福岡県議会議員 「走る、弁護士!」 堀 大助 -2ページ目

県政報告書Vol.34のデータをアップします。

本号は、3期目の活動を凝縮してまとめたものです。
紙面の都合上、4年間の活動のほんの一部しかご紹介できませんが、
活動の全体像を把握して頂ければ幸いです。

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県政報告書Vol.33のデータをアップします。

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・12月定例会(12/1-20)
■令和4年度補正予算【5次補正】(154億)【6次補正】(696.5億)
■福岡県森林環境税条例改正
■議員提案条例案(県議会個人情報保護条例)
など、32議案を可決・同意。
 また、「鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書」など4意見書を可決。 




・一般質問要旨


●飲食店支援と食品ロス削減
Q
①飲食店支援のための事前予約促進
 先日、ある飲食店経営者と話をし、様々な困難を聞いた。お客さんが来ない辛さはもちろん、食材を用意するものの、来なければ最終的には廃棄せざるを得ない。逆に、用意した以上にお客さんが来ても対応出来ないし、そうなれば次回からは選ばれない。予測も困難で対応も難しいとのこと。日常であればおよその来店予測を立てて食材を用意できるが、コロナ禍においては読めない。せめて飛込みでなく予約をしてもらえれば、万全でなくても対応のしようもある。また、結果として廃棄処分になれば食品ロスが発生し、昨今のSDGsの取組みに逆行する。飲食店の意欲を削ぐことにも。
 飲食店への支援については、GOTOEATキャンペーンがあるが、これは飛込み、事前予約の区別なく利用できる。飲食店にとって大きな支援だが、予測が難しいという課題はクリアできない。支援についてよりきめ細かく考え、事前予約、例えばコースや一定の注文をすることについて割引など優遇措置を与えることで、より実効的な支援になり、食品ロス削減にも繋がると考える。そこで、飲食店支援の事業実施にあたり、経営安定のためにも、事前予約を促進するような取組が重要と考える。
②無断キャンセル問題
 昨今、飲食店予約の無断キャンセルが社会問題に。経済産業省によれば、無断キャンセルによる被害額は年間約2,000億円、1日~2日前のキャンセルまで含めると1.6兆円に上るとも。法律上は損害賠償請求が出来るケースもあるが、飲食店側は立場も弱く、泣き寝入りせざるを得ないことも多い。昨今のコロナ禍で更に立場の弱くなった飲食店からすれば、損失を客に請求するハードルは相当高い。民事上の責任に加え、刑事上の責任も問われかねない深刻な問題であるにも関わらず、どうも軽く考えられがちな気が。

 根本的な対策は当然、無断キャンセルを減らすこと。例えば、キャンセル料に関する規定を明確化し、客側にしっかり認識させることで、ロスが発生する前の段階でキャンセルするように促すことも一つ。他方、一部前払制を導入するとか、航空券と同じように、早い段階での予約に価格面でメリットを与えるなども一計。
 その他、自主的に損害補償保険や弁護士保険に入る方もいるかもしれないが、食品ロスを減らす取組として何か出来ないか。食品ロスの約半分は家庭ではなく事業系のものだし、その約3分の1を外食産業が占めている。食品ロス削減には、外食産業での削減が欠かせない。
 そこで伺う。無断キャンセルにより食品ロスが発生するという問題について、どのように認識しているのか。また、無断キャンセルを防ぐには、広く県民に働き掛けを行うべきと思うがどうか。


A
①事前予約の促進。今回の12月議会において、プレミアム付き食事券の発行事業(GO TO EAT)の補正予算をお願いしており、厳しい経営環境にある飲食店の売上回復を強力に支援。事前予約は、来客数を事前に把握でき、食材仕入れの予測が可能になることに加え、従業員のシフト配置を適切に行うことができ、飲食店の効率的な運営につながる。このため、事業の実施にあたって、公式ホームページやポスター、SNSなどによる広報を行う際には、飲食店を応援するためにも、事前予約をできるだけ行うよう呼び掛ける。
②無断キャンセルによる食品ロスの発生。飲食店での宴会等の予約が無断キャンセルされた場合、経営上の損失が発生するだけでなく、準備した料理や食材については廃棄される場合も多く、食品ロス削減の観点からも問題。無断キャンセルをなくすには、消費者である県民の皆さんに、キャンセルする場合はできるだけ早期に飲食店に連絡することを、改めて認識頂くことが重要。食品ロス削減の啓発にあわせ、県民の皆さんに呼びかけるとともに、飲食店のホームページや予約サイトにも掲載するよう業界団体に働きかけてまいる。



●代表質問ピックアップ 


■過疎地域の公共交通
 県では、複数市町村を運行する広域的・幹線的なバス路線の維持を支援。今年度は50路線の運行経費を助成。さらに、バス路線廃止地域の代替移動手段となるコミュニティバスを導入した市町村に対し、運行経費や車両購入費を助成。また、AI等を活用したオンデマンド交通は、予約・配車・ルート設定の自動化による運行の効率化と車両の小型化による運転手不足の解消につながるため、過疎地域における移動手段としても期待。こうした新たなモビリティサービスを導入する市町村を支援するため、優良事例を紹介する研修会、システム提供事業者とのマッチング機会の創出、導入費の助成等を行っており、現在、県内9市町で導入。加えて、9月補正予算により、原油価格高騰の影響を受ける乗合バス、タクシー、地域鉄道事業者に対し、事業継続のための助成を行っている。今後もこれらの取組を推進し、地域公共交通の維持・確保を図ってまいる。

