また、励まされました。
高橋大輔くんが日本経済新聞の「フィギュアの世界」にコラムを上げました。
高橋大輔「フリーではスケールの大きなスケートを」
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO47358970X11C12A0000000/
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズが始まり、2010年バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔選手(26、関大大学院)は11月2日から開催される中国杯(上海)に出場します。ソチ五輪まで1年4カ月。今季はフリーで4回転ジャンプ2本に挑む男子のエースは「臆病にならないことで壁を越えやすくなった。自分の可能性をまだ感じられる」と確かな成長を感じ、五輪への道を楽しんでいるようです。
■コーチは3人というイメージ
今季のフリーはすごくスケールの大きい曲(オペラ曲「道化師」)なので、それに負けないように、スケールの大きなスケートをしたいと思っています。
ショートプログラム(SP)はロックンロールメドレーなので、お客さんが乗れるような演技ができればいいなと思います。
今季からニコライ・モロゾフコーチと一緒に仕事をすることになりました。9月にロシアで練習したんですけれど、今までずっとやっていたような感じでスッと入れました。問題もなく、普通にスムーズにできました。
僕の頭の中ではメーンコーチは1人ではなく、コーチが3人というイメージですね。長光歌子コーチ、本田武史コーチ、ニコライ、そして僕。またトレーナーを含めたスタッフでいろんなことを探りながら、いい緊張感を持って、いい意味での練習ができているので問題はありません。
ジャパンオープンでフリーの演技を終え、観客の声援に笑顔で応える高橋
■五輪、見えてはいないが「行く気は満々」
ニコライは今まで以上に「歌子、どう思う?」とか「武史、どうだ?」とか聞いていました。プログラムに関しては「ここがやりにくくないのか」とか、気づいたときに気づいたことを言われ、それに対応していくという感じでした。
ジャンプについては、4回転以外は問題ないけれど、4回転は「もっと省エネで跳べ」と言われています。
今の段階でソチ五輪は全く見えてはいません。代表選考会まで行って、結果が出ないと、現実的とは言えません。ただ、行く気は満々。「行く」と言って現役を続けたので、勝手に想像しています。
五輪までは一歩一歩という気持ちです。それまでに、どこまで成長できるかというところが重要になってきます。08年に右膝前十字靱帯を断裂して、そのシーズンは大会に出られませんでした。そのため09~10年のバンクーバー五輪シーズンは、五輪に出られるか分からずに必死でした。
「今の段階でソチ五輪は全く見えてはいません」と語る
■気持ちが充実…不安も受け入れて
そのころと比べれば、今回の五輪前のシーズンは気持ちの面で充実しています。不安も受け入れて、焦りも受け入れて、という感じ。どこまでいっても不安はつきものです。焦るときは焦るし……。
でも、それを経験ととらえ、受け入れてやっていこうと思っています。そういった意味では、今までと一番違うかな。4年前と比べて、成長しているんでしょうね。
今のモチベーションは上がりすぎず、下がりすぎず、常に高い状態です。下がることはあまりないですね。練習でも今日は嫌だなと思うときもあるけれど、「まっ、やっておこうかな」と。100%を目指さないようにしています。「できないときはできない。明日できる」という感じで。
それまでは「今日できなくていつできるんだ」という感じだったけれど、「今日はできないな。明日のためにちょっとやっておこう」と思って。
■体のクオリティーがどんどん上がっている
明日のために「100」はできなくても、「20」やっておけば、プラスになる。それを継続してやって、5日たてば「100」になる。そんな感じで過ごそうと思ってから、気持ちが楽になりました。
10~11年シーズンは現役を続けるかどうか迷っていました。今はそこで現役をやめなくてよかったと思います。
試合に出れば、「このまま勝ち続けられるのだろうか」というような不安はどんどんどんどん大きくなります。でも今は、自分の体のクオリティーがどんどん上がってきていると感じます。
