昨日の投稿で、自分がいつまでも覚えていたい歌手の皆さんについていろいろ書きましたが、その時、敢えて2人、外した人が居ました。なぜならば、その2人の芸術性を語るには相当の字数が居るのと、良い映像がどちらも幾つもあるから、それを見て貰えれば一発で分かるということもあって、「ブログよりも講演会向きかな…」などと思っていたのでした。

さて本日、雨の中を、批評するコンサートに行きました。昼間に一つ、夜にひとつ。

夜のコンサート、これから批評文を書くので、詳しくはそちらに記さないといけません。

ただ、びっくりする人名を聴きました。昨日の投稿に載せようかどうか迷っていた人のうちの一人。1980年に初めてその歌声を聴き、爾来、ずっと敬意を抱いています。

この人は、脇役の名手なのです。主役を歌える声がありますが、派手な感じではないので、準主役や脇の存在できらりと光るひとでした。何度か、彼女の舞台に涙したことがあります。

世の中のオペラ歌手にはいろいろな役回りがあります。役柄をどういうものを担うかだけではなく、芸風が一つの国で圧倒的に受ける人、世界的に受ける人、国によって評価がえらく違う人などなど。でも、スター歌手なら必然的に、世界中を回ることになります。

しかし、今回私が記す人は、「脇役で世界中に呼ばれた」人なのです。自分が育った国ではオペラ作りよりも歌手育成の方が熱心で、彼女も早くから国外に出て活躍しました。脇役で世界中に呼ばれることがどんなに大変か? 21世紀の現在の代表格は、テノールのカルロ・ボージですが、この人の現役時代でも、テノールのピエロ・デ・パルマやメゾソプラノののフェリシティ・パーマー(彼女は時々主役)、同じくメゾソプラノのジョスリーヌ・タイヨンなど、ごく僅かでした。



彼女はもうこの世を去り、本当に残念でなりませんが、その人の愛弟子の批評をさせて貰うとは・・・幸運です。

歌手の才能を測るには、歌声を聴くのは勿論のことですが、私がやるのは、素晴らしいと思ったそのご当人の歌を、楽譜と較べることです。優れた人ほど、楽譜を通じて見えてくるものは多い。この人の歌は、本当に、多くの美質を含んでいました。漏れがないのです。水も漏らさぬという歌い回し。だから、演じた役の存在感が増すのです。

音源を一つ。



前もお聴かせしたかもしれませんが、こちらも。



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北陸地方の震災の義援金について、新しいお知らせが出ていました。

https://www.jrc.or.jp/domestic_rescue/2024notoearthquake.html

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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
https://ameblo.jp/2022wcars/