昨日は久しぶりに美術館へ…

 

主に19世紀のパリの様子を収めた銅版画を

展示している美術展を見に行きました。

https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201702111486797027

 

19世紀のパリと言えば…

モンテ・クリスト伯が伯爵となって

悪役3人衆に復讐を行った場所であり、

田舎者ダルタニアンが希望に胸を膨らませ

銃士になるためにやってきた場所であり、

そして、レ・ミゼラブルの舞台となった場所…

 

19世紀の後半、大改造によって

大きく変化したパリの街の

改造前の様子を描き残した作品が

多く展示されていて、

描かれた風景や街の人たちの服装などを

見ながらミュージカルの色々なシーンを

思い出すことができて面白かったです。

 

噴水のある広場には

目を輝かせたダルタニアンがいそうだし、

仮面をつけたカーニバルのどこかには

こっそりモンテクリスト伯爵が隠れてそうだし、

引馬がひっくり返った馬車のところには

バルジャンが助けに行きそうだし…

 

どの作品もとても細かく描きこまれていて

当時の銅版画家や職人たちの

情熱が伝わってくるようでした。

 

展示の後半に飾られていた

19世紀以降の作品の中には

ムーランルージュを描いた作品もあり、

今度はマタハリに想いを馳せたりして…

 

他にもノートルダム寺院や

オペラ座なども描かれていて、

パリを舞台にしたミュージカルって

いっぱいあるな~と思いながら見てきました。

 

そして、一通り展示が終わった後、

ミニ展示コーナーに

「レ・ミゼラブル」の挿絵の原画となった絵と、

当時の出版本の展示がありました。

この展覧会を見に行こうと思ったきっかけが

これが見られるからだったのでした。

 

 

この、大きなほうきを抱えたコゼットが有名な

レ・ミゼラブルの挿絵ですが、

この挿絵には原画を描いたブリオンという人がいて、

その原画や別の人が描いた絵をもとに

版画に起こしたものが良く見る挿絵のある

ユーグ版というバージョンの本なのだそう。

 

もともと初版は挿絵なしで出版された

「レ・ミゼラブル」の挿絵版出版に対して、

作者のユゴーは乗り気では無かったそうなのですが、

ブリオンが描いた絵を見て気に入り、

挿絵版の出版を決めたということ。

 

で、今回の展示ではブリオンが描いた原画を

写真に撮ったもののプリントと

ユーグ版の挿絵とが並べられ、

比較できるようになっていたんですが、

ブリオンの原画は私が知ってる挿絵とは

かなり雰囲気が違うものでした。

 

何というか…全体に善良な雰囲気。

そう感じたのは全体に暗いユーグ版と比べ、

ブリオンの画は背景が明るく、

人物の顔は肌に透明感があり、

大人びたおとなしい表情をしているからかと…

もしも、このブリオンの挿絵が全編で使われて

挿絵版「レ・ミゼラブル」が発刊されていたら、

読む人の受ける印象はだいぶ

違っていたんじゃないかな…と思いました。

 

今年のミュージカル「レ・ミゼラブル」開幕も

あと少し…

「美女と野獣」の昆さん、吉原さんの声や

今回の展覧会で私も

テンションが上がってきました~^^