『Quadruple Axel 2019 熱戦のシーズンイン特集号』(山と渓谷社)が届きました。

 

 


 

 

全日本前ということで、後ろからパラパラとページをめくってみていました。
[もっと知りたい!日本男子の精鋭たち]というページで山田耕新くんのインタビュー。

その中の、ある一文に釘付けになりました。

 

 

 

 

 

>僕も、一度現役を引退した後に社会人スケーターとして競技に復帰しましたが、そのきっかけのひとつに、後輩である宮田大地選手の存在がありました。

 

 

 

 

 

私が耕新くんに会って確かめたかったことが書いてある!

 

インタビューは続きます。

 

 

 

 

 

>2014年の全日本選手権(長野)のフリーの演技を観て、ケガやプレッシャーに苦しんでいた彼が、こんなにものびのびと滑ってくれるのかと心を動かされたのです。


 

 

 

 

 

実は、飯塚杯の時に、宮田大地くんから同じことを聞いていました。

今季で引退を決めている、その話の流れの中で耕新くんの名前が出てきたのです。

 

 

 

 

 

「そう言えば、耕新さんから、現役に復帰するきっかけは長野の全日本の時の、俺の演技だった、と言われたんです。」

 

 

 

 

 

長野全日本2014は、大地くんが初めて出た全日本。

新潟全日本ジュニア2014で5位に入賞した大地くんは、推薦で全日本に出場しました。

SPは「マラゲーニャ」で12位。

その結果、FSは第3グループで滑走となりました。ですから、TV放映もされました。

FSは「ブレイブハート」で10位。

総合11位。
この年の世界ジュニアは3枠で、2位宇野昌磨選手、6位山本草太選手、10位佐藤洸彬選手が選ばれ、惜しくも世界ジュニア代表には選出されませんでした。

 

時々、この時の演技を観ます。

グングンと伸びるスケーティングはこの時から。

実況の西岡さんが、前年の腰のケガに触れ、「コンパルソリを続けて、本人も辛かったけど、この舞台を信じて戦ってきました」と。

ジャンプは3-3はないが、3Lz2T、3F2T、2A1Lo2S全てクリーン。

単独の3S、3Lz、3F、3Tもほぼクリーン。(3Fで!あり。)

2Aでfallこそあれ、勢いが止まらない感じのスケートは気持ちいい!

 

実は、私はこの時は会場にいて、帰ってきてからしばらく余韻に浸っていたくて、TV放映はあまり観ていなかったのです。

でも、最近観ると、爽快な気持ちになります。

 

この会場で、私は耕新くんに会っています。

宮本賢二先生のCharmJapanが出店していて、そこでお手伝いしていたのです。

多分、一時的なお手伝いだったんじゃないかな、と思います。

観に来たの?と聞いたら、「はい!」と元気に答えてくれました。

 

2012年、2013年と全日本を見に行って、そこで耕新くんの演技を観ていました。「雨に唄えば」や「るろうに剣心」は会場の雰囲気と共に記憶の断片が脳内に残っています。

 

福岡に就職したことも知っていたので、福岡からわざわざ長野まで来てくれたことが嬉しかったことを覚えています。

 

そして、大地くんの演技を観た。

それが、まさかの復帰のきっかけのひとつになろうとは、思いもよりませんでした。

 

 

 

 

 

話を戻すと、大地くんからこのことを聞いて、私はすごく感動していました。

だから、飯塚杯の感想で書きたかったのですが、躊躇しました。

大地くんの話すことだから間違いはないのだろうけど・・・

私としては耕新くんに会って確かめたい気持ちがありました。

そこで、今年はかねてより行きたいと思っていた中四国九州ブロックに、日程的に行けそうなことがわかったので、思い切って香川県に行くことにしました。

 

しかし、当日、耕新くんはケガのため棄権。

そして、西日本は昨年の開催形式を踏襲すれば、選手に会えるはずもなく。
全日本も然り。

希望は叶わず、このお話はお蔵入りになるのかと、少し残念でした。

 

 

 

 

 

それが、このような形で、私の知りたかったことを知ることが出来て、嬉しさとホッとしたような気持ちになりました( ´ ▽ ` )

 

 

 

 

 

そして、長野全日本2014で心動かされたスケーターは耕新くんだけでなかったことも、書いておきたいです。

それは川原星くんです。

 

 

 

 

 

>全日本に出られない辛い時期(13年、14年)があったんですけど、そのときに「諦めてはダメだ」と思わせてくれたのは、ひとつ下の(宮田)大地が全日本(14年)で演技をしていた姿です。全日本ジュニアが終わってから、僕は「もうシーズンが終わってしまった」といじけていたんです。でも、テレビで彼の滑りを観て、自分が目指すものを思い出しました。そのあと一生懸命に練習をして、(ぐんま)国体で初めて優勝できて。

 

>それまで、ずっと僕が引っ張っているつもりだったので気づかなかったんですけど、大地は大きな存在だったんだなと今は本当に思います。彼のおかげで奮起できたと思っています。

 

>僕も大地から学ぶことは本当に多かったですね。僕とはまったくタイプの違うスケーターだったので、お互いが持つものを刺激にしていたところがあります。彼とは本当に言い関係だったと思います。

『Quadruple Axel 2018 軌跡の五輪シーズン総集編』(山と渓谷社)

 

 

 

 

 

 

 

先輩と後輩。

 

先輩が後輩に、背中を見せ、語り伝えていく。これは、よくあること。

 

でも、時に後輩が、先輩の語れない心の水底にあるものに触れて、水面へと引き上げる。

 

先輩が後輩に、後輩が先輩に。

 

影響し合うことで高まっていく。

 

 

 

 

 

素敵だな。

こういう繋がりって。

 

しかも、私の好きなスケーター男子たちであるって、奇跡のよう。

 

 

 

 

そんな素敵な九州男子たちのショットを星くんがInstagramに上げてくださっています↓

https://www.instagram.com/p/BfF44OWDiBy/

 

 

 

 

 

耕新くんはインタビューの終わりをこう締めくくっています。

 

 

 

 

 

>先輩から後輩へ、またその逆も然り。

 

>受け継がれる意志を感じることができ、スポーツの醍醐味を体験できています。

 

 

 

 

 

耕新くん、実は、このインタビューの最初には、髙橋大輔選手のことも触れています。

 

 

 

 

 

>髙橋先輩から(西日本の)開会式のときに、「耕新の存在が現役復帰の理由のひとつになったよ」というありがたいお言葉をいただき、忙しい日々が少し報われた気がしました。

>日本スケート界にとって大きな一歩であると思います。

 

 

 

 

 

だからこその「受け継がれる意志」。

それこそが、スポーツの醍醐味、と。

 

その裏側にあった九州男子の「受け継がれる意志」を、ささやかながら伝えることができたかな・・・

 

 

 

 

そして、今季ラストを表明している大地くんも、いつかその「意志」を受け継ぎに戻ってきて欲しい。

まだ、シーズンは終わってないけど、言わせて貰います(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを思いながら、全日本での耕新くんの演技を楽しみにしたいです。

 

 

 

 

 

 

 

未鳥