昨日ご紹介したフォーレの歌曲ですが、〈我らの愛〉という一曲(演奏例を3つ挙げたもの)の楽譜の断片をこちらに載せておきます。


2段目の歌のパート、普通の音符の上部に、小さい音符が並んでいますね。
これが、昨日のブログに書いた「選択肢」なのです。

普通のサイズで記譜してある音符が主なもの。小さい音符のところは「やりたければ、お好きにどうぞ」といった感じで載せてあるわけです。

この、「小さい音符の方」で歌うと、ホ長調でミ(E)が主音、到達点である高いシ(BもしくはH)は完全五度で上に行くわけです。そちらの譜例で歌った場合、「われらの愛の完全勝利」に聴こえます。安定感が出るからです。

でも、大きい音符の方で歌うと、ミからラ(A)に行くので、完全4度上がることになります。そうなると、「われらの愛は現在進行形で進んでおり、これからも頑張ります」といった感を受けます。

といっても、ここまで書いてきたことは、私個人の感想でしかありません。

実際に歌われる方や、曲を好んで聴く方は、皆さん、それぞれの解釈や感想でこの曲を楽しまれれば良いのではと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=oTr3WbMY5ao

この人は完全4度の方(大きい音符の方)で曲を終えています。また、その解釈が、彼女の声音や歌い回しにもぴたりとくるようです。ピアノ伴奏もさざ波のように響き渡って、見事です。

こちらは、英国が誇る大バリトンの爽やかな歌声です。夜中に聴いていても味わい深い。完全4度のフレーズ(大きい音符の方)で終えています。それにしても、この人がこういう歌曲に取り組んでいるとは、今日の今日まで知りませんでした。僥倖と言いたくなります。

https://www.youtube.com/watch?v=3Hpe6N2Bxbk








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北陸地方の震災の義援金について、新しいお知らせが出ていました。

https://www.jrc.or.jp/domestic_rescue/2024notoearthquake.html

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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
https://ameblo.jp/2022wcars/