■訪問看護師の確保
 訪問看護師の確保、質の高い訪問看護の提供を図るため、福岡県看護協会に委託し「訪問看護師養成講習会」を実施。具体的には、①入門研修として、看護職員を対象に、訪問看護が果たす役割や魅力を伝え、就労意欲の向上を図っている。②新任期研修として、従事して3年未満もしくは従事予定の看護職員を対象に、基本的知識・技術を習得させ、看護ケアの質向上を図り、就労定着につなげている。③管理期研修として、訪問看護ステーションの管理者や候補者を対象に、必要な経営管理、人材育成能力を高め、安定的な事業所運営と訪問看護師の確保・定着につなげている。このような取組により、訪問看護ステーションで働く看護職員数は平成28年の1,421人から令和2年の3,079人と約2倍に増加しており、引き続き訪問看護師の確保に努めてまいる。

■同時流行への対策
 新型コロナとインフルエンザの同時流行に備え、発熱外来を増やすとともに、新たに休日・夜間に開設する発熱外来や、その処方箋を受け付ける調剤薬局に対し、協力金を給付。 また、重症化リスクの高い方の受診機会を確保するため、重症化リスクの低い方を対象とする「新型コロナ自宅療養者オンライン診療センター」や「インフルエンザオンライン診療センター」を機動的に開設。さらに、発熱外来の混雑状況等をスマートフォン等で確認できるシステムを新たに構築。

■保育士確保の取組
 これまで、①新規保育士確保策として、保育士修学資金貸付事業や保育士資格取得支援事業の実施、②潜在保育士の復帰促進策として、福岡県保育人材総合支援サイト「ほいく福岡」での保育士資格保有者届出制度による登録依頼や各保育所の求人情報の発信、③現役保育士の離職防止策として、保育所におけるICTの導入支援など、保育現場の負担軽減に取り組んできた。今年度新たに、①合同就職説明会でのPRや養成校を訪問し積極的な参加の呼びかけ、SNS活用の支援、②「ほいく福岡」に各保育所の特色などの情報を掲載し発信を行ってきた。さらに今後、養成校との定期的な会議の開催など、連携強化を図っていくほか、保育士・保育所支援センターにおいて、正規職員のマッチングだけではなく、施設から要望のある産休代替職員などの短期雇用のマッチングも進めてまいる。





 

県政報告書Vol.32のデータをアップします。

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・9月定例会(9/9-10/14)
■令和4年度補正予算【3次補正】(800.8億)【4次補正】(72.5億)
■令和3年度決算議案20件
■議員提案条例案(ワンヘルス実践促進条例)
など、48議案を可決・同意。
 また、「プラスチックに係る資源循環等の総合的な推進を求める意見書」など4意見書を可決。 



・一般質問要旨


●公衆浴場法・同施行条例
Q
 ここ数年来、全国的にサウナが人気。若者の間では、サウナ愛好家のことを「サウナ―」と呼び、昔のおじさんイメージから、クールで格好いいレジャーとして認識。サウナで地域活性化を図る取組もあり、例えば本県でも、大刀洗町の古民家をサウナに改装し、地域おこしに取組んでいる例も。関西では、路線バスの車両を改造したサウナバス「サバス」が誕生。東京でも、ホテルニューオータニが夏のシーズンが終わった後、プールをサウナの水風呂として活用。
 このサウナ、法律上は公衆浴場法、これを受けての公衆浴場法施行条例における「その他の公衆浴場」に位置付けられる。この法及び施行条例には、衛生上・風紀上の観点から、様々なルールが定められており、サウナにもこれらのルールが適用される。例えば、浴室が男女別であること、浴室が屋外から見通せない構造とすることなど。サウナにおいては温室・水風呂共に「浴室」にあてはまり、たとえ水着を着ていても混浴禁止。また、水風呂も「浴室」である以上、プールを水風呂に利用する場合、これも混浴規制に抵触してしまう。ホテルニューオータニの例では、この規制のために男女別で開催日を分けざるを得なかった。プールであれば水着着用で男女一緒に楽しめるのに、名目がサウナの水風呂とされるだけで許可されないというのは奇妙。
 公衆浴場法の施行は昭和23年(1948年)、74年も前であり、現在のような事態は当然想定していなかったと思うが、時代に合わない規制は柔軟に対応していって良いのでは。
 この点山梨県は「やまなし自然サウナととのいプロジェクト」としてアウトドアサウナを振興しており、法的側面からの環境整備として、「知事が公衆衛生上特に支障がないと認めたとき」には、水着着用で男女一緒にサウナを楽しめるよう、条例改正を行った。サウナの持つ力に着目した素晴らしい取り組み。 
 サウナの持つ魅力は単に健康増進を超え、地域活性化にもつながる。本県としても地域活性化のコンテンツの一つとして活用すべきだが、公衆浴場法施行条例による規制が一つの課題。
 ①まず法的規制の現状。サウナに関しては、浴室の男女別(混浴規制)。そして、屋外から見えない構造、という部分が特に問題に。今回は混浴規制について、内容を伺う。
 ②その上で、サウナの持つ魅力をフル活用するには、現行の公衆浴場法施行条例の改正も視野に検討すべきと考えるが、知事の所見は。

A
①サウナにおける混浴規制
 サウナは公衆浴場のひとつの形態であり、いわゆる銭湯と同様に公衆浴場法に基づく営業許可が必要。混浴規制については、営業者が講じなければならない措置の基準として、都道府県及び保健所設置市又は特別区が条例で定めることとなっている。本県では、混浴に係る措置の基準を、7歳以上の男女を混浴させないこと、さらに、出入口は男女別に区画し、脱衣室及び浴室は男女別に設けることと定めている。
②サウナにおける混浴規制のあり方
 近年、テント型のサウナや路線バスを改造したサウナバスなど、新たなサウナの利用形態が見受けられているところ。山梨県では、アウトドアサウナを推進しており、今年3月に条例を改正し、入浴用の着衣をして利用するサウナの男女共用を可能としている。このような新たな利用形態のサウナにおいて、着衣をして利用する場合にも浴室等を男女別に設ける規定を適用すべきか、現行条例の問題点を含め、他自治体の状況も踏まえながら検討してまいる。

