★ サリヴァン作曲 英語のオペレッタ《ミカド》より 〈Mi-ya Sa-ma〉



1.《セビリャの理髪師》で理髪師フィガロが自分の人生に自信を持っている感じが見ていて清々しかった(中):歌手がそれを聴けばとても喜ぶと思う。

2.今回の授業の最後の方になるとミュージカルとも呼べるような作品が出ていたと思いますが、違いは何ですか?(中):まずは「マイクなしで歌って演技していること」。次いで、楽譜が要求する歌唱技術が、「簡単そうに見えても」高いこと。

3.車やバイクが好きですが、整備士さんの中には「もう車を見たくない」と言い出した人もいる(中略)。そう考えると、好きなことで食っていくということの美談の裏にある厳しさを思う(中):非常に優れた感想と思う

4.先生がオペラを好きになったきっかけは何ですか?(中):高校一年のときに、モーツァルトの《魔笛》の冒頭を初見でピアノ伴奏するよう頼まれたことから。やりがいがあり面白く感じた。

5.ベルント・ヴァイクルの話に興味を覚えた。自分も異文化に対する理解が必要と思った(中)

6.宗教が声の出し方に影響したと知り、様々な国で様々なオペラが生まれていることの様々な要因があると知った(中)

7.場面に合った楽器が使われているがそれは誰が決めるのか?(中):作曲家がオーケストラスコア(総譜もしくはフルスコア)を書いて決める

8.《カルメル会修道女の対話》で客席がどこにあるのか気になった(瑞):普通の歌劇場のまま。カメラ撮影の場所が上から撮っているので、一瞬分かりにくい/演出に恐怖を感じた。最後の白い十字架に信仰の深さと修道女の純潔さが表れている(履修)/音楽と歌とギロチンの音だけでグロテスクさを表現できることに驚き(丁)/マリア・ユーイングの歌声は厳かでぐっとしみた。信仰を貫く美しさ。私にはない美しさ(西)

9.カストラートが差別を受けることは無かった?(瑞):何か言う人は(オペラファン以外の人)はいたかもしれないが、スター歌手になると名声が際立つので、変な暴言は吐かれない/貧乏貴族の子供が主にカストラートになると聞いて余計に悲しくなった(瑞)/親に利用されている感は悲しい(越)

10.古代の話をテーマにしたオペラは自由な発想で演出ができるという考え方に広がりを感じた。中世文学を読んでいて人によって解釈が様々なので、演出と同じく答えを一つにする必要がないと思った(履修)

11.《ボリス・ゴドゥノフ》の女性の髪形は伝統的なもの?(瑞):恐らくはそう。

12.モーツァルトが35年間でこれだけ多くの作品を生み出せたのは制作能力がとても高いか、それを速く行えたからなのか?と思う(独):その両方とも彼の資質。とにかく速く、集中力を持って作曲。

13.〈蠅の二重唱〉は笑えるシーンですが見ていて生々しく少し疲れました。ああいうのはオペラ好きの人からは非難されないですか?(土):あの二人の歌手の歌唱水準がものすごいので、「あんなことやりながら完璧に歌って!」と驚く人が大半。中には「エロティックすぎる」と思う人はいるかもしれないけれど。

14.アダム・フィッシャーの《売られた花嫁》の序曲を聴いて、オーボエ奏者たちの高速譜めくりやバイオリンの連符を目の前で見てみたいと思った。最前列に座っている人はどんな人?(西):多分寄附をたくさんするお得意さん

15.《ラ・チェネレントラ》は子供向けの道徳劇?王子とヒロインの熱烈な愛をそこまで感じられなかった(仏):作曲者ロッシーニが男女の熱愛を描くのが苦手。御伽噺オペラを上品に作った感じ。

16.いま、モーツァルトの《魔笛》の序曲を演奏する練習中で、モーツァルトを纏めて聴いたことで音楽がどういうものか少し理解が深まった(葡)

17.私はバレエを習っているので、バレエ単体の時の踊りとオペラの中のバレエの踊りが少し違うように感じた(英)

18.《さまよえるオランダ人》がパイレーツ・オブ・カリビアンにとても似ていて、映画はこれをモデルにしたのかなと思った(英)

19.《マリア・ストゥアルダ》で合唱団の声よりソロの声の方がかなり大きく聴こえる。出し方が違うのでしょうか?(英):発声法は皆同じですが、やはり大歌手ならではの声量があるのと、合唱団が後ろに位置して少し抑えて歌っているのが寄与。

