パーティー資金の還流裏金事件で離党勧告がされ、世耕氏はそれを受け入れ離党届をだすことになった。

 

国民の納得感はないが、自民党内゛では処分の不均衡に不満が噴出している中で、世耕氏からの不満の声は聞こえてこないが、彼に策はあるのだろうか。

 

最近の世耕氏には判断ミスが目立っていた。衆議院への転身を図り将来は首相を目指すという世耕氏の戦略では第一に衆議院議員の地位につくことが必要であった。

 

前回の選挙で和歌山1区から出馬すれば間違いなく当選できたが、彼は2区にこだわり出馬しなかった。二階氏の引退後に2区から出馬するというのが彼の方針であり、子息への禅譲を図る二階氏との対立は避けられな

くなっていた。1区で衆議院議員になっていれば二階との対立は回避され、二人が組めば今回のような結果は避けられていただろう。

 

今回のパーティ券収入の還流裏金問題で彼の取るべき手段は問題がこんなに大きくなる以前に岸田おろしに着手すべきであった。岸田政権では安倍派がターゲットにされ切り捨てられるのは目に見えていた。また、二階氏の出馬辞退戦略により世耕氏がスケープゴートとされるのは決定的になった。

 

それでは今後世耕氏はどう動くべきだろうか。彼の選択肢は3つである。一つは政界を引退する。しかしどうもその気はなさそうである。

 

二つは無所属で参議院に出馬する。多分当選するだろうが、自民党は候補(二階氏の子息の可能性も高い)を立てるだろうから、勝っても自民党への復党は難しくなり首相を狙う道は完全にたたれるだろう。

 

三つは和歌山2区から衆議院に出馬する。二階氏の子息と争い勝てるかどうかは微妙で負ければ世耕氏の政治生命は終わるが、これが最善の策だろう。

 

勝てば世耕氏の実力を示すことになる。さらに自民党としても和歌山の1区と2区両方で議席を失うわけにはいかにいので、復党の可能性もでてくる。

 

パーティ収入の還付裏金問題は今では自民党内の権力争いとなっている。安倍派を中心とする積極財政派が衰退し、財務省の息のかかった財政再建派が自民党内の権力を担うことはせっかく回復し始めた日本経済にとっては再び後退させる原因となり、日本国民をさらなる貧困へ向かわせる契機となるだろう。