ねぇ ちょっと座りなさい

今の声
少し強かったわよ

どうしたの?

……え?
あぁ
そうか

自分でも
分かってるのよね

別に
旦那が悪いわけでもない
子どもが
ひどいことしたわけでもない

なのに
イライラが止まらなくて

言わなくていい一言
強く言っちゃって
あとで自己嫌悪

「私 最近 どうしちゃったんだろ」
って

---

白隠さんってお坊さん 

知ってる?

昔ね
心が荒れて
体まで壊したことがある
お坊さん それが白隠さん

その人が
はっきり言ってる
 

心火逆上の時はまず身を養え
しんか ぎゃくじょうのときは まず みをやしなえ
---

心がカッカして
イライラして
余裕がなくなった時

それ 性格の問題じゃない

体の限界から 

心の火が上がってる

だから 説教も反省も
先じゃない

先に 体を休ませなさい
って教えなの

---

イライラが止まらない正体ね

* 寝不足
* 休みなし
* 気を張りっぱなし
* 自分の時間ゼロ

これが重なると
心はちゃんと爆発する

白隠さんはそれを
身をもって知ってたの

---
イライラしてる時に
「優しくしなきゃ」
って言われるの

一番つらい

優しさは
余力からしか出ない


余力がない時は
まず回復

---
* 甘いものを 一口
* 深呼吸を 二回
* 今日は 頑張らないと決める

* 早く寝る

これでいい

立派な養生よ


これでも食べて 元気出しなさい

濃いめのカカオをぶち込むのよ

 

 


体が戻れば
心も
ちゃんと戻るから ね

-----------------------------------

白隠慧鶴禅師(1686-1769)は

 

江戸時代中期の臨済宗の僧で

 

臨済宗中興の祖と称されています

 

駿河国(静岡県)に生まれ

 

15歳で出家しました

 

各地で厳しい修行を重ね

 

24歳の時に大悟しました

 

『坐禅和讃』を著し

 

分かりやすい言葉で

 

禅の教えを広めました

 

現在の臨済宗各派は

 

すべて白隠の法系に連なっています

 

 

 

ねぇ ちょっと座りなさい

その顔
ずっと考え事してたでしょ

 

どうしたの?

……え?
あぁ
そうか

お子さん
学校に行けてないのね

心配になるよね
不安になるよね

このままでいいのか分からなくて
夜になると
いろんなことが頭を回り出すやつ

日蓮さんの考え方を聞いてくれる?

