この続きはまたいつか | 道楽者は行く!

道楽者は行く!

ラグビーやサッカーをしたり見たり、落語聴いたり、酒飲んだり、山を歩いたり、歌を歌ってみたり、そして時折旅に出る。
そんなわたしの道楽のモロモロ・・・

随分前に、妻が落語会のチケットを知り合いに譲ろうとしている場面に遭遇しました。

 

「それ誰かに売っちゃうの?」

 

「うん。

他に聴きたい落語があるから、こっちは手放そうかと思って・・・」

 

「誰なの?」

 

そのチケットを見てビックリ!

雲助の一門会だったからです。

 

『師弟四景』

 



雲助の他、白酒、馬石、龍玉。

どの人も素晴らしい。

しかも脂がのり切っている噺家さんばかりです。

 

チケットは1枚だけ。

でも、これなら行きたいと思い、ちゃんとお金を支払ってそのチケットを譲ってもらいました。

 

昨夜が、その落語会でした。

場所は、日本橋公会堂。

 

ここまで来ると、どうしても行きたい店があります。

『福そば』という名の立ち食いそば屋です。

 



もう夜と言うこともあり、私が店を覗くと客は一人もいません。

この写真を撮っていると、ひとりの女性が私より先に入店し、おそらく天ぷらそばの食券を購入。

 

店主さんは、いくつかあるかき揚げの種類を説明しています。

桜エビと○○、ゲソと○○、人参と玉ねぎ・・・

○○はよく覚えていないということなんですが、立ち食いなのに何種類もかき揚げがあるところが凄い。

 

その女性、自分の居場所から、かき揚げの前まで来てそれをじっと凝視しています。

決めません。

1分では済まない。おそらく2分以上はかき揚げを睨んでいます。

 

私は、天玉そばの食券を買って脇で待っています。そんな状況は誰だって分かりそうなもんです。

でも決めません。

 

落語界の開演までは、まだまだ時間があります。

これは、寧ろ面白いと思って、彼女がどれを選ぶか注目していました。

 

やっと口を開きました。

「これ、何でしたっけ?」

 

私は、ドリフのコントのようにずっこけたい気分でしたが、ぐっと堪えました。

結局、彼女はゲソと○○を注文し、悪びれずに自席に戻って行きます。

まっ、席はありませんけどね。

 

私は桜エビとみつばだったかなを注文し、それをいただきます。

美味い・・・

やっぱりここの蕎麦は秀逸です。

なのに値段は640円

素晴らしい!

 



まだちょっと時間があったので、夜の水天宮へ。

 

娘たちのところへ、よい子を授けてくださってありがとうございます。

神社で手を合わせている時には、そのことだけを考えているということがいいですね。

 



さて日本橋公会堂へ。

 

席は前から3列目の一番端っこ。

座高の高い私としては、後ろの人を気にする必要がない、最高のポジションです。

 

開口一番の前座さん、駒介さんが上手い!

『真田小僧』を10分程度やっただけですが、将来性ありと見ました。

 

最初に高座に上がったのは桃月庵白酒師。

 

私が今、一番好きな噺家さんです。

この人のマクラは、いつも福々しい体型で毒を吐く感じ。

この日は、歌舞伎町のホストの営業方針を落語に取り入れることは出来ないかと言うような話。

可笑しかったなあ・・・

そこから入ったのは『お見立て』

この人は、鹿児島出身なのに北関東辺りと思われる言葉を、極端にデフォルメしたような田舎もん振りが面白過ぎます。

 

次は、師匠である五街道雲助師。

この方、先日、人間国宝になったはずです。

その国宝がやったのが『ずっこけ』という下ネタバリバリの滑稽もの。

こういうところが落語のいいところですよねえ・・・

 

中入りをはさんでからの後半が凄かった。

 

三遊亭圓朝作『真景累ヶ淵』という恐ろしく長い噺の中から、

隅田川馬石が『豊志賀』を30分ほど語り、

蜃気楼龍玉が、その続きである『お久殺し』を40分余り演るという贅沢な企画。

 



これは聴きごたえがありました。

 

やっぱり落語って凄いですねえ・・・