
桜がまだまだ満開の頃
二人掛けのベンチが2台とシーソーが1台だけ設置してある
こじんまりとした公園で
ベンチに座って
桜をガン見しながら
無の境地に挑戦していた
俺。
満開桜は
見事すぎて
無の境地のことなんて
5秒で忘れるほどの
見事桜だった。
その時、俺は気付いた。
(今の俺ってば、めさくさ優雅じゃね?)
だれもいない公園で
目の前に満開桜。
こりゃあ、めっさ優雅やん?
今の俺は
優雅を満喫しとるやん?
優雅を満喫しとる俺って
誰がどう見ても優雅やん?
優雅な俺…
マジ、優雅やん?
そんな俺って
英国紳士やん…?
5分
いや
10分
うわ言のように
『めっさ優雅やん?』
を連呼していたら
俺の優雅に
グイグイ乗り込んできた
一人のおっさん。
(うわ、人間来たわ…)
そうは思ったが
そこは、まぁいいわけ。
だって公園は
みんなの公園だからね。
でも、そのおっさん。
競馬新聞読みながら
こともあろうか
俺が優雅ってる二人掛けのベンチの隣に
座って来やがった。
(ちょい向こう行けばもう一つ二人掛けのベンチあるやん!この光景なんかおかしいやん!)
叫んだよ、心の中でさ。
その時の俺の絶望感に満ち溢れた姿ときたら
涙なしでいれる者はいなかったと思いますよ。
おそらく
あくまで
おそらく
ちんすこうを恵んでくれる
あったかい人々が
無数にいたんではないかと
勝手に思っております。
しかしまぁ、
言ってしまえば
一緒に座ってるのがイヤなら俺がもう一つのベンチに移動すればよかっただけの話ですけども…
でもね、
ここですぐさま移動したら
おっさんに負けた気がして
断固、移動しないと
心に誓ったよ。
5分
いや
10分
真っ昼間の
なにもない公園のベンチに
若手のおっさん一人と
ベテランのおっさん一人…
はたから見たら
「なんのカップルやねん!」
そうツッコミたくなること
山の如し。
しかしね、
5分過ぎた辺りから
なんかおもしろ光景じゃね?
そう思えてきた事によって
苦にはならなくなったよね。
むしろ
ずっといたい。
そう思えなくもないような
そんなわけないような…
なんか、
おっちゃんに勝手な親近感沸きはじめてきたよね。

だから
勝手に
コンビ結成。
コンビ名
『三連単ズ』
二人なのに
『三連単ズ』
帰り際、おっさんに言ってやったよ。
「おっちゃん、2-6買ってみ。多分当たらんよ。もうコンビ解消や。」
とね。
そんな昼下がりの
優雅なひと時でした。