オペラ研究家と言う肩書で仕事をしています。

たまに、印刷物などで、オペラ評論家と誤植されることがあるので、訂正はその都度申し入れています。

研究家が最優先するものは楽譜です。

ただし、そこで認識を徹底しておかねばならないことが一つ。

時代によっては、「楽譜通り演奏されないことを前提に書かれた楽譜」があると、しっかりと把握しておかねばらないのです。アポジャトゥーラ(倚音)の扱いとか、ヴァリアンテをどんな風に付けるかなどなど。歌手の自由裁量に任せる時代のオペラも多く、「何が何でも楽譜通りに演奏されねばならない」という考えは、私の姿勢とは違っています。

例えば、「ヴェルディが書いた通りに」という言葉が、作曲時期によっては危うい表現になってしまうことなど、その一例です。

楽譜を尊重する=「その楽譜を使って、どんな風に演奏して欲しいかと考えていた作曲家の思い」を汲み取ることです。

だから、ヴェルディの作品について語りたければ、ヴェルディの楽譜だけを読むのではなく、同時代や前代の楽譜を同じぐらい読む必要があるわけです。

なお、私の肩書でたまに誤解されて「音楽評論家」と書かれてしまうことがあります。

頭を抱える瞬間です。

オペラ以外の分野はよく知らないので、これは完全なる誤りです。

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