今回は前回の続きで、カゼルタ宮殿の内部を紹介します。
次の写真は、宮殿内に造られたパラティーナ礼拝堂です。
次の写真は、宮殿の中央に位置する大広間です。
壁には大理石のレリーフがあり、ローマ・カルタゴの戦いが描かれているそうです。
次の部屋は、アレキサンダー大王の部屋と呼ばれています。
壁のレリーフは、大王の生活の物語を描いているそうです。
天井に描かれているのは、大王の結婚式です。
また、カメオは大王の横顔です。
この部屋は、そもそも王座の部屋として1800年代に造られたものです。
しかも、この宮殿を造ったナポリ王によるものではありません。
実は、1806年から1815年までナポリはナポレオンの支配下となりました。
そのときに、王座の部屋として造らせたものです。
次の写真の中央の時計は、フランスから持ってきたもので、その両側が王座と妃の座です。
この時にナポリ王となったのは、ナポレオンの妹の夫ジョアシャン・ミュラでした。
ついでながら、彼はナポリをとても気に入っていたそうです。
自分の王国を守ろうとしてナポレオンの意に反することもあったようです。
しかしナポレオンの没落と共に彼の王位ははく奪されました。
それでもナポリには強い未練があったのか、ナポレオンがエルバ島を脱出したあと、
彼はナポリ奪回を目指して挙兵します。
しかし結局逮捕され、処刑されてしまいました。
次の部屋は、来客の待機用の部屋です。
シャンデリアはクリスタルです。
また、中央の白い容器は、ローマのピオ9世が来た時に持ってきた贈り物だそうです。
次の部屋が、スペイン・ブルボン家の王座の部屋です。
レリーフは金メッキの漆喰です。
部屋の奥行きは35mもあります。
上の写真の奥に見えているのが王の玉座です。
移動して、別の部屋に入ると王専用のビリヤード台がありました。
台の側面の寄木細工が見事です。
これはソレントの特別な作り方だそうです。
また、いろいろな機械の模型がありました。
次の写真は、ナポリで使われた船の修復用の機械の模型です。
次の写真は観覧車の模型です。
この宮殿は4階建てだったので、王専用のエレベーターがありました。
次の写真がそのエレベーターです。
ただし、このエレベーターは滑車を使った人力だそうです。
次の写真は、ゆりかごです。
これは、王の息子が生まれた時にナポリ人からのプレゼントだそうで、
サンゴとカメオの飾りがついています。
次の部屋は、王の寝室です。
寝室の奥には風呂場があります。
しかも、水とお湯のための蛇口がついています。
2つの蛇口のある風呂場はここが最初だそうです。
次に見ていく部屋は、1700年代に造られたものです。
次の写真の部屋は、応接間で「春の部屋」と呼ばれています。
壁には、ナポリの風景の絵が掛っていて、煙を出すベスビオ火山が描かれています。
次は夏の部屋ですが、天井だけ撮って、部屋を撮るのを忘れました。
天井には白と黄色の服を着た豊穣の女神が描かれています。
次は秋の部屋です。
ベネチアングラスのシャンデリアが飾られています。
最後の冬の部屋は、撮り忘れました。(苦笑)
次の部屋は、妃のプライベートの部屋ですが、ここも撮り忘れていました。
ただ、部屋に掛かっている珍しい鳥かごだけは撮りました。
底が時計になっています。
妃は読書が好きで、専用の図書館がありました。
1万冊以上の本があるそうです。
さて、最後の部屋に置いてあったのは「プレセペ(あるいはプレセピオ)」というものでした。
巨大なジオラマのようなものです。
これは、クリスマスの時の飾り物で、キリストが生まれたときの場面を再現したものです。
ナポリで生まれたそうで、王は毎年これを作らせたそうです。
ナポリの芸術家たちは、キリスト降誕の場面だけでなく、
周囲の町の人々の日常の様子を加え、
このように大掛かりなものを作るようになっていきました。
人形の材料はテラコッタだそうです。
最後に、バロック様式で造られたという庭園に出ました。
この庭園は120ヘクタールというとんでもない広さです。
庭園の先に見えているのは高さ約80mの人工の滝です。
ズームで撮ってようやく滝とわかります。
その規模は、次のグーグル・アースの写真で分かるかと思います。
何と、宮殿から滝までは3㎞もあり、歩くのは大変。
そのためシャトルバスが出ているそうです。
庭園の様子は、次のYouTubeをご覧下さい。
この後、宮殿近くのレストランでランチです。
場所は、本当に宮殿から歩いてすぐでした。
いろいろな料理も並んでいます。
ケーキも並んでいます。
デザートにはどれが出てくるのでしょうか。
最初に出てきたのは、ペスカトーレ(漁師風シーフードパスタ)でした。
そして次に、イカとエビのフリッターにサラダ。
最後のデザートはナポリ風レモンケーキでした。
これはちょっと甘すぎました。
さて、いつも旅行では食べ過ぎに気を付けているのですが、
このランチではついうっかり完食してしまいました。
実はこのあと、アルベロベッロまで300㎞以上のバスの長旅が待っていたのです。
案の定、バスには酔いそうになり、旅の最後まで胃の不調に悩まされました。(苦笑)
さて、日本映画『アマルフィ 女神の報酬』(2009)では、
サラ・ブライトマンがカゼルタ宮殿で歌うシーンが出てきます。
最後に、その様子を動画をご覧下さい。