北欧のとある国では、夏になると太陽が沈まない〝白夜〟が二ヶ月以上続くという。 それに相対し、冬にはカーモスと呼ばれる地平線上に日が昇らない時期が二ヶ月弱続く。


日本語では〝極夜〟と呼ばれる。


沈まない太陽が、四六時中視界を照らす世界とは表裏一体の、空間一面が蒼色に染まる一種幻想的な世界。


今の自身は、極夜の野に身を投じているのかもしれない。 やがてくる白夜に想いを馳せながら。


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余程の天賦の才の持ち主でもなければ、自身のレベルが上がれば上がるほど、向上の速度は落ちていく。


そして陥る。


人は、弱いから。


無意識の内に模索する。


近道を。


逃げ場を探す。


技術や知識に。


そして、大抵は袋小路に迷い込む。


でもね、それは違う。


もっと単純なんだよ。


根本。


登れば登るほど、厳しくなっていく。


あれ程簡単に出ていた〝たった一歩〟が遠い。


でも、そこに目を背けては前に進めない。


決して裏切らない、唯一無二の根本。


最初から気付いていた。


でも、仕方がなかった…間に合わせる為に。


先行者のいる場所を逆算し、無理矢理そこへ歩を進めた。


内情は、傍目の派手さからは程遠い、無様の極み。


自分が一番知っている。


何者にもなれていない事を。


だからこそ、たった一歩…たった一歩ずつ前に進む。


野生は生きている、感覚も死んでない。


その感覚が告げている、最も遠いと思える道が、最も近いと。


聞かれれば嘯く事もある。


『最近、重たい物を持っていないから、つまらない。』


本当はね。


面白い…