 



●代表質問ピックアップ 

■物価高騰の本県における現状
 日本銀行が発表した8月の国内企業物価指数によると、電力・都市ガス・水道が前年同月比33.4%増となるなど幅広い分野で上昇し、全体でも9.0%増と18か月連続の増加。一方で「企業短期経済観測調査」等によると、原材料価格の販売価格への転嫁が依然として十分進んでおらず、農林水産業や製造業をはじめ様々な分野の事業者において、経営への影響が及んでいるものと認識。
 県民生活においては、7月の消費者物価指数を見ると、全国で前年同月比2.4%増、九州で2.2%増。食料では全国で4.4%増、九州で4.5%増、光熱水費は全国で14.7%増、九州で9.7%増。県民の皆様の負担感が増してきているものと認識。

■農業分野での物価高騰対策
 化学肥料や家畜の餌となる飼料については、原料のほとんどを輸入に依存していることから、価格の高騰により農業経営は厳しい状況が続いている。このため県では、必要な予算を今議会に提案。県としては、こうした取組を進め、農業経営が安定するよう支援してまいる。

■中小企業の物価高騰対策
 中小企業は雇用の8割を担う本県経済の原動力。コロナ禍や原油価格・物価高騰の影響が深刻化する中で、本県の中小企業支援策については「事業継続の支援」と「危機に強い経済構造の実現(明日につながる支援)」2つを柱に据えて取り組んでいる。
 今回の9月議会では「事業継続の支援」として、①県制度融資に保証料を全額県が負担する「物価高騰特別枠」、②トラック運送事業者が燃費向上のために行うエコタイヤ購入に対する助成制度、③修学旅行のバス代助成の倍増、「明日につながる支援」として、①デジタル技術を活用した生産性向上に必要な設備導入支援の拡充、②新技術・新製品の開発助成や、工業技術センターにおける低コスト化製品開発促進のための機器整備などの補正予算を提案。
今後とも、厳しい経営状況にある県内中小企業の事業継続と更なる成長発展に向けて、しっかりと取り組んでまいる。

■全数届出の見直し(新型コロナ)
 見直し後は発生届の対象の方が限定され、事務作業が大幅に軽減するため、医療機関は患者の診療に専念し、保健所は重症化リスクが高い方々の受診や入院調整、健康観察や相談等をより丁寧に行うことができる。一方で対象外の方は、これまで通り支援が受けられるのか、どこに相談すればよいのか、不安に感じることが懸念される。
 このため、届出対象外の方にも安心して療養生活を過ごしていただけるよう「健康フォローアップセンター」として案内してまいる。具体的には、医療機関で検査を受ける方には受診時に、県が配付した検査キット等で陽性者登録をされる方には登録時に、フォローアップセンターの各連絡先を案内し、その後の支援に確実につなげてまいる。

■マイナンバーカードの普及促進
 市町村説明会や意見交換会を開催し、商業施設における出張申請受付の実施等の依頼や交付率が高い市町村の取組事例の共有等を図ってまいった。特にカードの交付率が伸びていない市町村については、トップダウンで強力に普及を進めてもらうため、6月以降、市町村振興局長が市町村長等を直接訪問し、積極的な取組を促してきた。また、県内の高齢者施設や障がい者施設、商工団体等に対し、市町村の出張申請受付の実施状況をとりまとめて周知し、その活用を呼びかけるなど、出張申請受付に取り組む市町村を支援。
 さらに現在、大型商業施設と市町村との間を調整するなど、周辺市町村も含めた合同の出張申請受付の実現に向けて協議を進めている。加えて、出張申請受付の実施場所や回数のさらなる拡大について市町村に働きかけ、お住いの場所にかかわらず、希望する方が円滑にカードを取得できるよう取り組んでまいる。

■公共施設のテレワークスペースとしての活用
 現在県内には、民間も含めて、少なくとも24市町村に46のテレワーク施設が設置。このうち県や市町村が設置又は運営に関与しているのは18施設。使われなくなった集会所や図書館、廃校など、公共施設を活用して整備しているものが7施設あり、宿泊できる施設もある。このほか、温泉施設や料亭、空き家を改修して整備したものなどが10施設。
 公共施設など、住民の身近なところにテレワークスペースが整備されることは、多様な働き方を促進するとともに、地域の魅力を高めることにも繋がり、地方への移住・定住を進める上でも有効。このため、先ほど紹介した先進的な事例について、市町村へ情報提供するとともに、国の交付金の活用に係る助言を行うなど、きめ細かに支援してまいる。あわせて、移住・定住ポータルサイトで情報発信するなど、更なる利用の拡大に取り組んでまいる。

■行政サービスへのスマホ活用
 スマートフォンは、昨年8月末時点での県民の保有率が76.6%。インターネットを利用するための主要な端末。県では、スマートフォンを活用した便利なサービスを提供することは、県民の利便性向上に資するものと考えている。そのため、県のホームページをスマートフォンに対応して表示できるようにするとともに、電子申請サービスの利用を可能とした。さらに自動車税のキャッシュレス納付、SNSを活用した新型コロナウイルス感染症関連情報の提供、児童生徒のためのネットトラブル相談窓口の開設など、スマートフォンを活用した様々なサービスを提供。今年度についても、既存の「防災メール・まもるくん」の機能を強化して、利用者の位置情報に応じた気象警報や避難情報等を提供するアプリの開発等を予定している。
 今後も、行政サービスの様々な場面において、スマートフォンの活用を進めてまいる。

