フランスの大ヴェテラン、ミシェル・プラッソンが最後の来日というので、聴きにゆきました。

ラヴェルの《マ・メール・ロワ》と、《ダフニスとクロエ》の第2組曲では、オーケストラの配置に関心が高まる!チェレスタとグロッケンシュピールが並ぶのを見るのは面白いものです。

《ダフニス》では、パーカッションの人たちの妙技を目の当たりにしてとても感動。
カスタネット凄い。

アンコール曲はフォーレの〈ラシーヌ頌歌〉でした。テンポが割合に速いので面白かったです。オルガン伴奏だともう少しゆっくりになると思います。

それで・・・

私にとってプラッソンとは、まずは
オッフェンバックの《ホフマン物語》で最後までシューダンス社版の楽譜に拘った人でした。幕順は人形、高級娼婦、病身の歌手ですし、エンディングはあのあっけない男声合唱です。

でも、プラッソンはこの版に親しんでいて、音楽的にも安定していると述べていました。

ただ、たまには柔軟な時もあり、アンジェリカ・キルヒシュラーガーがニクラウス役をやったときは、アルコーア社版の名アリアを挿入して歌わせていました(オランジュ音楽祭で)。キルヒシュラーガーさんは、「あのアリアが歌いたくて出演を受けたんですよ」とインタヴューで語っておられました。プラッソンもがちがちに縛りを効かせなかったわけです。

そしてもう一つ、プラッソンといえば、ロベルト・アラーニャをよく引き立てた人でした。

ガルニエ宮での《ル・シッド》では、アラーニャの名演もさることながら、カーテンコールでのアラーニャとプラッソンのコントみたいなやりとりも毎回楽しみでした。複数回観たのです。親子の交流のような温かさが感じられたりもしました。

プラッソンのお陰でいろんな音楽を聴き、いろんな人間模様も見せて貰いました。





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