「ボサノバ」かと思っていたら「ボサノヴァ」でした。確かに、ポルトガル語です。

何が驚きって、1950年代に生まれたジャンルだということが!

あの名曲〈イパネマの娘 Garota de Ipanema〉にしても、1962年の作なのだそうです。 

私は小野リサさんの歌声が好きで、時々聴いていますが、以前、テレビ番組でマルシアさんが歌っていたのも絶品でした。



ところで・・・私が好きな2大ボサノヴァ風歌謡曲があります。

一つはこちら。太田裕美さんの〈恋愛遊戯〉。1975年の作だそうです。誰か歌ってくれるなら、ピアノ伴奏を無料でご提供したいぐらい(!)。こういう曲を伴奏するのは本当にうれしいことです。





もう一つは〈どうぞ、このまま〉。1976年の作品とのこと。気だるさナンバーワンの名曲ですね。歌った丸山圭子さんご自身の作詞、作曲だそうです。



ところで・・・ポルトガル語のオペラはとても数が少ない。私が持っているCD全曲盤もわずかに3組。そのうち2つがブラジルの作曲家のものです。スペイン語オペラの活況ぶりとは比べものにならないのです。

これはどうも、王室がポルトガル語のオペラ作りに積極的ではなかったのが影響しているよう。リスボンは、ローマと並んで「18世紀末まで女性がオペラの舞台に立てなかった都市」でした。オペラ史を考えているといろんな感興が湧いてきます。

ただ、ポルトガル語のオペラは数少なくても、ポルトガル語の歌はたくさんありますね。

ハイメ・オヴァーレの〈アズラオ〉もそうですね。ボサノヴァではないですが。



なお、オペラでポルトガルを舞台にしたものは結構ありますが、大体フランス語オペラです。ブラジルを舞台にしたものもあります。

例えば、ドニゼッティの《ドン・セバスティアン、ポルトガルの王》など。
フランス語のタイトルは、Dom Sébastien, Roi de Portugalです。テノールの名アリアがあります。



昔、このオペラの批判校訂版の楽譜を買ったとき、「ポルトガルではDomなんだ・・・」 と表紙をしげしげと見詰めたことを思い出します。

それから、ダヴィドの《ブラジルの真珠》。大きな港のシーンというスペクタクルがあります。原語表記は La Perle du Brésil です。



そういえば、ポルトガル語はVをVで発音するので、VをBで発音するスペイン語とは異なりますね。

よそ者としては「あんなに近い国同士なのに、細かいところが違うな・・・」と感じます。

ポルトガル語科の学生たちからは「ブラジルのポルトガル語とポルトガルのポルトガル語は違っていて・・・」と時々教わります。こうやって書いていても、いろいろな違いに面白さを感じます。

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北陸地方の震災の義援金について、新しいお知らせが出ていました。

https://www.jrc.or.jp/domestic_rescue/2024notoearthquake.html

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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
https://ameblo.jp/2022wcars/