■都市近郊の農業者への支援
 都市近郊農業は消費地に近い一方で、経営規模の拡大が難しい状況にある。こうした状況から、限られた農地を最大限活用して収益を上げるため、消費者ニーズに即した作物を少量多品目で生産し、通年での出荷を可能とする経営を確立する必要がある。県では、市場調査を踏まえた最適な品目の組み合わせを提案し、直売所を対象とした年間の出荷計画の作成を支援するとともに、品目ごとに肥培管理などの技術指導を行っている。
 また、更なる収益の向上を図るため、農業者がSNSを活用して効果的な情報発信を行う研修会を開催するとともに、県の公式LINEを活用して「ふくおか地産地消応援の店」へのPRを行うなど、飲食店やバイヤーとの直接取引につながるよう支援を行っている。  その結果、県内外のレストランや菓子店との取引も始まっている。引き続き、こうした取組を進め、都市近郊の農業者の経営確立を図ってまいる。

■排水ポンプ車の配備状況
 排水ポンプ車を、福岡、北九州、筑豊、筑後南部の4地域にそれぞれ2台。甚大な浸水被害が続いている筑後北部地域に4台、合計12台配備。災害時の運用方法については、市町村長からの要請があった場合、もしくは県土整備事務所長が必要と判断した場合に出動。また、大規模な浸水被害が発生し、地域内での対応が困難な場合には、排水ポンプ車を所有している国などの関係機関と調整を図り、広域的かつ効果的に県の所有車両を配備し、被害軽減に努めてまいる。
 今年7月の追加導入以降の稼働状況については、7月19日、久留米市長及びみやま市長からの出動要請を受け、排水ポンプ車2台を出動。今後も効果的に運用し、浸水被害の軽減に努めてまいる。

■公立小中学校におけるICT機器の活用状況
 今年度の全国学力・学習状況調査において、児童生徒に対し「授業でのICT機器の活用頻度」を問う質問項目について、本県では、「ほぼ毎日」を含む「週3回以上」が約半数。活用機会は年々増加しており、積極的な活用が進んでいる。
 学校で整備されている1人1台端末については、更新時期に大きな財政負担が生じるものと認識。県教育委員会としては、1人1台端末は令和の時代の学校教育に欠かせないツールであるとの認識のもと、次代の学校教育に最適なICTツールやその経費負担のあり方について研究。また、国に対して端末等の更新にかかる財政支援の要望を継続的に行うとともに、市町村に対しても適宜、情報提供を行ってまいる。

■小学校における水難事故防止に向けた水泳指導
 水泳指導においては、児童一人一人が自分の命を守るため、水の危険性について理解するとともに、事故に遭遇したときの対処の仕方を身に付けることが必要。具体的には、児童の発達段階に応じ、体力を温存して長く浮いたり泳いだりすることや着衣のまま水に落ちた場合の対応について、体験的に学ばせることが重要。県教育委員会では、若年教員の研修会や体育研究所の研修において、浮き身や着衣水泳等に関する内容を取り入れている。今後もこれらの研修を通して、教員の指導力向上を図り、子供たちの安全を守っていく。

■経済安全保障推進のための取組
 本県には、先端技術を保有する企業や大学・研究機関が多数所在。保有する技術が国外に流出した場合、企業等の国際競争力が低下するだけでなく、我が国の安全保障にも重大な影響を生じかねない。県警察としては、経済安全保障を推進する上で、先端技術の流出防止対策は極めて重要な課題であると認識。そのため、産業スパイ事案や不正輸出事案、サイバー攻撃事案等に関する実態解明と取締りなどを行っている。これに加え、企業等における技術の流出防止対策を支援するため、具体的な手口やその対策などを情報提供する活動、いわゆる「アウトリーチ活動」を推進。
 本県では、パワー半導体や画像センサーなど、世界トップレベルのシェアを誇る企業をはじめ、約400社の半導体関連企業が集積。そのため、特に半導体・デジタル産業分野における対策の必要性は極めて高い。
 様々な先端技術について実効性ある流出防止対策を講じるためには、企業等をはじめとする関係機関との連携が不可欠。そのため県警察においては、本年3月、経済安全保障対策に専従する係を警備部外事課に新設。引き続き、アウトリーチ活動などを通じた関係機関等との緊密な連携の下、企業等が保有する先端技術の流出防止に向けた取組を強力に推進していきたい。

 

 

県政報告書Vol.31のデータをアップします。

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・6月定例会(6/3-21)


■令和4年度補正予算【1次補正】(133億)【2次補正】(0.9億)
■条例議案9件
■人事議案1件(監査委員)
■議員提案条例案(議会関係ハラスメント根絶条例)
など、29議案を可決・同意。
 また、「食料安全保障の強化を求める意見書」など5意見書を可決。 



・一般質問要旨


●サイクルツーリズム促進

Q
①本県の推進するサイクルツーリズムについて。本年2月議会で可決された「福岡県総合計画」及び「福岡県交通ビジョン2022」の部門計画「第2次福岡県自転車活用推進計画」にも、サイクルツーリズムの促進が引続き盛り込まれている。そこで、第1次計画の成果と、第2次計画の特徴、進化した部分、新たに取組む政策などについて伺う。


②北九州・京築ルート。本県でも広域サイクリングルートを設定。そのうちの一つに、私の地元行橋も含まれる北九州・京築ルートが。まず同ルートの特徴・長所や、サイクルツーリズム促進のための課題、そして課題にどう取組んでいくのか伺う。
 併せて、同ルートは大分県との県境付近まであるが、山国川を渡って大分側にも中津城や耶馬渓など、魅力的な場所は沢山。サイクリストは県境を意識せずにサイクリングを楽しみたい。また、大分県とは「九州・山口サイクルツーリズム推進委員会」で連携し、ツールド九州も一緒に進めていくパートナー。県境を越えた広域ルート「九州山口サイクルマップ」もあるので、利用者目線で広域連携に取組んで頂きたい。