その中でのスケートは、「こんなこともできそうだ」「あんなこともできそうだ」と自分の可能性が膨らんでいることが感じられます。
十何年やっているけれど、初めてちゃんと向き合ってやっているかなというくらい。もっと早くからやっておけばよかったかなと思います。
■昨季、4回転を跳んで自信
昨季は自信を取り戻したシーズンでした。自信があるというのは、きちんと準備ができているとき。自分がどれだけ準備したかが、自信の量につながるのかなと思います。
けがをしていたときは、4回転ジャンプが跳べませんでした。「4回転はできない」というイメージを拭い去ることは難しかったけれど、昨シーズンは成功させることができました。
「できるんだ」という事実を、自分自身で体感することができました。壁を乗り越えられるという自信がつきました。
もちろん不安はずっとあります。けれども、壁を越えやすくなりました。「できたじゃん」「できるじゃん」みたいな。臆病にならずに思い切りやってみよう、という感じでしょうか。
昨季は4回転を跳び、「壁を乗り越えられるという自信がついた」という
■男子は4回転2本が必然の時代に
男子は4回転を2本跳ぶことが必然の時代になってきました。今までの中で一番レベルが高いんじゃないですかね。4回転時代というのは過去にもありましたけれど、今は他にスピンもちゃんとしなくちゃいけないし、ステップもしなくちゃいけない。つなぎもしなくちゃいけない。
そういった中で4回転時代がまた来たというのは、クオリティー、レベルが上がってきた証拠じゃないかと思います。
4回転時代は大変です。やらなくていいのであれば、できればやりたくありません。でも僕は挑戦して面白いですし、見ている人も面白いんじゃないかなと思います。
フィギュアスケートは見ていただく競技ですから、見てくださる人が増えることは自分自身にとって一番うれしいことです。
フィギュアスケートは女子のイメージがすごい強いと思うんですけど、そこで「男子はすごいな」とか、「男子も面白い」と思っていただけるような時代になってきたのかなと思います。今は不安な気持ちも、楽しみな気持ちも両方あります。楽しみが大きければ大きいほど、不安も大きいです。
「フィギュアスケート見てくれる人が増えることは自分にとって一番うれしい」と話す
■「理想のスケート」とは…
4回転ジャンプを2本成功させるには、体のレベルを上げることが一番大切だと思います。普段の練習から4回転ジャンプ成功の確率を上げることも大事だし、あとは回数、場数とかそういうものだと思います。
「進化している」とか「円熟の味が出ている」などのお言葉をいただきますが、自分では全くそうは思っていません。いっても、まだ26歳なんで。
ソチ五輪での金メダルということには、全くとらわれていません。結果として手に入ればうれしいですし、理想もそれがよいのですが、今は漠然としたものです。たとえ五輪に行けなくても、やり切ったと思えるように、五輪までの時間を大切にやっていきたいと思います。
「理想のスケート」って言葉を使うこともあるけれど、実際には「理想ってどんなんだろう」と、分かりません。ただ、理想というものは「こういうふうになりたい」と思うと、そこで止まっちゃうのかな。「もうこれ以上できない」と思ったところまで来たら、多分それが理想なんだと思います。
「五輪までの時間を大切にやっていきたいと思う」と語る
そのころと比べれば、今回の五輪前のシーズンは気持ちの面で充実しています。不安も受け入れて、焦りも受け入れて、という感じ。どこまでいっても不安はつきものです。焦るときは焦るし……。
でも、それを経験ととらえ、受け入れてやっていこうと思っています。そういった意味では、今までと一番違うかな。4年前と比べて、成長しているんでしょうね。
今の私はこの部分に一番反応してしまいました。
不安も受け入れて焦りも受け入れて。
漠然とした不安を抱えながら、でも仕事はしていました。
仕事をしている間は、逆に忘れられますから。
でも、仕事が終わって、PCの前に座ると、何も変わらない現状に不安になっていました。
不安になったって、焦ったって変わらないのにね。
だから、ネット上を探し回っていました。
これもいい経験。
そう、こんな経験はあまりなかった。
今年の夏、フレンズの楽日のチケットが手に入らなくて、
でも自分としては絶対楽日を見るぞ、と思っていました。
でも、いつまでもチケットは手に入らなかった。
まあ、立ち見でもいいか、と思いつつ、立ち見もできなかったらどうしよう?
