16人抜き | 道楽者は行く!

道楽者は行く!

ラグビーやサッカーをしたり見たり、落語聴いたり、酒飲んだり、山を歩いたり、歌を歌ってみたり、そして時折旅に出る。
そんなわたしの道楽のモロモロ・・・

あれは何年前だったのかなあ。

地元の税務署関係の団体が、まだ二つ目の噺家さんをお呼びして、信用金庫の2階でささやかな落語会を開催してくれたことがありました。

若いその噺家さんは、なんだかとっても勢いがあって、この人はいいなあと思いながら聴いたことがあったんです。


この度、その三遊亭わん丈師が、16人抜きで真打に昇進しました。

都内の各寄席で行われる披露興行は、どこもソルドアウトに近い状態であると聞きました。


先述の落語会を企画した方が、そのご縁で後援会に入っているとかで何枚か購入してあるらしく、その貴重なチケットを1枚譲ってもらい、新宿末広亭に行って参りました。



伊勢丹の地下で、定番のシウマイ弁当を買って、万全の体制で、さあ落語の世界に没入しましょう。



その日の演目は、こんな感じ。


開口一番 辰ぢろ 子ほめ

花ごめ 熊の皮

ニックス 漫才

小せん 商売根問

三三 お血脈

ダーク広和 奇術

琴調 浅妻船

天どん 久しぶり!

のだゆき 音曲

喬太郎 銭湯の節


中入り


新真打口上

三三 喬太郎 琴調 わん丈 天どん さん喬


にゃんこ金魚 漫才

つる子 片棒

さん喬 真田小僧

仙四郎仙成 太神楽

わん丈 おせつ徳三郎


いろいろよかったけれど、やはりよかったのは披露口上でした。

みんな落語家さんらしく、笑いを取りつつ最後にはわん丈をよろしくお願いしますで締める。

うっかりすると、ホロリと涙がこぼれてしまいそうです。


自分も人気者である喬太郎は、わん丈の芸をベタ褒めしつつ、でもそこには心がなければいけないと将来のこの世界のスター候補を持ち上げながら諭します。

よかったなあ。


そして、トリのわん丈師。

『おせつ徳三郎』

という難しい噺だったからかもしれませんが、私には今ひとつであったように聞こえました。


まあ、伸びしろばかりということで。


手を取って 共に登らん 花の山

三遊亭わん丈をよろしくお願い致します。


亡き師匠、圓丈師匠の口上が聞こえてきそうです。