2023 2月定例会~予算特別委員会質疑 | 福岡県議会議員 「走る、弁護士!」 堀 大助

 

・2月定例会(2/20-3/20)
■令和5年度予算【一般会計】2兆1,975億円【特別会計】(9,829億円)
■手話言語条例(制定)、公衆浴場法施行条例(改正)、自転車条例(改正)
■監査委員、土地利用審査委員会委員
など、82議案を可決・同意。
 また、「農林水産物・食品のさらなる輸出拡大を求める意見書」など4意見書を可決。 




・予算特別委員会質疑

●果樹振興
Q
①昨年に引続き果樹振興について伺う。
行橋の果樹産地の歴史は古く、130年前の明治時代にまで遡る。最盛期には160haに達したが、現在では29ha。産地の縮小は寂しいが、地元の財産新田原の果樹産地を時代にあったより良い形で残したい。
 昨年の予算特別委員会では、高齢の方の農作業を引き受けるサポート部の取組について尋ねたが、このサポート部が3月に法人として新たなスタートを切った。この法人が将来にわたって活動を継続していくため、しっかりとした経営を行っていく必要がある。収益を確保していくため、どのような取組を行うのか。
➡法人の事業計画では、果樹のせん定や病害虫防除といった農作業を受託。受託作業以外からも収益を確保するため、法人自ら、離農した果樹農家から遊休農地を借り受けて、ももの生産販売も行う。

②農作業受託について、普及指導センターはどのような支援を行っているのか。
➡普及指導センターでは、果樹のせん定などの技術向上を図るため、作業者に対し現地や座学での講習会を実施。また、受託した農作業の内容が作業者全員で共有できるアプリの活用を提案した結果、円滑な作業者の割当てが可能となり、受託作業への迅速な着手につながっている。

③遊休農地での「もも」の生産に関し、どのような支援ができるのか。
➡ももを新たに導入する場合は、国の事業を活用し、苗木の植え付けや収穫開始までの管理に要する経費を支援できる。また、栽培に必要な果樹棚や農業機械の導入については、県の高収益型園芸事業により支援。

④「いちじく」については、ここ10年で6割も栽培面積が減少。これを踏まえ、昨年の予算特別委員会で質問し、今後は「甘うぃ」も推進していく旨答弁。新田原地域では県育成品種である「甘うぃ」の産地化を進め、現在では新田原を中心に4ha程度が栽培。今回設立した法人で、「甘うぃ」も農作業を委託。地域の方々が大きな期待。しかし、一部の「甘うぃ」の園地では、樹の生育が悪く、生産量が十分に伸びないと聞いている。どのように分析。
➡新田原地域の土壌は、粘土質で排水性がやや劣ることから、根が成長しにくい傾向にある。普及指導センターでは、土壌を柔らかくし水はけがよくなるよう、堆肥をはじめとした土壌改良剤の投入を進めるとともに、明渠などの表面排水の指導をしている。

⑤法人が新規就農者を育成するための支援策にはどういったものがあるか。
➡雇用した新規就農者に技術を習得させる場合、「雇用就農資金」として月5万円を上限に国の支援。また、この法人が新規就農者を対象とした研修機関となった場合には、国の事業を活用して、研修に必要なトラクタやビニルハウスといった機械・施設の導入などを行うことができる。

⑥就農を希望する方が、本当に農業でやっていけるのか見極めるため、一旦農家に雇用されて農業に従事する雇用就農も有効な方法。どういった取組をしているのか。
➡県では、国の交付金制度を活用し、就農前後の所得を確保。加えて、普及指導センターが、就農後間もない新規就農者を対象に、病害虫対策などの講座を開催するとともに、個別に現地指導を実施。また、R5年度から、農業大学校での農作業の基礎研修に加え、複数の農業法人で農作業を経験できる「トライアル就農」を実施し、自分にあった就農先を選択できるよう支援。

⑦就農した人が安定して所得確保できるため、熟練生産者の高度な技術を少しでも早く伝承していくことも重要。近年、AIやIoTといった先端技術を活用した事例が見受けられる。どのような取組を行っているのか。
➡熟練生産者の長年の経験や勘に基づく高い栽培技術、いわゆる匠の技を新規就農者に伝承するため、スマートグラスやアイカメラといった先端機器を活用した指導を行っている。 これにより、新規就農者が効率的に技術を習得でき、早期の経営安定にも繋がる。