本日、3月8日(金)の14時から18時、NHK-FMの『オペラ・ファンタスティカ』に出演し、新国立劇場でのライヴ録音、ヨハン・シュトラウス2世作曲の《こうもり》をご紹介します。

私はなぜか、オペレッタの解説のご依頼が非常に多いです。《こうもり》も、ウィーン・フォルクスオーパーの来日公演に続いて確か2度目です。

『オペラ・ファンタスティカ』の枠でも、レハール《メリー・ウィドー》(この演目の解説のご依頼が、これまた、非常に多い)、オッフェンバック《美しきエレーヌ》《天国と地獄(地獄のオルフェ)》、スッペ《美しきガラテア》などいろいろやらせて頂きました。

昨年末はディアナ・ダムラウさんの新盤『オペレッタ・アルバム』の解説で死ぬような思いをしました・・・楽譜を手に入れるのがまずは大変。あと、違う題名なのに本当は同じ演目であるとか ー 演目Aがちょっとだけ改訂されて演目A‘ になる際、全然違うタイトルが付けられるとか。オペレッタのアリアを解説するご依頼もこれまた非常に多いのです。最近だと小林沙羅さんのコンサートとか。

「解説しようとしたら、落とし穴ばっかりで・・・なんで、オペレッタが多いんだろう?」

独り言みたいに人前で呟いたら、友達がばっさりと斬ってくれました。

「他の人が、やりたがらないからでしょう」

なるほど!納得しました(!)

実は、オペレッタの歴史を追ってゆくと、歌劇場の歴史により詳しくなるので、そこはオペラ史の研究に大いに役立つのです。

先述のウィーンのフォルクスオーパーが、もともとはオペレッタに何の関係も無かった歌劇場であったことなども、仕事のご依頼が続いたから分かったことでした。

オペレッタは、ジングシュピールやオペラ・コミックと同じく、「マイクが無い時代でも台詞を場内に届けねばならない」様式であったので、オペレッタを上演すべく建造された19世紀~20世紀初頭の歌劇場は、1000席以下が殆どです。

こんな観点も得られるので、オペラ史の中の「ある特定のジャンルの解説依頼が続く」場合は、「そこを勉強せよと言われている」と思うことにしています。

下の写真のミュージックホールも、オペレッタの孫世代のジャンルが、電気マイクの力を得て活用されるようになった場所。石井好子さんのエッセイで、この界隈のいろんなエピソードを知りました(この地域は、モンマルトル墓地近くなので、墓参のために昼間しか訪れたことがなく、そのうち夜の公演も観てみたいなとは思っています)。



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北陸地方の震災の義援金について、新しいお知らせが出ていました。

https://www.jrc.or.jp/domestic_rescue/2024notoearthquake.html

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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
https://ameblo.jp/2022wcars/