③地元行橋のサイクリングスポット、平尾台について。平尾台は、日本三大カルストにも数えられる景勝地で、国の天然記念物にも指定。眺望も素晴らしく気持ちのいい場所。サイクリストにとっても、登りを楽しむヒルクライムの好スポットとして知られている。私も現地調査を兼ねて、ゴールデンウィークに自転車で登ってきた。登りのきつさと登り切った後の爽快感は格別。県として、もっとPRしてサイクルツーリズム促進に活用すべきだが見解を。併せて、来年に迫ったツールド九州2023に関連し、サイクリング周遊型旅行商品を造成する取組「ディスカバー九州」が展開される。この「ディスカバー九州」のルートに組み込むなど、旅行商品として平尾台も活用すべき。


④平尾台でのサイクリング環境整備。行橋市側からの県道直方行橋線には、暴走行為対策として路上に「ハンプ」と呼ばれる凸(とつ)状の舗装や、「ゼブラ状の滑り止め舗装」などが施工(北九州市側からの道路に「ハンプ」はない)。特に「ハンプ」がサイクリストにとっては障害。快適な走行の妨げとなる。ハンドルをとられて転倒の危険も。速度抑制の意味は理解するが、自転車の場合非常に危険。今後、走行空間である道路を管理していく上で、車やバイクだけでなく、自転車の視点も必要。県がサイクルツーリズムを促進するのであれば、サイクリストの目線でも良好な走行環境を確保すべき。

A
①第1次福岡県自転車活用推進計画の成果と第2次計画の取組。第1次計画では、サイクルツーリズムを新たな体験型観光と位置づけ、市町村や民間事業者と連携し、広域サイクリングルートの設定やサイクリストの受入環境整備などに取り組んできた。その結果、遠賀川や玄界灘に面した「直方・宗像・志賀島ルート」や、海辺から英彦山まで駆け上がる「豊前・東峰ルート」など、地域の多様な特色を楽しむことができる10の広域ルートを設定。また、サイクルスタンドを備えた飲食店などを「サイクルステーション」として320箇所認定するなど、受入環境整備を進めるとともに、これらの情報を県のウェブサイトやSNSで発信。
 第2次計画では、こうした成果を踏まえ、国内外からサイクリストを呼び込むための旅行商品の造成に取り組む。また、九州・山口各県や経済界と連携して設定した「九州・沖縄・山口一周ルート」を、我が国を代表するルートとして国が指定する「ナショナルサイクルルート」とすることを目指し、①客室内等に自転車保管場所を備えた「サイクリストに優しい宿」や、②レンタサイクル等を備えた「サイクリング拠点」の整備など、受入環境のさらなる充実に取り組む。


②「北九州・京築ルート」の特徴と課題。「北九州・京築ルート」は、門司港から大分県境の山国川を結ぶ全長約92kmのルート。門司港レトロ地区・北九州空港連絡橋・今川サイクリングロードなど、多様な「景色」と、豊前海一粒かきなど「旬の食」が大きな特徴。その一方で、①サイクリストに優しい宿などの受入環境の整備、②本ルートの更なる魅力向上といった課題が。
 このため、沿線市町村や観光協会と連携し、受入環境の整備を進めるとともに、地域の観光スポットを組み込んだ周辺ルートを開発し、本ルートにつなぐことで、サイクリストが走りたくなるルートづくりに取り組む。また、「北九州・京築ルート」は大分県の耶馬渓など魅力あるルートとつながっていることを発信するとともに、大分県と協議し、県域を跨いだルートの情報を相互に発信する。令和6年度春には、大分県とともに、国内最大の観光キャンペーン「JRデスティネーションキャンペーン」を開催。このキャンペーンを活用し、広域サイクリングルートの魅力発信にしっかり取り組んでまいる。


③平尾台の魅力発信と旅行商品への活用。雄大でなだらかなカルスト台地の草原やヒルクライムを楽しめる峠道など、様々な表情が魅力のサイクリストに人気のエリア。ウェブサイトや広報誌でもPR。加えて、今後はSNSを中心に、サイクリストをターゲットにした戦略的なPRを展開し、平尾台の魅力をしっかりと情報発信してまいる。また平尾台は、国内にとどまらず、海外のサイクリストを惹きつけるのに十分な魅力があり、サイクリング周遊型旅行商品を造成する取組である「ディスカバー九州」においても有望な候補地。県としては、「ディスカバー九州」に組み込むことを目指すとともに、旅行会社向けの素材説明会等を通し、旅行商品に取り入れられるよう魅力を積極的にPRしてまいる。


④サイクリストの目線での良好な走行環境の確保。サイクリストの走行環境において必要なことは、主に、安全で快適な通行空間の確保と、分かりやすい案内表示。県では、日常の定期的な道路巡視において、段差の補修や落下物等の撤去など、速やかな対応を行うとともに、必要に応じて、除草や路肩清掃も実施。また、傷みが激しい舗装については抜本的な補修工事を実施するなど、適切な管理に努めている。特に、広域サイクリングルートについては、日常管理に加え、一昨年度から順次、自転車の通行位置を示す路面表示や案内看板等の整備も実施。今後とも、サイクリストが安全で快適に走行できるよう、良好な走行環境の確保に努めてまいる。



