一般社団法人国際総合芸術研究会 WCARSの会合を拙宅で開いたのですが、ご来場いただいた会員さんから、小さなお土産を一つ頂きました。



「ブルーインパルスばんそうこう」というもの。航空自衛隊関連の商品だそうです。

会話の中で、航空自衛隊で働く人々の話題が少し出て、そこで私の心に大きく響いたトピックスがありました(私の理解が足りないかもしれないので、割り引いてお読み下さい」

「緊急出動する航空機の操縦士は、普段、細かい仕事をしているようには見えないのですが、いざ出動の命令が下ると、そのままびしっとなり、最速で向かいます」

非常に大きな任務を担当する人間は、どの職種でも、日常においては、あまり細々としたことで負荷をかけない方が良いのかもしれない。人間はやはり心で動くものだから、「仕事の結果に気楽では居られない人は、その一点に全力投球してもらうべく、その時までは放任しておく」という風に私は捉えました。

それと比べると、オペラ研究家は、「気楽な仕事」に見えるかもしれません。実際、やり方によってはお気楽でも務まる仕事でしょう。

ただ、「他人の業績を論じる」わけなので、真面目にやろうとしたら、適当ではいられないのです。

今日ではないのですが、先日、「なぜ、『オペラ研究家』という肩書にしたんですか?」
と尋ねられました。たまにそういうお訊ねがあります。

質問者をよく存じ上げない場合は、一言で返答します。

「楽譜が読めるからです」

すると、それ以上の問いかけがないので、私としても口を開かずに済むのでした。

音楽は、ただ一つの楽譜を、いろんな人が解釈して生まれてくるものです。
もちろん、即興的に出てくる演奏は、楽譜を通してはいませんが、私が語りたいのは「後世に遺る調べ」なので、記譜されたものを考えたいのです。

グノーが、バッハの曲を弾きながら、いろいろ遊び心でヴァリエーションを加えていた時、舅のジンメルマンが「それを今すぐ、譜面に書いて遺しておきなさい!」と忠告したからこそ、あの〈アヴェ・マリア〉も世に出たわけでした。

自分でつけた肩書は、その人間の理念を顕すもの。

だから、二つも三つも肩書を持っている人は、私にとっては、理解が難しい「才子タイプ」なのでした。


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2月24日(日)成田発、3月3日(日)成田着の6泊8日の海外鑑賞ツアーのお知らせです。
http://www.nippo-tourist.co.jp/kaigai-tour/helsinki_190224.html
締め切りが、今月25日までになっています。

まず最初に訪れるのはヘルシンキ。美食とデザインの国、ムーミンの故郷であるフィンランドは首都ヘルシンキのオペラ上演の質が高いことでも知られています。日本でもヘルシンキ発のプロダクションが紹介されました。

今回は、マスネの歌劇《タイス》をオプショナル・ツアーでご覧いただけます。北欧のもてなしの心豊かなフィンランドの人々と、宇宙語のようなフィンランドの不思議な言葉は、一度は直に触れてみたいものです。

珈琲消費量世界一ともいわれるフィンランド。名物のシナモンロールと共に。


続いては、ロシアの古都サンクトペテルブルク。こちらではアダンのバレエ《ジゼル》を鑑賞いただくほか、オプショナル・ツアーでオペラやバレエが多数ご用意できます。何しろ、コンサートホールでの演奏会形式上演を含め、毎日2つや3つの演目が楽しめるのがこの街の良いところ。ショスタコーヴィチの歌劇《ムツェンスク郡のマクベス夫人》から、ベッリーニの歌劇《海賊》まで、選択肢は幅広いのです。なお、マリインスキー劇場は直前までキャスティングが明らかにならないので、どきどきしながらチケットを取るのが普通なんですね。

ロシアといえばボルシチ。温まります。

あと、今回のツアーでは有名なエルミタージュ美術館も半日じっくりとご覧いただけます。ロシアの歴史の厚みを感じる瞬間です。「ネズミを捕るためにたくさんの猫を飼っている」とのことです。

外交語がフランス語であった時代、ロシア貴族たちはフランス語を習得し、イタリア・オペラやフランス・オペラも原語で楽しんでいました。そういう歴史の延長線上にあるのが、サンクトペテルブルクの名門歌劇場、マリインスキー劇場です。

全航路とも、定時&安全運航で定評のあるフィンランド航空を使います。

http://www.nippo-tourist.co.jp/kaigai-tour/helsinki_190224.html

旅行主催会社の日放ツーリストは、NHKの関連の催事が多く、信頼度の高い旅行会社です。ぜひ一度お問合せください。

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