日本航空関連のJALカードが出している会員誌『AGORA』を毎号楽しみに読んでいますが、11月号の特集はとりわけ興味深いものでした。



この表紙はトルコのカッパドキア。小林廉宜氏の撮影とのことです。

さて、その目次ですが、特に私の目を惹いたのが下記の項目です。

エストニアの首都タリンの駅前市場のレポート
ニューヨークの地下鉄特集
瀬戸内の豊島へのアートな旅
コウノトリ但馬空港の「丸ごと空港体験」
ロトで文化財修復 ~ フランス
靴磨き ニューウエーブ 

どのページもじっくり目を通し、いろいろ記憶に残しました。

そして、とりわけ読み応えがあったのが
「浜口尚大 時計製造開発責任者」という方がスイスで頑張っておられる姿を記したページです。

高校を卒業してすぐスイスに渡り、フランス語の語学学校に行き、時計師範養成学校に入って飛び級で卒業。その後、技術学校で修復と複雑機構を学んだとのこと。この技術学校は年間6名しか入学できないのだそう。

一つのことに打ち込む人の姿は、いつ見ても、毅然としていて美しいと思います。また、根を詰める仕事であるからこそ、プライヴェートのスナップショットの解放感が、見る人の心を打つのでしょう。

ところで、オペラ史で「スイスの時計職人」と言えば、フランスの作曲家モーリス・ラヴェル。音作りがあまりに精巧なので、そういうあだ名がつきました。

でも、ラヴェルはユーモアを好み、歌い手の息遣いにも慎重に気を配る人。本物の時計作りには要らない「間合い」が、彼のオペラを演奏する際にはしきりと要求されます。

例えば《スペインの時》のフィナーレのハバネラの重唱、そして《子供と魔法》の冒頭の5拍子交じりのリズムなど。きっちり振ると、聴いている側が、息が詰まりそうになるのです。そこがある意味、難しいところでもあるのです。


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オペラとバレエの海外鑑賞ツアーのお知らせです。2月下旬から3月にかけて、ヘルシンキでマスネの《タイス》(オプショナルツアー)、サンクトペテルブルクでアダンのバレエ《ジゼル》を観劇します。ご興味ある方は、日放ツーリストのホームページをご覧ください。

http://www.nippo-tourist.co.jp/kaigai-tour/helsinki_190224.html