先日、司会をしたコンサートで、プッチーニの名アリアをソプラノさんが素晴らしく歌い、ピアニストさんもとても緻密に、控え目に演奏されました。

リハーサルの時、一か所だけちょっと気になったところがあり、思わず口から飛び出てしまいました。

「後奏のところの、あの和音の記号、やり過ぎるとセンチメンタルになるから、もうちょっと固く弾いて下さい。オーケストラで聴くと、そこはそんな風には弾いていないので」

こんなこと、思わず言ってしまうというのは、本当に失礼な話です。

しかしながら、遠慮だのなんだの飛び越えて口から出てしまう、それもまた真実なのです。

「えっと、グリッサンドじゃなくて・・・その波型の記号のところ・・・もっと硬めに」

そして本番、ピアニストの方が、一段と素晴らしい演奏をされました。私が気になった一か所も抜群の出来。きりっと引き締まりました。

後から調べて、私が言えなかった記号の名前については、「なんだ、アルペジオで良いんだ」と納得。

アルペジオといえば分散和音で、ドミソド・レファラレといった感じで普通に譜面に書かれていますが、あの縦の波の記号もアルペジオ記号と呼ぶんだと再認識しました。

「フランス語や英語でなんていうんだっけ?アルペジオはそのままアルペジオで良いんだけれど、そこについて注意するときに・・・」

普段からしっかり言えるようにしておかねばと、改めて思う。



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WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。ご参考まで。
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