『刃心』という液体を、致死量の5倍の量も飲んでしまった俺は再び眠りの中にいた。目が覚めたときには、日が暮れていた。小さな蝋燭が一つともされていて、藤林たち5人が座っていたところには、先ほどいた女が座っていた。体を起こした俺はその女と目が会った。女は独り言のように「もう・・・目が覚めただと。流石・・・と言うべきか・・・・。」そして女は部屋から出て行った。数分後、女は藤林とともに戻ってきた。「ほぅ。流石じゃ。」そうつぶやいた後、俺に話しかける「お前は、あの薬の致死量の5倍もの量を飲み干しよった。適量を飲んでも3日は寝込まねばならないところを半日で目が覚めるとわ。流石じゃな。」その時、にやけ顔の男が入ってきた。「はっは、すげぇ、お前もう起きたのかよ?逸材ってやつやなぁ?なぁ、おじじ?」と藤林に話しかける。隣にいた女が怒りながらこう返す。「泥壁!!長老に向かって発言が過ぎるぞ!!お前は態度が軽率すぎるぞ!!」泥壁という名の男はこう返す「陽炎っ、お前は堅すぎるんだよ!!いや、喧嘩売ってる訳じゃないんだぜ?そっちの餓鬼にゃあ別だがな。」といって俺に馬乗りになり。片手で俺を上へ投げた。細身の体からは想像できない力だった。


 泥壁といわれる男に投げられた俺は、為す術もなく天井に体を撃ち付けられ、床へ落ちていた。「な・・・。」俺は恐怖で腰を抜かしていた。泥壁は怯えた俺の顔に泥のようなものを顔に投げつけた。「もがっ!!」俺はパニックに陥り、逃げようと後ろにとんだ。軽く飛んだにもかかわらず、3メートルほども距離のある壁にぶつかってしまった。泥壁は俺の顔に付いていた泥のようなものを自分の顔に付け、自分の髪の毛をくしゃくしゃと掻き始めた。そして、顔に付いた泥のようなものをはがすとそこには、俺と同じ顔、同じ髪型の男が立っていた。泥壁だ。「化け物め・・・。」と俺はつぶやき、覚悟を決めた。その瞬間。俺の右手に、球形をした、大きな水の塊が現れた。そして『それ』はふわふわと浮かんでいた。「へ?」と俺が驚いている間も無く、泥壁が襲い掛かる。「うおおっ!」俺は無我夢中で手を前に差し出すと、『それは』前方へ飛び、泥壁の顔面に命中した。泥壁は後ろに倒れたが、間も無く泥壁は立ち上がった。「はっはっは、合格!!」と笑顔で返してきた。そして彼は自分の顔に手をかざすと、元の顔に戻った。「その感覚だ!その水球はお前の能力だ!!すげぇな!詳しいことはおじじに聞いてくれ!」そういって彼は部屋を出て行った。

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 俺、和田樹は普通に生活する16歳の少年であった。ある日より俺は戦乱の世界へと飲み込まれる。誰に馬鹿にされようとも、俺はこのことを夢などと思わないし、俺自身あらゆる体験をし、仲間を手に入れ、失った。さぁ、前書きはこの程度にしよう。コレが俺の物語。悲しくて切ない、でもとても大切な物語。


 ある日、俺はあてもなく繁華街をふらつき、9時になっていた。帰りが遅くなったので、裏路地に入る。路地の真ん中で、背中に違和感を感じる。「ひずみ」というべきだろうか。自分の後ろの「空間」に黒い穴が開いているのである。怖くなった俺は、走り出したが、一向に進まない。服を物凄い力で引っ張られていた。「ひずみ」から出る綺麗な腕に。そう時間はかからなかった。


俺は気を失っていた。どれくらい寝たのであろうか、長く寝ていた気がする。目を開けると木造と思われる家の天井が見える。そして上半身を起こしあげる。出口であろう襖戸の付近に5人、着物を着た人がいた。中心は一人は、長い白髪を下にたらしたオールバックの老人。その右には黒髪の美しい20代と思われる艶やかな女性。さらに右には2メートルほどの坊主頭の巨漢。老人の左には童顔短髪の青年。一番左に座っているのは、にやけた顔で汚い髪に所々禿げがある。


 老人が口を開く。「お目覚めですか、名前をお聞かせ願おうか?」俺は何がなんだかわからず、こう叫ぶ「はぁ?ここは?あのひずみは?一体なんだよ?お前等こそなんだよ?あぁ?」老人は静かにこう返す。「失礼仕った。ここは伊賀。某は伊賀忍者衆頭領藤林 豪蘭。故あって貴方にこの時代にやってきてもらった。」俺は返す「はぁ?タイムスリップ?いみわからねぇ。ははは・・・」動揺する俺に対して藤林という老人は静かに、威圧的に言放つ。「名前をお聞かせ願おうか?」俺は気圧されて名前を述べる。落ち着きを取り戻す。老人が言うに100年に一度使うことが出来る伊賀の秘術で俺をこの時代につれてきて、これから起こる戦乱の時代を導いて欲しいという話しである。俺自身、この夢のような話を飲み込めずにいた。


 「さぁ、和田殿、貴方にも『忍者の力』を手に入れてもらおう。我等の特異なる力は、『刃心』というこの聖水を飲むことにより、力を手に入れる事ができるのだ。」俺は、説明が終わる前に俺は便の中の『刃心』を一気飲みした。「ま、待て!!」藤林が制止した時にはもう遅かった。刃心は猛毒。しかも俺が飲んだのは致死量の5倍の量だったのだ。。。。