ソチへ向けての新ルール。





今季の新ルールについてのコラムです。
選手の言葉があって、わかりやすいです。
丁寧な取材をされたなあ、と
堅い話ですが、楽しく読みました。



フィギュアの世界
フィギュア本格開幕 浅田、高橋…新ルールにどう挑む
フリーライター・野口美恵


 2014年に開催されるソチ五輪のプレシーズンとなるフィギュアスケートの12―13年シーズンが本格的にスタートする。19日からグランプリ(GP)シリーズ初戦となるスケートアメリカが開幕、日本からは小塚崇彦、羽生結弦らが出場予定だ。今季はルール改正が行われ、五輪を意識するならば、リスクや変化を伴う挑戦をしておきたいシーズンになる。日本の主な選手はどう臨むのだろうか……。


 

ソチ五輪に向けたルール改正

 フィギュアスケートでは2年に1回のルール改正と、毎年の採点基準変更がある。今季はルール改正が行われ、ソチ五輪に向けた最終的なルールの枠組みが確定した。各選手は新たな採点傾向をチェックし、自分の技量にあった作戦変更を試みる、重要なテストシーズンを迎えることとなった。

 大きなルール改正は【1】ショートプログラム後半(1分25秒以降)のジャンプの基礎点が1.1倍、【2】コレオシークエンスの創設、の2点である。

 改正の目的は「よりオリジナリティーがあり、芸術的にもスポーツ的にも、魅力のある演技を求めた結果」と国際スケート連盟(ISU)の平松純子理事は説明する。



ジャンプ得点1.1倍…「難度」か「後半」か

 これまでショートプログラムでは、ほとんどの選手がジャンプ3つを前半に固めて、後半にスピンとステップをするという傾向があった。体力があるうちにジャンプをこなす作戦だ。

 このためショートプログラムの演技構成は、どの選手も似たものになりがちだった。そこで今季から、プログラム後半の1分25秒以降は基礎点が1.1倍になるボーナスルールを設定。ボーナスを狙って後半にジャンプを配置する選手が現れ、結果として選手間にオリジナリティーが生まれることをISUは期待しているという。

 7日までフィンランドで開催されたフィンランディア杯で優勝した羽生結弦は「トリプルアクセル」と「トリプルルッツ+ダブルトウ(トウループ)」を後半に置き、基礎点で1.58点分のボーナスを獲得した。
 一方、9月下旬にドイツで開催されたネーベルホルン杯で優勝した織田信成は、基礎点の高い「トリプルフリップ+トリプルトウ」を前半に入れる作戦で優勝している。

  

村上は「ジャンプを総入れ替え」

 また鈴木明子は「確率の高いトリプルトウ+トリプルトウを後半に入れる」と『新技のトリプルフリップ+トリプルトウを前半に入れる』の2つの作戦を練っている。

 「今年はトリプルフリップ+トリプルトウに挑戦したいという気持ちが強く、オフのあいだずっと練習してきました。でもトウループを後半に持ってきた方が(成功率を考えると)点が高いかもしれない。シーズンを通して考えたいです」という。

 トリプルトウ+トリプルトウに自信がある村上佳菜子は「シーズン当初はトリプルフリップ+トリプルトウの練習もしていたのですが、ルール変更が発表されてから、ジャンプを総入れ替えしました。トリプルフリップ+トリプルトウを後半にやるのは無理なのでやめて、トリプルトウ+トリプルトウを後半に入れます」という。質の高いジャンプには加点も付くことから、得意技を後半に入れる方が高得点を狙えると判断した。
 プログラム後半は疲れるため、難度の高いジャンプの成功率は下がる。だからといってジャンプの難度を下げてまで、後半に跳ぶ価値はあるのか。各選手が自分にとってベストのジャンプの種類と配置を探るシーズンとなりそうだ。

 

 



コレオシークエンスで求められる独創性と最後の盛り上げ

 ルール改正のもう一つの目玉はコレオシークエンスだ。昨季までの男子「コレオステップ」と、女子「コレオスパイラル」に代わるものとして作られた。ISUルールでは「あらゆる動きを取り入れた自由なパート」と定義している。

 これまでのステップのように「ステップ」「ターン」が主体になる動きではなく、プログラムの見せ場になる演技なら何でもアリ、というパートになる。女子は脚を腰より上に上げるスパイラル姿勢も入れる必要があるが、何秒以上という規定はない。

