冷たい雨が降る中、久しぶりに横須賀芸術劇場まで出かけました。

小ホールのヨコスカ・ベイサイド・ポケットで開かれたコンサートを批評させてもらうためです。

演奏は上々で、良い批評文が書ければと思っています。

しかし、帰りがけ、何をどう間違えたのか、普段とは全然違う階段を下りてしまい、未知の出口に辿り着きました。

そこには、催事のポスターがたくさん貼ってありました。すると、私の目の前に突然、中学生ぐらいの制服姿の - でも、明らかに中学生の制服ではない - 少年が現れ、数あるポスターの中の1枚をしげしげと見つめていました。

それは、ソプラニスタの岡本知高さんのコンサートのもの。

「彼は、岡本さんの声を聴いたことがあるのか?それとも、ポスターの目立つ髪型や衣裳に興味を持ったのかな?もしくは曲に興味を持ったのかな?」

などと考えながら、私はその場を離れました。ポスターを見詰めている人をじっと観察するのも失礼なような気がしたのです。

目の前に中華料理店のバーミヤンがあったので入って座り、遅くなった昼食を摂りました。

でも、料理が運ばれてくるまでも、先ほどの光景についてしきりと考えてしまい、インターネットで検索をかけてみました。

陸上自衛隊高等工科学校という学校が横須賀にあるそうです。どうも、そこに入っている人のようでした。中学を卒業したばかりの若者が入学するのだそう。まだ一年生ぐらいかな。小柄な少年でした。

そういえば、薄緑色の背嚢というものを背負っておられたなと納得。

その時です。

むかし耳にした話が思い出されて突然涙が出てきてしまい、テーブル上のティッシュを何枚も借りる始末に(!)

友達に聞きましたが「特攻隊の中で二人、とても音楽が好きな人が居て、遺品がポケットハーモニカであったらしい」という話が伝わっているそうです。

そんな逸話を思い出したら、自然と涙が出たのです。

いろんな立場の人がいろんな音楽を安心して楽しめる日々が続いてほしい。

切に、そう願います。


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北陸地方の震災の義援金について、新しいお知らせが出ていました。

https://www.jrc.or.jp/domestic_rescue/2024notoearthquake.html

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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
https://ameblo.jp/2022wcars/