布団の中でまどろみながら悩んでいました。
どうしようかなあ…
月曜の夜は、自分の店が定休日である弟と一緒に、弟が中華屋を始めるにあたって修行させてもらった師匠のところに行って痛飲してしまったのでした。
師匠は、商売を引退してしばらく経っても、相変わらずサッと美味しいものを作ってくださいます。
それだけに酒もすすんでしまうのですが…
だから、休みだった翌朝となり、早くから動き出すべきか否かについて思い悩んでいたのでした。
でもここでグダグダしてしまうと、1日が無駄になると思い、エイヤッと布団から立ち上がり、顔を洗って家を飛び出しました。
向かったのはホームコースの高尾。
今回は、いろいろ考えないで、一番好きなJR高尾駅から歩き出し、落合から登山道に入り、金刀比羅宮から薬王院、そして高尾山山頂を経由して裏高尾に向かうコースを行くことにしました。
歩き出しは、まだ少しマシでしたが、やがて日差しも強くなり、二日酔いの肥満おじさんは大量の汗をかき始めます。
でも、それがいい。
やっぱりグダグダしていなくてよかったと思いつつ歩を進めます。
この日は、人が少ない。
それがよかった。
マスクを外して歩いていても、罪悪感を感じることがありません。
それにしても、そんなことを気にしなければいけないのは寂しいことですけどね。
日差しは熱いけれど、やはり山には秋の気配が。
そして、見上げる空も高くなって来ました。
城山山頂を経て、そのまま相模湖方面に下ります。
あっ、曼珠沙華。
暑くとも、もうすぐお彼岸です。
一般道に出て、さらに弁天橋まで下りて行きます。
降り切ったところで、川まで下りていき冷たい水で顔を洗います。
あー、気持ちいい。
やっぱり歩いてよかった。
この日、往きの電車から読み始めたのは、この前、なんとなく買った『20歳のソウル』という本。
これ、完全にやられました。
1ページ目から涙腺崩壊。
電車の中なのに、うっと嗚咽まで漏れてしまう有様。
山を下りて、相模湖駅に着くや否や続きから読み始めて、最後は行きつけの油そば屋で読み終えました。
1日で本を読み終えるなんて、
遅読の私としては、珍しい現象です。
人生は、長さではない。
その濃さだとかいうようなことを言う人がいます。
私は、そうは思えません。
だったら、生まれて半年で死んでしまうような赤ちゃんはどうなるんだと思うからです。
でもこの本の主人公である大義くんは、濃密な人生を生きた!
確かにそれはそうかもしれません。
しかし、それだけに、彼が生きながらえてさらに経験を積んでいけばどんなことを成したのかというところに思いが至ってしまいます。
ダメだ、思い出しても泣ける…