日蓮さんの言葉に
立正安国〈りっしょうあんこく〉
というものがあるの
 

これ
強そうな言葉に聞こえるけど
不登校の親の立場に当てはめると
実は真逆なの

結論から言うわね

立正安国とは
「まず 子どもを

立て直そうとしなくていい」
という教え

立て直す順番は
親 → 子 → 学校


不登校は子供と同じぐらい
親も苦しんでる

* 行かせないと将来が心配
* このままでいいのか分からない
* 周りの子と比べてしまう
* 自分の育て方が悪かったのではと責めてしまう

これはね
親の心が先に乱れている状態

日蓮さんの言葉に沿うなら

「国を安らかにしたいなら
まず
立てるべき正しさを間違えるな」

「登校することが正しい」になった瞬間
親も子も
追い込まれるの

---
子どもも怠けているわけじゃない

不登校の子どもは
多くの場合こう

* 頑張りすぎた
* 我慢しすぎた
* 逃げ場がなかった

だから心が
「もう無理だよ」
って
ブレーキをかけた

これは失敗じゃない
生きるための正常な反応なの

立正安国的に言えば

乱れているのは
子どもの心じゃない

乱れていたのは

心を守れなかった環境のほう
---
 

親はつい
言ってしまう

「いつになったら行くの?」
「このままで大丈夫なの?」
「みんな行ってるよ」

でもこれは
親の不安を
子どもに渡している状態


日蓮さんの思想では
これが
一番 国を乱す行為なの

---
親がやることは
たった一つ

「この子は 今 生きているか」

* 食べている
* 寝ている
* 笑う瞬間がある

これがあれば
今は合格

声をかけてあげて
 

* 今は休む時なんだね
* 話さなくても ここにいていいよ
* 行かなくても あなたの価値は変わらない


---
あと とても大事なこと言うわね

親も 支えてもらっていい

* 誰かに弱音を吐く
* 正解を探すのをやめる
* 今日はしんどいと認める

これも
立正安国

---
親の心が
少し安らぐ

子どもの心が
安全だと感じる

動く力が戻る

順番は
必ずこう

---
もし
何も言葉が出ない日があったら
これだけ覚えておいて

「この子は 今 生きている
それだけで 今日は十分だ」


立正安国は
立ち上がらせる教えじゃない

立ち止まることを許す教えなの


---
今日はね
がんばらなくていい

これでも食べて 元気出しなさい

ビタミン補給よ

 


心が少しでも落ち着いたら
それだけで
今日は立正よ

-----------------------------------

日蓮聖人(1222-1282)は

 

鎌倉時代の僧で

 

日蓮宗(法華宗)の開祖です

 

安房国(千葉県)の

 

漁師の子として生まれ

 

12歳で出家しました

 

各地で学んだ後

 

法華経こそが釈迦の

 

真の教えであると確信しました

 

「南無妙法蓮華経」の

 

題目を唱えることで

 

誰もが成仏できると説きました

 

他宗派を激しく批判したため

 

幕府から迫害を受け

 

伊豆や佐渡へ流罪となりました

 

「立正安国論」で国の平和を願い

 

法華経による国家の安泰を訴えました

 

困難な中でも信念を貫き

 

身延山に草庵を結びました

 

情熱的で不屈の精神は

 

多くの人々に勇気を

 

与え続けています

 

 

 

ずっと
スマホ見て不安な顔してるけど
どうしたの?

……え?
あぁ そうか

ニュース コメント
言い合い 戦争 分断

スクロールするたび
世界が 世間が
ずっとけんかしてるみたいに
見えてきたのね

「私たちの未来
どうなるんだろう」
って

---

世親さんの言葉 聞いてくれる?

昔ね
人の心が
世界の見え方を
作っているって考えた
世親さんというお坊さんがいたの

その人の言葉がこれ


---
一切は心より起こる

---
これ 今の言葉にすると こういう意味

世界が
急に全部
こわくなったわけじゃない

今 あなたの心が強い言葉に
引っ張られているだけかもしれない

ネットやSNSってね
怒り 不安 対立

そういう刺激の強いものを
前に出してくる

だから
見続けると
心もその形に近づいていく

---

でもね 世界は それだけじゃない

ちょっとだけ
視線を近くに戻してみて

今日
話しかけてくれた人
いなかった?

笑ってくれた人
いなかった?

何でもない
一言 一瞬

そこにもちゃんと
世界はある

---
あなたが優しいから
不安になるの

感じすぎる心は
悪くない

ただ
休ませてあげる時間が
必要なだけ

---
今日はね
未来のこと
考えなくていい

これでも食べて 元気出しなさい

もちもちを感じてね

 

 

世界は
あなたが思っているより
ちゃんと
近くで
あたたかいから

-----------------------------------

世親菩薩(ヴァスバンドゥ 4-5世紀)は

 

古代インドの僧で

 

大乗仏教唯識派の確立者です

 

兄の無著菩薩とともに

 

仏教思想の発展に大きく貢献しました

 

若い頃は小乗仏教を学び

 

大乗仏教を批判する立場でした

 

しかし兄の教えによって改心し

 

大乗仏教の研究に転じました

 

「唯識(ゆいしき)」思想を深め

 

すべては心の働きが

 

作り出すものであると説きました

 

その教えは中国の

 

玄奘三蔵によって伝えられ

 

日本の法相宗の基礎となりました