●代表質問ピックアップ 

■マスク着用の考え方の広報等
 マスクの着用は、基本的感染防止対策として引き続き重要。そのうえで、県民の皆様が、必要がない場面で人の目を気にしてマスクを外すことを躊躇しなくていいよう、また、熱中症にかからないためにも、マスク着用の考え方について、SNSや県の広報媒体を活用して広報・啓発してまいる。


■物価高騰による県民生活や経済活動への影響
 日本銀行が発表した4月の国内企業物価指数によると、石油・石炭製品が前年同月比30%を超える等幅広い分野で上昇し、全体でも10%増と、41年ぶりに2桁の伸び。一方、「企業短期経済観測調査」等によると、全国、九州いずれにおいても、原材料価格の販売価格への転嫁が進んでおらず、農林水産業や製造業をはじめ様々な分野の事業者において、経営への影響が及んでいる。
 総務省が発表した4月の消費者物価指数を見ると、全国で前年同月比2.1%の増、九州で1.8%増となるが、そのうち、食料では全国で4.0%増、九州で3.4%増、光熱水費は全国で15.7%増、九州で10.3%増と、生活に不可欠な商品・サービスの価格が上昇。総務省の家計調査等から、2人以上世帯の負担増を試算すると、4月時点で、コロナ前の令和元年より、全国で年4万9,000円程度、九州で3万6,000円程度の増。県民の皆様、特に生活困窮者の皆様の負担感が増してきている。今後も企業物価、消費者物価の上昇が続けば、企業活動や民間消費を下押しする等の影響が出てくることが懸念される。
6月補正予算として78億円を計上し、早期議決いただいた。今後速やかにこれを実施し、影響を受ける方々に必要な支援を届けてまいる。


■児童虐待防止に係る「福岡ルール」
 乳幼児健診の未受診が続く場合や、要保護児童対策地域協議会の進行管理台帳に虐待事案として登録されている子どもの安全が確認できない場合、市町村が児童相談所に援助や助言を求めること、それでも安否確認できない場合、児童相談所に通告することを条例に定め、「福岡ルール」として取り組んでいる。昨年5月から運用を開始、援助助言はこれまでに22件、うち通告に至ったものは12件。
市町村から虐待通告があったものについては、児童相談所が家庭や親族宅への訪問、保護者への出頭要求などを行い、48時間以内に全ての子どもの安全を確認。その際、子どもの生活環境や発育状況、体に傷・あざがないかなどを確認し、定期的に健診や予防接種を受けること、学校に通学させることなど、必要な指導を保護者に行なった。


■雇用維持のための在籍型出向
 一昨年12月から、県、福岡労働局、産業雇用安定センター福岡事務所の三者で、県内企業に在籍型出向の仕組みや助成金について周知を行うとともに、県内4地域で今年5月末までに計70回の説明会を開催し、280社、330人の方に参加いただいた。こうした取組を通じて、産業雇用安定センターのあっせんにより実現した在籍型出向のマッチング件数は、44件257人。今後とも、在籍型出向の活用促進を図ってまいる。


■半導体不足
 デジタル社会・DX化の進展に伴い、急速に半導体需要が高まる中、世界的な半導体の供給不足が顕在化。県内製造業では、自社製品の生産に遅れが生じている、製品の仕様を変更せざるを得ない、といった状況も発生。「産業のコメ」と呼ばれる半導体の不足は、県内製造業に広く影響を及ぼしている。
 本県には、世界的なシェアを誇る半導体企業が立地しているほか、半導体人材を育成する大学や高専、工業高校、さらには半導体の高機能化で注目を集める「三次元半導体研究センター」などの研究開発支援機関が集積。今年2月、パワー半導体などのグリーンデバイスの拠点化を目指す「福岡県グリーンデバイス開発・生産拠点協議会」を設立。さらに6月、1,000会員を超える産学官の連携組織「福岡県半導体・デジタル産業振興会議」を設立。今後、これらの組織を中核として半導体産業の拠点形成を図ってまいる。


■生産資材価格の上昇における農業者支援
 相次ぐ豪雨災害やコロナ禍の影響を受ける中、肥料価格が、昨年11月時点に比べて5割程度高騰。農業経営はさらに厳しい状況に。このため今回、補正予算を編成、早期議決いただいた。具体的にはまず、肥料の前年度からの価格上昇分の2分の1を助成。燃油や家畜飼料については、価格上昇分を補填する国のセーフティーネット制度を活用して支援。
 さらに、本県の食料供給体制を強化するため、①施設園芸では、長期的な省エネ化を推進するため、新たな技術に対応した機械・資材の導入、②畜産では、自給飼料の生産拡大に必要な収穫機などの導入、③水田農業では、輸入小麦に代わる米粉の利用拡大を図るため、新商品開発や販売拡大、といった、明日につながる取組を支援。
 こうした取組を確実に実施し、農業経営が安定し、生産継続が図られるよう、生産者に寄り添いながら支援してまいる。


■二級水系の「流域治水プロジェクト」
 52の二級水系について、流域全体で取り組む治水対策の全体像を示した「流域治水プロジェクト」を今年3月末に公表。3つの対策の柱で構成されており、①「河川の氾濫をできるだけ防ぐ、減らすための対策」として、河川整備や下水道整備のほか、公園や水田に雨水を貯留・浸透させる取組など、②「被害を減少させるための対策」として、立地適正化計画の策定や見直しなど、③「被害の軽減や早期復旧・復興のための対策」として、ハザードマップの作成や、県民への防災意識の啓発など、関係機関が連携して取組むこととしている。
 出水期に向けた対策としては、河川の流れを阻害する樹木の伐採、河道掘削、堤防嵩上げや水田及び「ため池」の有効活用を行うとともに、ダムの事前放流の実施体制を整えるなど、関係機関において取り組めるものから順次実施。今後もプロジェクトに基づき、流域内のあらゆる関係者と一体となって流域治水を推進し、防災・減災・県土の強靭化に取り組んでまいる。

