第1幕第3場の女声合唱です。録音が古いロシアのものですから、コーラスの発声がスラブ式ですね。でも、音楽の麗しさは伝わってきます。なんと清々しいメロディかと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=Fnc7Lg5gNyc

もう一つ、最近の演奏(コンサートから)を映像で。楽器の使い方もよく見てみて下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=mS8d5tjI4yI

コーラスの発声がやや素人っぽいですが、それもまた、この曲の質感には合うのかもしれません。

この合唱曲は、第1幕第3場冒頭で流れるものですが、このあと、タチヤーナの心配ぶりと現れたオネーギンの冷たい拒絶のアリアがあってから、そのアリアが終わってから、もう一度この女声合唱曲が聴こえてきて、幕が下ります。下の映像の1時間08分から最後までを観てみて下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=UHXzpF9Iqzs

実は、ここに出した演奏は、ちょっとテンポが速いのです。あと、止められることではないのですが、オネーギンのアリアの後、客席からの拍手が起きます。

でも、その拍手はこの場のドラマを妨げるものなのです。

もしも、この実演がもう少しテンポが遅くて、オネーギンのアリアの後に間髪入れずに女声合唱が入ったなら、この場面の酷さはもっと際立つのです。

私の人生で2回だけ、そういう上演がありました。1回はジュネーヴのもの。もう1回は東京でのことです。

客席からの拍手は、大体の場合、入った方が場内が盛り上がります。

ただ、チャイコフスキーのこのオペラのこの場面に接するたび、「ここは拍手で中断されてほしくはない」と願ってしまいます。

ワーグナーの主張、気持ちもわかるような気がします。


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北陸地方の震災の義援金について、新しいお知らせが出ていました。

https://www.jrc.or.jp/domestic_rescue/2024notoearthquake.html

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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
https://ameblo.jp/2022wcars/