プロフィールには、肩書と職責、活動範囲を載せねばなりません。

「オペラ研究家でなんとかかんとか委員、どこそこ大学の非常勤講師など勤め、音楽雑誌に執筆しテレビ・ラジオのこれこれこういう番組に出演等々・・・」

長すぎてはいけないし、短すぎたら関係各方面に漏れが出てきてしまう。160字ぐらいが一番すっきりとまとまって見えるのですが。

ところが、先ほど、非常に斬新なご依頼を受けました。

「差し支えなければ好きな音楽やアーティスト、音楽以外の趣味なども入れていただくこともあります。もしよろしければ、ぜひお人柄が見えるようなプロフィールをいただければうれしく思います」

パソコンの画面を読みながら、反射的に「うわっ!」と叫んでしまいました。このようなプロフィール書きは、自分が普段、絶対にやらないことなのです。

でも、この要望を出してこられた編集さんの立場や考えもよく分かるので、さて、どんな風にしたものか、と考えて・・・締め切りまでまだ時間があるのですが。

「足が短いので、長いものを好みます。俳句よりは短歌、ツイッターよりはブログ。ネットとは書かずインターネットと書きます」

「顔が薄っぺらいので、味の濃いものが好みです。麻婆豆腐など」

「最近までかなり太っていたので、豚に親近感を覚えていました。そのため、牛肉はほとんど食べず、ポーク・カレーやとんかつ、豚しゃぶを愛しています」

「人を待つよりも待たせるのが嫌いなので、原稿はとっても早く仕上げます。でも、早く仕上げて読み直して、やっぱり書き直してと延々やっています。ですので、一日中がちゃがちゃと仕事をしています」

「アルコールが体質に合わないので、酒の席での失言は一切ありません。どこかの重職の人が、『パソコンのセキュリティが心配だから私はパソコンを使わない』と仰っていたことと、考え方が似ているのでしょう」

「演奏会場の客席では、馬鹿と思われたくないので、口を開きません。黙っていれば、それ以上馬鹿には見えませんから」

「最近、一番面白かったのは、夜9時過ぎに、四谷図書館から歩いて新宿駅まで向かうさなか、友達が職務質問されているのを偶然見かけたことでした」

「唯一の才能として、『人の声音で人柄判断ができます』。ですので、私が口を開く相手は、全員、『安全声音』の持ち主です」

「音楽以外の趣味はボーリングです。自分と闘うのが好きなので」

「騒々しくお行儀の悪い子供が大嫌いですが、理不尽な境遇にある子供を見つけるのも得意なので、たまに、知らない子が虐められている現場に割り込んで、お前ら止めろと怒鳴り散らすことがあります。そういう時は、高いスーツに高いコートに適当な黒カバン黒革靴のいでたちだと、割り込みやすく、協力者も得やすいのです。電車内で大声で怒鳴ることも得意中の得意です」

「知ったかぶりをしてくる相手には、微笑みながら返事をせず、『早く成仏してくれ』と心で祈ります。私の祈りはかなり効くようです」

と、素直に書きだしたら止まらなくなったので(!)、今日はここで終わり。



写真は、十数年前、62.5kgの時のもの。ちなみに、今日現在、61.5kgで大学一年生の時の体重まで戻りました。自分の人生で過去数回しかない、奇跡の出来事です。


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オペラとバレエの海外鑑賞ツアーのお知らせです。2月下旬から3月にかけて、美食の街でありムーミンが世に出たヘルシンキでマスネの《タイス》(オプショナルツアー)、世界のどこにもない、各国の建築様式が入り混じる「幻想の人工都市」サンクトペテルブルクでアダンのバレエ《ジゼル》を観劇します。



宇宙語のような不思議な言葉を話すフィンランド語話者の人々、突然作られた水と運河の人工都市サンクトペテルブルクの不思議な空気、そしてその土地ならではの美味しい食べ物など、オペラやバレエにまだ馴染みがない方でも十分に愉しんで頂けるでしょう。日程に余裕を持たせたので、エルミタージュ美術館など一日がかりでじっくりご覧いただけます。



オペラに関することなら道中何でもご質問にお答えしますから、遠慮なく仰ってみて下さい。バレエも知っている限り答えます。そのほかの話題は、皆さんが得意とされているものを、私が逆にいろいろとお訊きしてみたいものです。それがこういう旅の良さですね。

ご興味おありの方は、日放ツーリストのホームページをご覧ください。ロシアのヴィザ取得の関係で、締め切り日を早めに設定していますが、担当さん曰く、12月20日辺りまでお待ちできそうとのことでした。http://tabiza.com/detail/904/