 

県政報告書Vol.30のデータをアップします。

PS バックナンバーも数に限りありますが、事務所にありますので、お問合せ下さい。

 

 

 

 

・2月定例会(2/21-3/24)


■令和4年度当初予算(一般会計2兆1,529億、特別会計9,950億)
■令和3年度補正予算

【18次補正(専決処分)】(317億)【19次補正】(274億)、【20次補正】(163億)、【21次補正】(-610億)、【22次補正】(1.6億)、【23次補正】(26億)
■各種計画10件(福岡県総合計画など)
■条例議案19件(子どもへの虐待防止条例など)
■人事議案2件(人事委員会委員など)
など、87議案を可決・同意。
 また、「水田農業の振興に関する意見書」など4意見書を可決。 
 更に、「ロシア軍のウクライナ侵攻に強く抗議し、恒久平和を求める決議」、「地方議会関係ハラスメントの根絶を求める決議」を可決。


・予算特別委員会質疑要旨


●果樹振興


 行橋市の新田原地区は、県内有数の果樹産地。その歴史は今から130年前、明治時代の開墾にさかのぼる。しかし現在、新田原地区の果樹は歴史的危機を迎えている。本年1月、農林水産部に現状について聴き取り、その後地元の果樹部会の方にお会いして話を伺った。それを基に質問を行う。


①本県の及び行橋の果樹の栽培面積の推移について資料と説明を。
➡本県の果樹栽培面積の推移について、国の統計に基づいて県で推計すると、果樹全体では平成22年度7,390haが令和元年度5,110haと、10年間で3割ほど減少。かきやいちじくは10年間で4割ほど減少。
 行橋市の果樹栽培面積の推移について、県の統計から推計すると、果樹全体では平成22年度54haが令和元年度33haと、10年間で4割ほど減少。特にいちじくは、平成22年度40haが令和元年度15haと、10年間で6割ほど減少。

 

②かきやいちじくの減少が大きい原因をどのように分析しているのか。
➡かきは、他の主要品目に比べて高齢化が進んでいること、需要減による市場価格の低迷に加え、主要産地の朝倉地域が平成29年九州北部豪雨で大きな被害を受けたことから、他の果樹への転換や、条件が悪い園地の廃園が進んでいる。
 いちじくは、稲作農家の経営を補完する作物として、高齢者でも取り組みやすいことから、導入を進めてきた。そのため、時間の経過とともに、経営規模の縮小や離農により栽培面積が減少している。


③特にいちじくが深刻。そこで地元行橋、そして地元名産のいちじくに焦点を当てて質問する。前提として、行橋の果樹産地の特徴を。
➡行橋市は県内の他の地域に先駆け、いちじく、ももの生産が始まった地域。中でもいちじくは、新田原地域を中心に行橋市の果樹栽培面積の半分を占める品目。また、北九州市という消費地に近いことから、市場出荷に加えて直売などにより、多様な消費者ニーズに対応できる産地が形成されている。


④いちじくの栽培面積がここ10年で6割も減少していることをどのように分析しているのか。
➡ひとつは、県全体の状況と同様、高齢化が進んでいるため、栽培面積が減少している。また行橋市は、生産性が低い老木化した園地が多いことから、改植を進める必要があるが、いちじくは同じ園地に改植すると生育が悪くなるため改植が進まないことも、面積減少につながっている。


⑤先日伺ったJA果樹部会では、部会員104名の大半が高齢者で、平均年齢は78才。加齢に伴い作業もきつくなっている。話によると特に平成24年以降、親世代の引退に伴い子世代の引き継ぎが無く、辞める人が増えている。更に、定年後の新規就農者を期待しているが、定年そのものが延びている影響もあるとの意見も。
 このまま後継者が現れなければ、果樹産地が消滅してしまうという強い危機感がある。そこで部会では、高齢の方の作業負担を減らすため、せん定作業を請け負うサポート部を発足。県ではこのような取組をどう受け止めているか。
➡サポート部は部会の中から作業者を募集して組織されており、部会員の栽培面積の約2割にあたる約2haのせん定作業を請け負っている。高齢農家の負担が軽減され、部会員数の維持につながっており、重要な取組。


⑥このサポート部は、持続可能な組織運営にするため法人化を検討。県としてどのような支援を行うのか。
➡サポート部を法人化することにより、離農した園地の利用権設定や作業員の雇用ができる。このため、普及指導センターでは法人の設立に向け、農事組合法人や株式会社といった法人形態の選択、収益や損失の分配方法などの課題を解決するため、税理士など専門家を交え、役員や部会員に対する勉強会を開催。サポート部は、産地維持のため農業者同志が組織的に助け合う重要な取組であり、さらに発展するよう普及指導センターが中心となって支援する。


⑦サポート部の取組は重要。しかし果樹産地の維持発展にとって最大の課題はやはり後継者。新規就農者を増やす県の取組は。
➡幅広く新規就農者を確保するため、農業に関心のある方を集めて、就農セミナーや相談会を開催し、就農された方の体験談や具体的な支援策の情報を提供。加えて、若手農業者の就農動機や、経営者からのメッセージなどを盛り込んだ動画をホームページで紹介。就農に際しては、新規就農者の多くが当面の生活費などに不安があることから、国の交付金制度を活用し所得の確保を支援。


