今月は個人的にイベントごとが多い月でして…

 

火曜日はミュージカルを見て来ました。

こちら、東京芸術劇場プレイハウスで上演中の

「VIOLET」です。

 

私、東京芸術劇場での観劇が

初めてだったんですが

地下から上を見上げた時にソウルの

芸術の殿堂を思い出しました。

2階のプレイハウスは雰囲気があって

素敵な会場でした。

 

「VIOLET」は作品の主人公である

女の子の名前。

ヴァイオレット役はダブルキャストで

私は屋比久知奈さんで見ました。

 

幼い頃、顔に大けがを負ってしまい

人目を気にして生きてきたヴァイオレット。

そんな彼女が顔の傷を癒してもらうため

アメリカ大陸横断のバスの旅に出るという物語。

長いバスの旅の間にヴァイオレットに

どんな出会いがあるのか、

到着した先で癒しを得られるのか…

が語られます。

 

が、主人公ヴァイオレットを演じる

女優さんの顔には傷はありません。

メイク等で傷をつけたり

ファントムの仮面みたいに隠してる体

にして傷があるように見せることもできる

と思うのですが、あえて傷が無いという演出。

つまり、見ているこちらは無いものがある

ということを想像しながら見なければなりません。

周りの出演者の反応から

ヴァイオレットの態度や台詞から

その傷の大きさ酷さを想像するのですが

そこに言及されていないシーンだと

ついつい忘れてしまう…

そしてまた別のシーンで引き戻される…という次第。

それが演出意図なのだと思いますが、

(特にラストに向かってはこれが大事)

無い物を常に想像して見るのは難しいので

見る側が試されている感覚でした。

 

この作品が伝えるメッセージのもう一つが

このお話の舞台となった時代のアメリカの

黒人解放問題。

登場人物の中にはホワイトとブラックが

いるわけですが、全員を日本人が演じる

日本の公演ではどの人がどちらの人種なのか

はメイクや態度や発声などから

感じ取らないといけないので

ここもまた見ている側の想像力が

試されてくるのでした。

 

ただ、そこはキャスティングが素晴らしく、

黒人役の東啓介さん、谷口ゆうなさん、

saraさん3人とも歌い方がしっかり

ブラックミュージック的でカッコ良かったです。

特にへぇ~@@って驚いたのが東啓介さん。

多分生で見るのは初めてでしたが、

日本版「マタハリ」でオムさんと同じ

アルマンにキャスティングされていたり

ドラマで拝見していて知ってはいたけど

こんなに歌がお上手だと思って無かったので

(失礼ながら)驚いてしまいました><;

 

saraさんは「GREY」「アーモンド」と

conceptさん作品で続けて見て

昨年「ファントム」でお会いするのを楽しみに

していたのが叶わず気になっていました…

が、やっぱり歌上手い~!

そして、やはり魅力ある女優さんだな…と

改めて思いました。

 

谷口ゆうなさんもカッコ良かった―!

パワフルボイスがさく裂していらっしゃいました><

 

ゆうなさんのボイスさく裂の場が

ヴァイオレットの目的地なんですが、

そこで登場する原田優一さん演じる

テレビ伝道師はもぉ原田さんにピッタリな役。

そのうさん臭さに心の中で1人

キャッキャ喜んでおりました^^;

 

旅の終着点だったテレビ伝道師に

会ってからのヴァイオレットのシーンは

泣けました~><;

特にspiさん演じる父親とのシーン…

ヴァイオレットの傷とお父さんの傷が

痛いほど伝わってきて

断片的にしか語られていない

十数年のことをドッと想像してしまいました。

spiさんも生は初めましてでしたが

うわぁ上手!って驚きました。

「雨が止まない世界なら」のCDで

お声聞いていたけど、今度はあちらにも

生で出演して頂きたいなぁ…

 

2020年に見る予定だったこの作品、

コロナで中止になってしまい見られず

待望の上演だったので

それも感慨深かったです。

そして、カテコで挨拶に出ていらした

演出の藤田俊太郎さんが

いつも思うけど演出家にしとくのが

もったいないくらい素敵でした♡