前回のブログ記事で、フランスのトコジラミ被害の拡大を取り上げたが、最近またま
たニュースでよく見かけるようになっているので、再度取り上げてみたい。
フランスでも特にパリで拡大しているようだ。ニュースでは、10世帯に1世帯の割合
で見つかっていると報じている。このニュースが本当なら尋常な広がり方ではないだ
ろう。一般家庭では勿論のこと電車の座席や映画館でも見つかっているようだ。
最近では、フランスの議会でも取り上げられるようになり、大きな社会問題となって
来ている。まさにパニックと言っていいだろう。
パリのストリートにマットレスが山積みなっている画像があった。処分に出すのか、
どこかの消毒業者にでも消毒の依頼に出すのか定かではないが、大変な事態になって
いることは確かである。
今、パリで見つかっているトコジラミは、通常の薬剤(ピレスロイド系の薬剤)では
効果が無くなって来ていると報じられている。確かにスプレー式の薬剤を何回もかけ
ている内に薬剤に対して抵抗性を持つようになることはあり得る。特にトコジラミは
見える個体に対して薬剤をかけてもそれ以外に隠れている個体がかなりいる。薬剤か
ら逃れて巣に復帰すれば、それらの個体の遺伝子に抗体が出来る結果なのであろう。
抵抗性を有した個体から生まれる幼虫は日に日に増える。トコジラミの雌は、毎日産
卵している。その数5匹程度を産んでいるのであるから、あっという間に増えてしま
う。
私も今年になってからトコジラミの駆除依頼は、5軒となっているので、少し増えて
来ていることは確かだ。駆除作業も簡単に終わらない。発生した家から100%駆除が
完了するまで、2ヵ月を要することもある。それほど厄介な昆虫なのである。旅館や
ホテルでの案件もあるが、その場合発生したその部屋は、駆除完了するまで、稼働を
休まなくてはならない。経営者にとっては、頭の痛い問題になってしまう。
トコジラミは夜行性なので、夜寝ている時に吸血される。特に若い人ほど良く刺され
るようだ。肌の柔らかい部分を選んで刺すようで、腕や足の太股、首筋等をやら
れた話しをよく聞く。
パリの話しに戻るが、10世帯に1世帯の割合で増えているとなると、物凄い勢いと感
じる。日本国内では、増えて来ていると言ってもせいぜい3万世帯に1世帯程度だと
思う。
いやはや、来年のパリ五輪はどうなることやら…。