1.今日初めてモンテヴェルディのオペラを聴いたが驚かずにはいられなかった。まるで17世紀につくられた作品とは思えないほど荘厳で厚みがあった(UD)

2.事前に教科書を読んでいて近いほど品がないという点、特に時代については歌舞伎とも通ずるところがあると感じた(土)

3.私はエジプトに1年間留学していたが、カイロのオペラの音声はエジプト方言ではないと思う。殆ど聞き取れなかった(AR)

4.カヴァッリはなぜ命の危険を冒してまでパリに向かったのか疑問(AR):他国の王者からじきじきに招聘が来るという栄光はやはり大きかったと思う。あと、「他国の音楽文化を生で体験したい」というアーティストとしての本能も。

5.実際のカストラートの声はカウンターテナーと比べて力強く、ふくよかでつややかに感じた(伊)

6.先生がオペラ1作を研究したり鑑賞する際、主にどのような視点から作品を捉えていますか?(英):事前に楽譜を読んでおき、実際に上演を観た時点で、「有無を言わさず心に飛び込んでくる印象、情報」が伝わるので、その点からまずはその作品の「存在意義」を考える。職業柄、楽譜を事前に読みますが、学生諸君はそれとは関係なく、まず最初に何を感じたかを大切にすることで、理解が進むと思います。

7.オペラの歌ばかりに注目したが、熊になったカリストの動きを見て、字幕も無く言葉も分からない中でも、彼女の戸惑いが見て取れたので、演技も大切であるのだと分かった(HD)

8.300年前には名作でもなかったが、現代では名作とみなされるような隠れた作品もたくさんあるのではと考えた(独):7番の人の発言に出てくる《カリスト》もその好例。初演時は不評に終わったが現代では高評価。

9.カストラート、あんなに歌声が高いとは思わなかった。でも、当時はまだ男性ホルモンなど発見されていなかっただろうから、どうして去勢が歌声に影響することを知ることが出来たのかが気になった(西):確かに。イスラムの宦官制度などから、去勢された人間の声をスペイン人たちが気にして、そこから南イタリア(スペインと縁が深い地域)に情報が伝わったのかもしれないです。

10.ヴィヴァルディのオペラのような作品には、しばしば技術的に演奏しがたい部分が多く含まれており、楽器の演奏者たちに過度の負担を強いることが多いと感じました。そのため、音楽的な表現や美しさよりも、技の誇示に重点が置かれているのではないでしょうか?(日):「過度の負担」と思う演奏者もいれば、「チャレンジ、乗り越えてやる!」と負けん気を発揮する演奏者もいるので、それはひとそれぞれですが、「技の誇示」については、先生のようなオペラに慣れた人間でも、「思わず息を呑むほどに卓抜した技巧」を聴くと、そこに高い芸術性を感じます。「ほかの人が出来ないことをやっている」、それすなわち芸術です。

11.私は着物が好きなので、《壇ノ浦》の着物が平安時代にごろに観られる形をしていたのが、印象的だった。当時には無さそうな、袖に異なる布をあしらったデザインが特に美しかった(西)

12.率直に先生が好きなオペラはなんですか?(SW):第14回で紹介する《ペレアスとメリザンド》が、ここ40年ほどは不動の第一位です。

13.トルコ語のオペラ、単語レヴェルで聴きとることは出来たので、大まかな全体の雰囲気を推測することは出来ましたが、文章としての意味を理解することはできませんでした(土)

14.《道化師》で椅子でこける演技は上手いなと思ったら、まさかアドリブ(アクシデント)とは思わずおどろいた。相手役の女声がカヴァーしたのはまだしも、指揮者が合わせてオーケストラを調節したというのが本当にすごいと思う(英)

15.イタリア人の「人生は山あり谷ありなのだから、オペラの筋書きでもすべて一つにまとまっていた方が良い」と言う昔の考え方に、イタリア人の国民性が出ていて素敵とおもった(英)

16.インテルメッツォの《奥様女中》には、本当に、時代が動いたことを実感しました。すごくリズミカルで観ているこちら側まで体でリズムwおとりたくなったし、単語もはっきりと聴きとりやすく、内容も理解しやすかったです(PH)

