マイヤーベーアやオベール、それにアルファーノなど、私がオペラについて考えるようになった頃には「評価が低い」「評価されない」「無視されている」作曲家でした。

でも、自分自身では「評価は高い」「積極的に評価」「注目すべき」と考えていました。グレトリに至っては、名前すら殆ど知られていませんでしたから、無視されるもなにも、「それは誰?」と言われて終わりであったのです。

ところが、40年後の今日、「マイヤーベーア・アリア集」の解説を任されたり、オベールの《マノン・レスコー》の全曲録音を放送で紹介出来たり、アルファーノのオペラの日本初演の解説をさせてもらったり、グレトリのオペラ全曲盤の批評をさせてもらったりと、こういう人々の作品の恩恵に与っているのでした。

なので、「いまの世評」を知ることはしながらも、それに拘泥しないようにしています。
新しいものを発見できないからです。楽譜を頭に入れておけば、「あれ?」と思い、急に興味が湧くことが多々あります。

ところで、私自身は、芸術家や芸術作品に対して「評価が低い」とはまず言いません。

書くとしたら、
「今のところ、あまり顧みられていない」ぐらいです。

今日は確かにそうでしょうが、明日は分からんよ、ということです。

いつか、誰かが顧みれば、そこから再評価の道が拓けます。

誰も言及していない芸術家であっても、どこかの誰かに影響を及ぼしていたりしますから侮れない。

オペラ史の教科書の巻末の年表には、そういった「将来的に再評価される確率が高い作曲家」の名前だけでもと思い、非常に詳しく載せました。

40年前の自分がそういう年表を持っていたら、今日に至るまで、もっと楽であったことでしょう。

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