⑧冒頭に触れたように、新田原地区の果樹は、瀬戸内や五島からの移住者、そして地元有志の協力によって作り上げられてきた素晴らしい歴史がある。地元にとって、新田原地区の果樹は単なる農業を超え、文化としての側面も有する。地元の行橋音頭には、新田原のある仲津校区をうたう「わたしゃゆくはし、果樹園仲津」という歌詞もある。文化であり心の風景。
 新田原の果樹が消える、いちじくが消えるということは、行橋文化の一部が消滅することと同じ。このような結末は絶対に避けなければならない。最後に、新田原地区を含む、行橋の果樹振興にどのように取り組んでいくのか伺う。
➡行橋市の基幹品目であるいちじくについては、老木化した園地における施肥体系の改善や病害虫防除などの指導を行うとともに、近年、連作でも収量が低下しにくい台木が開発されたことから、この台木を使い改植を推進。
 また、高齢者の中には、いちじくのような長期間の収穫作業を負担に感じる方もいることから、いちじくの果樹棚を利用できる県育成品種のキウイフルーツ「甘うぃ」、かきの「秋王」の導入を進め、様々な果樹を組み合わせた複合経営を推進。
 こうした取組に加え、担い手確保や生産施設の整備を支援し、行橋市の果樹産地の維持、発展に努めてまいる。

 



●代表質問ピックアップ 

■デジタル田園都市国家構想
 国の成長戦略の柱であり、地方の豊かさをそのままに、利便性と魅力を備えた新たな地方像を提示し、地方が抱える課題をデジタル実装を通じて解決するもの。本県としても、ICTやAIなどの先進技術を有効に活用していくことが大変重要。
 本議会において、県内4地域で、「ローカルスマートシティ構想会議」を設置するために必要な予算を提案。地域のDXに積極的に取り組む市町村とともに、ドローン配送による買い物弱者の支援やAIを用いた一人暮らし高齢者の見守りなど、デジタル技術を活用した取組の具体化や展開を図る。

■新規就農者の育成・確保
 新規就農者の多くが当面の生活費等に不安があることから、国の交付金制度を活用し、就農前後の所得の確保を支援。来年度から新たに、親元就農などの新規就農者に対する機械・施設の導入を支援し、初期投資の負担軽減を図ってまいる。
 農業大学校において、環境制御装置を備えたハウス施設やタブレット端末等を整備し、農業のデジタル化に対応できる人材を育成するとともに、JAの研修用ハウスの整備を進め、就農前の栽培技術の習得を支援。こうした取組を通じ、新規就農者を一人でも多く確保し、本県農業の次代を担う人材の育成に努めてまいる。

■コロナ禍におけるがん検診の啓発
 県内26のがん診療連携拠点病院等における院内がん登録データによると、一昨年に新たにがんと診断された件数は約3万7,000件で、コロナ禍前の令和元年の約4万件と比較して約7%減少。このうち、がん検診で発見された件数は、一昨年は約4,100件で、令和元年の約4,700件と比較して約13%減少。
 がん検診を受診されていない方への個別の受診勧奨は効果のある方法と考えており、約4,800の「がん検診推進事業所」に対し、従業員やその家族へ、個別に受診勧奨していただくよう依頼。また、はがきや電話による個別の受診勧奨を行い効果をあげている市町村の優良事例について、改めて市町村の担当者会議等において情報提供し、こうした取組が広がるよう働きかけてまいる。

■農業水利施設を活用した流域治水
 クリークの先行排水では、湛水時間が短くなるなどの効果が確認された。一方で、少雨の場合水位回復に時間を要するといった課題があり、効率的に水位回復できるルールづくりなどを進めている。来年度から新たに、農業用ため池やダムを活用した出水期前の事前放流を実施するため、操作に必要な経費を助成。加えて、水路の整備や水門の電動化などの支援を行ってまいる。こうした取組により、農業水利施設を活用した流域治水対策を推進してまいる。


 

所属する会派「緑友会福岡県議団」の県政報告書〔2022春号〕を発行致しました。

データを掲載しますので、是非ご覧下さい。

 

【会長あいさつ全文】

 

 福岡県民のみなさま、こんにちは。我々は福岡県議会における会派「緑友会福岡県議団」です。緑友会は「食と緑を守る」をスローガンに、農業をはじめとする第一次産業を中心に、あらゆる県政課題の解決・県政の更なる発展を目指しています。
 この度、昨年に引続いて、県政報告書を発行致しましたので、是非ご覧下さい。紙面の都合上、全ての活動を報告できないのが残念でありますが、詳細はインターネットでも紹介しています。是非そちらでもご確認下さい。
 さて、新型コロナウイルスによって引き起こされた世界的なパンデミックから、2年以上が経過しました。未だにコロナ前の日常を取戻すには至らず、窮屈な日常に苦しんでおられることと存じます。
 福岡県においても、昨年4月に就任した服部誠太郎知事の強いリーダシップのもと、県議会も一致結束して、コロナ対策に取組んで参りました。今年こそ、新型コロナに打ち克った年になりますよう祈念致しますと共に、引続き全力で取組んで参ります。
 また、本県は残念ながら、昨年も豪雨災害に見舞われ、全国で唯一、5年連続で大雨特別警報が出された地域となりました。災害は県民の命に直結する、非常に重い課題であります。県民のみなさまが、安心して住み慣れた地域に暮らし続けられるよう、災害からの復興、防災にも取り組んで参ります。
 現在世界では、パンデミックに加え、ロシアによるウクライナ侵攻など、平和とは程遠い混乱が続いております。我々一人一人に出来る事は限られていますが、決して無力ではありません。それぞれが置かれた立場で本分を果たす、そのことによって1人でも多くの周りの人に希望を、幸せを感じてもらう。平和とは究極、そういうことの積み重ねではないでしょうか。 
 終わりに、緑友会一同、福岡県の更なる発展のため、活動を続けて参ります。今後とも、県政発展へのご支援ご協力お願い致します。

緑友会福岡県議団  会長 井上 忠敏