そんなことを思いながら過ごしていました。
結果的には楽日は2公演とも観ることができましたが、
本当に観られるとは最後の最後まで思っていませんでした。
ある大ちゃんファンの方が、なんだかんだ言っても最後にはチケットが手に入る、と言ってました。
でも、ない不安。本当に観られるのかという不安。
これだけは、避けようがない。
だから、攻めて大ちゃんのように前向きにとらえたいのですけどね。
40過ぎのおばちゃんにはちょっときついんですよ(ワラ
それまでは「今日できなくていつできるんだ」という感じだったけれど、「今日はできないな。明日のためにちょっとやっておこう」と思って。
明日のために「100」はできなくても、「20」やっておけば、プラスになる。それを継続してやって、5日たてば「100」になる。そんな感じで過ごそうと思ってから、気持ちが楽になりました。
0か100の男が20でとどめる。
考えを変えるって容易なことでないと思います。
100=100するんじゃなくて、
分割して20×5=100。
答えは同じ100なんですものね。
こんな柔軟に考えられる大ちゃん。
しなやかなのは体だけでなく、
頭もなのね、
と思いました。
10~11年シーズンは現役を続けるかどうか迷っていました。今はそこで現役をやめなくてよかったと思います。
大ちゃんが自分に対してこう言うなんて。
なんかうれしいですね。
試合に出れば、「このまま勝ち続けられるのだろうか」というような不安はどんどんどんどん大きくなります。でも今は、自分の体のクオリティーがどんどん上がってきていると感じます。
その中でのスケートは、「こんなこともできそうだ」「あんなこともできそうだ」と自分の可能性が膨らんでいることが感じられます。
十何年やっているけれど、初めてちゃんと向き合ってやっているかなというくらい。もっと早くからやっておけばよかったかなと思います。
先ほど、報道ステーションに出た大ちゃんを観ていました。
そこでも体のクォリティーがいいことを言っていたように思います。
ニコライに言われたことができる体になったと。
自分の可能性が膨らんでいる。
初めてちゃんと向き合ってやっている。
本当にやめなくてよかったね、大ちゃん。
鼻の奥がつーんと痛くなってきました。
「できるんだ」という事実を、自分自身で体感することができました。壁を乗り越えられるという自信がつきました。
もちろん不安はずっとあります。けれども、壁を越えやすくなりました。「できたじゃん」「できるじゃん」みたいな。臆病にならずに思い切りやってみよう、という感じでしょうか。
こうやって、記事を切り取って読んでみると、
大ちゃんは弱いところも出しているんですよね。
不安。
この文字が結構、出てきています。
競技会への素直な大ちゃんの気持ちなんだと思います。
でも、それらを乗り越える気持ちを今の大ちゃんはもっている、
そんな感じがしました。
思いっきりやってみる。
10代からアスリートの道で戦ってきた大ちゃん。
確かにまだ26なんだけど、もう、10年選手でしょ。
一つひとつの経験を身とし骨とし得てきたことが、
今の大ちゃんを作っているんだろうな
と思わずにはいられませんでした。
だから、やってみる。
やってみなきゃ、できるかどうかわからないんだから。
フィギュアスケートは女子のイメージがすごい強いと思うんですけど、そこで「男子はすごいな」とか、「男子も面白い」と思っていただけるような時代になってきたのかなと思います。今は不安な気持ちも、楽しみな気持ちも両方あります。楽しみが大きければ大きいほど、不安も大きいです。
やはり、一般的には女子のイメージなんでしょうね。
私は、男子が好きなのでそうは思っていません。
それに今の日本男子は、世界で一番、ハイレベルな戦いをしていると思います。
今年、その男子の戦いをこの目で直接見られ事は、今、一番楽しみなことです。
期待されて見られるから、大ちゃんは楽しい気持ちがあるでしょう。
大ちゃんがシニアに出たての頃は、男子のテレビ放映を生放送するなんてあり得ませんでしたから。
でも、注目される喜びと同時に、同じくらいの不安があるという大輔。
ハートでどこまで伝えられるか、自分との戦いもあるのかな、と思いました。
「進化している」とか「円熟の味が出ている」などのお言葉をいただきますが、自分では全くそうは思っていません。いっても、まだ26歳なんで。
前に美姫ちゃんもベテランと言われて、自分はまだ23歳です、みたいなことを言ってなかったっけ。
『littleWings2012』あたりに書いてあったように思います。
フィギュアって選手の寿命が短い競技だとずっと思っていました。
それが、最近ではロシアのおじさんたち、30歳のプルシェンコとか29歳のメンショフとかががんばっているから、この考えは捨ててもいいかな、と思い始めています。
大ちゃんもどちらかと言えば、そちらに近い。
スケアメの表彰台日本人3選手とはやっぱり世代的にちょっと違う感じがしました。
でも、大ちゃんは「「まだまだだな」と思っているんですね、たぶん。
そういう意味の否定だと思いました。
まだ、進化できる。
まだ、円熟の味ではない。
まだまだ、なんですね。
私たちはまだ、発展途上の大ちゃんを観ている。
なんだか、期待が膨らんで、ドキドキしてきました。
「理想のスケート」って言葉を使うこともあるけれど、実際には「理想ってどんなんだろう」と、分かりません。ただ、理想というものは「こういうふうになりたい」と思うと、そこで止まっちゃうのかな。「もうこれ以上できない」と思ったところまで来たら、多分それが理想なんだと思います。