17.カストラートの歌声はすごくきれいで好きだけれど私もちょっと怖いと思ってしまった(PH)

18.《道化師》のアクシデントで歌手たちと、即座に順応する指揮者とオーケストラは、高い技術が前提になるものの、それ以上にプロ同士に生じている無言の信頼関係が大きく作用しているように感じ取れ、感銘を受けました(越)

19.ミャンマーのオペラで検索しても出てこなかった。ミャンマーにオペラは存在しないのでしょうか?(緬):先生が調べた限りでは、人形劇に歌がつくという形の舞台芸術が、多少オペラに近いというぐらい。なお、ビルマのマハラジャというキャラクターが出てくる作品を、20世紀のオペラの回で紹介予定。

20.曲は繰り返しが多いのに、ずっと聞いていたい気持ちになった(仏)

21.《プラテー》が奇妙過ぎて逆に見入ってしまった(仏)

22.2限の最後のカウンターテナーの方のソロの時の指揮者が跳ねるように表情豊かであったので、お名前が知りたいです(土):ジャン=クリストフ・スピノジです。

23.先生はスペイン人の声だと分かると仰っていましたが、日本人の声質なども特徴はあるのでしょうか?(中):基本的に「響きが浅い」です。しかし、そこを深く出来た日本人歌手は海外でも高く評価されています。日本語の発音自体があまり深いところで発音しないということも影響しているようですね。

24.オペラはどこまでアレンジが許されているのか気になった(例えばギターを使うなど)(日):基本的には楽譜通りやりますが、300年前のオペラだと、楽器編成がよく分かっていない作品も多く、指揮者の判断でいろんな楽器を加えることがります。ただ、17世紀のオペラの場合、ギターを使うことは結構あったようです。当時はそれが常道であったようですね。

25.女中さんが主人に言いたいように言っている作品がおもしろかった。社会の変化も反映されているのが興味深い(日)

26.以前、人形浄瑠璃を見に行った時、よく分からないという感想を持ったが、オペラのように、歌詞より感情の揺れ動きに注目して見るべきだった(英)

27.カストラートの歌声には男性的な力強い要素が感じられるのと同時に、自然な高音であるという印象もか難じられた。この二つが喧嘩することなく共存出来ているのがカストラートの特徴ではないだろうか(HD)

28.中国語のオペラに関してはところどころ聴きとれるものの、高音になると全く聴きとれず、確かに声調は違っていた。ただ、その歌声はとても力強く、中国語の力強さとは異なる印象を受けた(中)

29.イタリア語を解さないロンドン市民がイタリア語のオペラをそのまま楽しんでいたというのは、本当に彼らはオペラを楽しめたのか疑問に思った(独):事前に英語の対訳付きイタリア語の台本を買って読むことで内容を予習してみていた。

30.モンゴル語のオペラは声に深みがあり、言語が分からなくても楽しめると思った(中)

31.異国を舞台としたオペラが異文化に対する憧憬だけでなく、無意識の差別の感情を助長したこともあるでしょうか?(日):これからの授業の中でそれに類似する作品も出てきます。

32.イランでは少し前まで女性と男性がスポーツ観戦などで同じスタジアム内に入ることも許されない状況でした。ローマでも昔はオペラに女性が参加できなかったと聞き、このような男女間の対応の差は世界中であるものなのだと思いました(波)

33.《イーゴリ公》のメロディは、高校時代にオーボエを吹いていたので、よく知っていて、でも、歌も踊りも入った映像を今日初めて知ることが出来てとても嬉しかった(波)

34.カストラートのことは今日初めて知って衝撃。嫌悪感よりも恐怖感を覚えた。オペラのために人間の体に手を加えるということが未知だったからと思う(英)

35.マリア・カラスのパリの特別コンサートに来た客は全員、招待客ですか?(仏):ほとんどが「チケットを買ってやってきた名士たち」。チャリティーの特別コンサートなので、通常のチケット代の4倍の価格で販売され、それを名士たちが続々と買ったとのこと。マリア・カラスも巨額の出演料をもらい受けたが、それをそのまま全額寄付した。





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この7月末に出る翻訳本2冊の御紹介をしています。
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