ヴェルディの《ドン・カルロス/カルロ》の国王フィリップ(フィリッポ/フェリペ2世)の父親がカール5世です。

オペラの中では「先帝」に当たる人です。

神聖ローマ皇帝であり、スペインの国王ですが、この人はなんと、母語はフランス語であったそう。お父さんがブルゴーニュ公だそうで、生まれたのもフランダース地方とのこと。

それでも、カール5世にとって、生涯の敵国はフランスでした。

どんな思いで闘っていたのか?

クルシェネクのオペラ《カール5世》について考えていて、「えっと・・・実在の人は・・・」と確認して、上記の内容を認識したのでした。

何でも調べてみるものだ・・・とつくづく思う。

ちょっとしたことでも、気づくと嬉しくはなりますし、オペラの台本内の言葉の裏に隠された別の意味が透けて見えるようにも思います。

カール5世の生没年は1500-58。割と早くに亡くなっています。

息子のフェリペ2世は1527-98。没年は、フィレンツェでもうオペラが誕生している頃です。後10年生きていたら、大使からの手紙でも読んで「うちの宮廷でもオペラなるものを・・・」と思ったでしょうか。マントヴァのゴンザーガ家の君主みたいに。

ちなみに、その息子のドン・カルロス・デ・アウストリアは1545-68。僅か23歳で没したから、オペラのことは知る由もない。

でも、そのカルロス王子はいまやオペラ界で人気のキャラクター。実在の人物が可哀そうに虚弱体質であったから、オペラの中の王子のイメージとはかけ離れたものです。

しかし、そういう病気がちの王子様でも、ちゃんと存在したことによって、フィクションの物語(オペラ台本やシラーの原作戯曲)のなかでは、ヒロイックなキャラクターになっています。

実在のカール5世は、孫のカルロス王子とどんな風に接していたのかな?

ふと、そう思いました。




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北陸地方の震災の義援金について、新しいお知らせが出ていました。

https://www.jrc.or.jp/domestic_rescue/2024notoearthquake.html

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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
https://ameblo.jp/2022wcars/