20.オペラの歌詞の翻訳はスムーズにできるものなのか?(英):出来ない。訳すだけならできても、「それで歌って効果がある訳詞」にするまで時間がかかる

21.《ローエングリン》のトロンボーンやホルンの使い方が好きで、《タンホイザー》でもホルンの使い方がいいなと思いました。ハンガリー語のオペラはやはり発音がきれいだと思った(洪)

22.《マホメット2世》でステージ中央に積みあがっているものはなに?(丁):あれは「瓦礫をイメージ」したもの。侵略者が破壊したという前提で。

23.ワーグナーの特徴として「日常的なリアリズムを好む」とあるが・・・(越):これはロッシーニの特徴。たぶん、勘違いしていると思う。

24.《エフゲニー・オネーギン》のポロネーズの踊りと音楽は壮大でもゆったりとして上品(越)

25.自分も留学を予定していて、東洋人として自分を強く保ち、存在価値を認めさせることが出来る人になりたいなと思った(露)

26.《セビリャの理髪師》でフィガロフィガロと繰り返しているのを聴いて、「この曲、この歌聴いたことあるな、小さい頃よく口ずさんでいたな」と思い出し懐かしい気持ちになりました(HD)

27.《ワルキューレ》を以前聴いたことがあり、まさかオペラの曲とは思っていなかったので、知った気でいたことを恥ずかしく思った(日)

28.インドやパキスタンを舞台にしているオペラで出ている人の肌が皆白いので、そういうところは無視しているのかなと思う(AR):多分、予算に余裕があれば少しメイクで塗るかもしれない。

29.《トリスタンとイゾルデ》で互いの名を呼び合って愛を確かめるシーンはオペラの歌い方だからこその表現と思った(越)

30.《魔弾の射手》の音楽が優しい感じがして、オペラの壮大な音楽に慣れていない私たちには親しみやすいのではないかとも思いました(越)

31.先生が5分間で大歌手と一対一でインタヴューしたことで、どうやって通訳を必要としないほどの語学力を見つけたかと気になった(葡):それは「話題がオペラのことだから会話が続いた」だけで、日常会話だと苦しいところが自分でも悲しい。

32.《ミカド》でヒラヒラがPiraPiraになっている話に、少し馬鹿にされているような気もしながらも、逆に「よく観察&研究されているのだ」とも思った(AR)

33.「仕事にしたからには、好きなものばかり見られない」の言葉が、就活中の自分に沁みた(仏)

34.漠然とオペラの動画を見ていると飽きてくることがあったが、ふと細部に注目してみると、頭の中でいろんな疑問や予測が生まれ、それを解決してゆくのが楽しかった。新しい芸術の見方を学ぶことが出来た(仏)

35.先生はひまなときでもプライベートで好きな曲を聴くことが無い?(中):一年に休日が一日もないほど忙しいので、暇は基本的にないが、新幹線や飛行機のなかで、you tubeで好きな歌謡曲を聴いたりはたまにある。

36.オペラ歌手に成るのにバレエが出来ることは必要条件?(中):それは「否」。やはり歌声がすべてなので。ただ、バレエを習った経験のあるオペラ歌手は意外に多い

37.訳詞上演をすると原作と物語が変わってしまわないか気になる(泰):たまに、細部の解釈が違ったりもするし、訳詞が音符に上手くはまらないことも多い

38.《悪魔のロベール》が特異な世界観特有のカオスな演劇でとても惹きこまれた(土)

39.性的な表現を伴うオペラの演技で歌手たちの声や体の使い方がとてもうまくて驚いた(SW)

40.私の場合は人よりも好奇心が旺盛だと自分で思っていて、多くのものに目が行くけど人に説明できない=感受性がなさ過ぎて何も思えないということだと思っていたので、「自分の感情を上手く言語が出来ていないことに気付いた」というコメントのような考え方に救われた(中)。

41.バレエが評価され流行したときとオペラの歴史の関係が気になりました。バレエはジャンプやリフトが多いので上品とは言われなかったのでしょうか?(中):バレエだけのステージだと、19世紀からはどんどん敏捷&ダイナミックになってゆくので、それが当たり前になり、オペラの感覚とは離れて進化をたどった

42.拍手には大きな効果があるからワーグナーの「途中での拍手は要らない」という意見には反論したくなりました(英)

43.ロシア式の発声法はヨーロッパの一般的なものにくらべて少し重みを感じる(英):とても良い表現

44.大評判と言われている作品が現在でも楽しめている理由の一つに、ルイ・フィリップ王の民主アピールがあることが面白い(波)

