政策の失敗の露呈というだけでなく、共産党特権を利益誘導という形で国民の前にさらすことになる。


中国は市場原理を導入したとはいえ、共産党一党独裁の体制維持が最優先課題である。

金利を上げて、上記副作用には何とか対処しようという方向を選択するはずである。


では何が起こるか。


金利を上げても不動産バブルの本格的崩壊は回避できないだろう。

大連などの真っ暗なマンション(投機で変われた)はそれを象徴している。


金利高は国内の投資を抑制し、中国の成長を抑える事になる。

生命線といわれる8パーセント成長(これ以下では雇用を正常に維持できないといわれる)を維持できなくなるリスクにさらされることになる。


一方で外国からは放出された元を持った投機マネーがインフレ要因(食品、資源買いなど)として中国国内を動き回る。


当然世界に影響が及ぶ。

 CO2排出量で世界1になった中国が、地球温暖化への対応で先進国の責任をたてに削減義務を負うことを拒否している。


日本は主要国の足並みがそろうことを前提に2020年までにCO2を25パーセント削減することを前鳩山政権が打ち出した。


つまり日本は米国《京都議定書から離脱》や中国(京都議定書に入っていない)などの主要排出国が排出義務を負うことを前提に25パーセント削減の義務を負おうと宣言したわけである


中国も日本も自国の削減負担葉少ないほうがほうが得というスタンスを取っているわけである。


これでは事態を動かすことはできない。

中国をどうやって動かすか?


日本は京都議定書の枠組み国(特にEU)に呼びかけて、国際的なグローバルエコスタンダードうづくりに着手すべきである。


具体的には

・あらゆる商品に生産工程で要した環境負荷(CO2換算表示)を表示する。


一定以上の環境負荷をかけている輸入品には環境関税をかける。


同様に車や家電などエネルギー消費製品については、省エネ能力が一定基準を満たさないものには関税を課す。


・国際的排出権取引の枠組みを検討する。


以上のグローバルエコスタンダード作りの議論には当然削減義務を負う国が仕切ることになる。


中国など排出削減義務を負わない国は、自国の立場が国際的スタンダード作りに反映できないことに焦りを覚えることになる。


すなはち、横から同じ利害の立場でものを言うのではなく、先に進んで、振り返りながら「置いていきますよ」という姿勢で説得するのが有効である。


次回中国経済のジレンマを書きます。