 つなぎの1回転ジャンプやスピン動作を入れてもいいし、男子が長いスパイラルで観客を魅了してもOKだ。
 2季前のルール改正では、独創的なステップを可能にしようと、レベル(難度)を無くしたコレオステップを創設した。

 しかし、平松理事はこう話す。「私たちはコレオステップに、もっと独創的なものを期待していたんです。もちろん素晴らしいコレオステップも誕生しましたが……」。そのため「より自由で曲想に合った演技をできるようにと考え、(今回、新たに)コレオシークエンスを導入しました」という。

浅田、ジャパンオープンで手応え

 浅田真央は今季、チャイコフスキー作曲の「白鳥の湖」を使った新フリーに挑戦するが、黒鳥のシーンにコレオシークエンスを入れた。長いイーグル(両足のつま先を180度開いて立つ姿勢)とスパイラルを行う。

 「リンクの端から端までめいっぱい使って、最後の見せ場なので力強く滑りたいです。曲と振り付けがすごく合っていると思います」と浅田。

 初戦のジャパンオープンでは、9人中2人のジャッジから最高評価の「+3」を得て、手応えをつかんだ。

高橋は違うテイストに挑戦

 またステップに定評がある高橋大輔も、細かいターンやステップはほとんど入れないコレオシークエンスで、例年とは違うテイストに挑戦する。

 「ディープで長いエッジワークで、大きくしっかり滑りたいです。滑りの大きさで、音楽の大きさを表現します」と高橋。ディープエッジとは、エッジの傾斜角度を使って加速させていく滑りの技術だ。長く一歩に乗り、ほとんど蹴ることなく加速していく動きで、雄大さや力強さを表現する。

 また最後にステップで盛り上げるのが定番だった鈴木明子は、“コレオシークエンスは、ステップより後”という規定のために、「ステップが曲の真ん中で、コレオシークエンスが最後という順になりました。体力の配分などがまだ慣れないので難しいです」と試行錯誤。

 しかし「コレオシークエンスは曲の最後で、鳥が羽ばたいていくイメージを意識して、スピードを出して気持ちよく滑っています」といい、流れのある独創的な滑りを披露している。
 コレオシークエンスは、どの選手にとっても明確で分かりやすい「最後の見せ場」だ。振付師と選手の才能がピタリと一致し、記憶に残る名演技が誕生することを期待したい。

 


 


男子は「4回転2本」が必然の時代

 ルール改正とは別に、もう一つ今季の大きな変化を挙げるとすれば、男子の本格的な「4回転2本時代」突入だろう。また難度が比較的低い「4回転トウ」だけでなく、「4回転サルコウ」と組み合わる選手も増え、一気にレベルが上昇している。

 10月に行われたジャパンオープンでは、現役男子5人のうち4人が「4回転トウを2本」、1人が「4回転サルコウ」を跳んだ。

 11月に30歳となるエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)は、「試合で(4回転を)2本入れたのは05年以来。挑戦できたことに満足ですが、脚がガクガクになった。ソチ五輪に出場して全力を出すことが目標なので、五輪に向けて調整していきたい」と話した。

 また11、12年世界王者のパトリック・チャン(カナダ)は、4回転トウを2本とも転倒したものの、「コーチや振付師が変更になり、まだジャンプのリズムが合ってないが、徐々に良くなっている段階。オフには4回転フリップをハーネス(補助器)をつけて練習し、あと少しのところまできている。(13年)1月のカナダ国内選手権で試してみたい」と意欲的だった。

小塚「クリーンな4回転2本」を目指す

 高橋も、オフの間に4回転ルッツを練習した時期もあった。「まだ試合で入れるつもりはない。今季はとにかく4回転トウ2本が目標」というが、昨シーズンは4回転フリップをNHK杯の公式練習で成功させるなど、4回転に多くの可能性を秘めている選手だ。

 また小塚崇彦は、自身初の「クリーンな4回転2本」を目指す。ジャパンオープンでは1本成功、1本転倒と、シーズン初戦としては手ごたえ十分。昨季は国体で挑戦し、2本とも片足での着氷に成功している。