45.スラブ式発声法は遊牧民の影響を受けているのではないかと思った(波)

46.《皇帝ティートの慈悲》で3階建てのステージの1階が一番前に出ていて、3階が一番引っ込んでいるのはどの階にも照明が入るようにするため?(波):多分その通り。細かいところによく気が付きました。

47.今日のダゴンの神殿崩壊の映像は昨日のカラスの白黒映像に比べて音が小さい。声量が少ない?(波):これは、元の映像の問題。《サムソンとデリラ》の方はヴィデオテープから起こしたので、もとからDVDのものに比べて小さくなった。

48.チェコやハンガリーのオペラが他の国から技法を取り入れるとき、差異が生まれたりするのかと思う(尼):やはりその通り。少し違ってくる。そこからその国の個性がまた生まれる。

49.ベートーヴェンの《フィデリオ》がオペラなのか劇なのかよく分からなかった。ハイブリッドの作品なのか?(尼):これは、見せた場面にセリフが多く、そこだけ、オペラと劇のハイブリッド感がしたということ/オペラの中で差別が行われるとき、どういった形で差別が起きる?(尼):有色人種がなかなかオーディションに受からないとか

50.《タンホイザー》仏語訳詞版上演の背景映像がポップで近代的な感じがした(独)

51.時代が進むにつれて楽器が存在感を増しているように思う(HD)

52.日本政府と韓国・中国政府を分かつものはなに?オペラの面で(中):オペラ歌手の育成や字幕のことなど、様々な面で、日本よりも多くの資金を提供することで「欧米への文化アピール」を続けていること。

53.《悪魔のロベール》は絶妙にグロテスクさと官能が合わさっていて面白い(中)/美しさも感じた(中)

54.ロシアの女性の歌いかたも押すように歌っている?(西):90年代までのロシア人女性歌手はやはりメタリックで押すように歌う人が大半。その後教育システムが変化。

55.モーツァルトの家族向けの手紙に幼稚な部分があることに親しみを持った(UD)

56.劇終わりに花束が投げられているのを見て、劇団四季などと違う終わり方でフィギュアスケートみたい(UD)

57.「芸術家は理解された時が一番うれしい」という言葉が心に遺った(日)

58.《ポルティシの唖娘》の炎は本物?(西):あれは一部花火のようなものを使い、あとは照明と煙でカヴァー。

59.モーツァルトが世界中を飛び回ったのは彼が本当にやりたかったことなのかどうか気になった(西): 旅行の移動中はしんどくても、旅先でいろんな作曲家とお話しできたのは嬉しかったよう。

60.《カルメル会修道女の対話》で当時の映像がないだけにオペラが史実を伝える手段になっているとわかった(緬)

61.オペラは字幕さえあればいろんなストーリーが楽しめて良いと思った(朝)

62.《こうもり》で笑いを音楽で表現しているのが凄い(葡)

63.コンチェルタートの歌の終盤の高音の歌声にとても感動した(《清教徒》)。彼女の愛に対する気持ちを感じた(葡)

64.モーツァルトはその才能ゆえに評価もされ嫉妬もされたと理解できた(越)

65.キリスト教の宗派の違いで発声法に差が出ることが面白い(葡)

66.マリーナ・ポプラフスカヤがミカエラ役をしていた《カルメン》を10年前に映像で観たので、ファルコンという声の運命が残酷だなと思った(伊)

67.現代で作られている新しいオペラというのがあまり聞かない(日):実は結構いろいろあって、最終回の授業で纏めて紹介

68.ワーグナーは偉大な作曲家という印象しかなく、人間性にやや問題ありというのを聴いて驚いた(独)

69.《マリア・ストゥアルダ》のような「もしもの話」をオペラ化するのも面白いのだと気づいた(丁)

70.先生から聞くインタヴュー時の大歌手たちの話が、超人のように見える歌手でも感情を持った人間であり、情熱も持ち合わせていることを気づかせてくれて面白かった(独)

71.高貴な人は話し方がゆっくりで庶民は早口というのは初めて知った(独):もちろん、どんな場合にも例外はあるが、洋の東西を問わず、庶民性=早口の話しぶりというイメージは基本的にあるよう。

72.《タンホイザー》のバレエシーンを楽しみにして想像していたら、実際に観たものは、全く違う、どこか「闇」を感じさせるものでした(仏):面白い表現で、良いと思う。愛欲の世界のバレエなので、闇的な要素が見えるのなら、演出家の狙いは成功したということにもなる。

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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
https://ameblo.jp/2022wcars/