 「4回転トウ2本は当然去年から跳ぼうとしていた、いや、跳ぶべき課題。『今年の挑戦』などと言っていられない」と、より現実的な目標としてとらえている段階だ。
 羽生はフィンランディア杯のフリーで「4回転サルコウ」と「4回転トウ」を成功して優勝した。



 

五輪へ過酷かつ刺激的な戦いがスタート

 2位のリチャード・ドーンブッシュ(アメリカ)は4回転トウを2本成功、3位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)はこの試合ではミスしたが、4回転サルコウと4回転トウをそろえた経験がある。

 GPシリーズが始まる前のシーズン序盤から、4回転は“インフレ状態”。高橋は言う。「2本は当たり前の時代。そんな時代にいることは、しんどいけど、試される感じで面白いです。ソチ五輪までには、4回転2本どころか3本という時代になってくるかもしれませんね」

 ソチ五輪に向けて、芸術的にも技術的にもレベルを上げなければ勝ち抜けない、過酷かつ刺激的な戦いがスタートした。



 




なかなか読むヒマのなかった新ルールのハンドブック。
ありがたいです、こうやって教えていただくと(^^ゞ




SPのジャンプ。

早速いろいろな構成が出てきつつあるみたいです。
ネーベルホルンやフィンランディアとか
もうちょっとチェックしておけば良かったな。
昨日、男子のSPをフルに観たけど、
まあ、見慣れないせいかまだ、ちょっと・・・・・・
という感じがあります。
でも、得点アップを狙って構成を変えてくる。
これは狙い目通りになっているのかな?と思いました。





コレオグラフィックシークエンス。

もっと、独創性を、と言うことなんですね。

もちろん素晴らしいコレオステップも誕生しましたが……

ちょっと気になりますね。
どれを指しているんでしょう?
私はやっぱり、大ちゃんの「ブルース」とか
ジェレミーの「エクソジェネシス」あたりが好きですね。
あ、もちろん、カメレンゴ先生の「ピアソラ」も。


でも、これを読んで
大ちゃんの「道化師」のコレオがなんでああだったのかわかりました。


ディープで長いエッジワークで、大きくしっかり滑りたいです。
滑りの大きさで、音楽の大きさを表現します。



やはり、狙い目はディープエッジだったんですね。


ディープエッジとは、エッジの傾斜角度を使って加速させていく滑りの技術だ。
長く一歩に乗り、ほとんど蹴ることなく加速していく動きで、雄大さや力強さを表現する。



初めて見た時、ある意味、衝撃的な感じがしました。


ただ、まだ、発展途上。


あ、偉そうでごめんなさいm(_ _)m
でも昨季、
NHK杯の「VAS」で、
国別の「ブルース」で、
会場の観客を、テレビの前の視聴者を
引きこむ演技をした大ちゃんですから。
この2つは会場で見ていましたが、
私は引きこまれ、わしづかみにされました

JOはすごかったけど、
この部分はまだ余地があるなーと思っています。

そして、あっこちゃんのコレオも。

コレオシークエンスは曲の最後で、
鳥が羽ばたいていくイメージを意識して、スピードを出して気持ちよく滑っています


うんうん、わかる。そんな感じがしてますよ。



コレオシークエンスは、どの選手にとっても明確で分かりやすい「最後の見せ場」だ。
振付師と選手の才能がピタリと一致し、記憶に残る名演技が誕生することを期待したい。




最後の見せ場。



ステップシークエンスの後でなければならない、
と言うことからもわかります。
記憶に残る名演技、期待したいですよね。
そして、そういう演技が出たらジャッジさん、
しっかり評価をして
コレオグラフィックシークエンスのさまざまな形を見せてほしい、
と思いました。





新ルールとは別に4回転。

スケアメもオンパレードでしたね。

これもあるから男子は面白い。

ソチ五輪に向けて、芸術的にも技術的にもレベルを上げなければ勝ち抜けない、
過酷かつ刺激的な戦いがスタートした。


その通りだと思いました。

そして、そんな戦いを大ちゃんは

2本は当たり前の時代。
そんな時代にいることは、しんどいけど、試される感じで面白いです。
ソチ五輪までには、4回転2本どころか3本という時代になってくるかもしれませんね。







面白い。







こう言ってのける大ちゃんが、
私は頼もしくって好きですよ。




 



3つの記事の2つめ、書けました。












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