政府・民主党は22日、参院選マニフェスト(政権公約)について議論する企画委員会を開き、党側が衆院選マニフェストの見直しを検討した中間報告を行った。財源不足を懸念する声が強まる中、11年度に新たに9.5兆円が必要とされるマニフェスト関連予算のうち、主要施策で圧縮が決まったのは10年度も見送られた「暫定税率の撤廃」(2.5兆円)にとどまる。【大貫智子】

 中間報告では、子ども手当の11年度からの満額(中学生以下1人当たり月2万6000円)支給や、農業の戸別所得補償の本格実施などがそのまま盛り込まれた。子ども手当には「バラマキ」批判もあるため、増額分(月1万3000円)を保育所などのサービス給付に充てる考えも併記。「政治判断が必要」として5月末の公約決定に向けて政府側と調整することになった。

 財源措置を伴わない行政改革分野では、投資的な補助金の一括交付金化▽国の出先機関の都道府県や広域連合への移譲▽府省をまたがった規制を緩和する「総合特区」創設--を新たに盛り込む方向となった。しかしマニフェスト論議は財源論の壁を前に停滞気味だ。反対世論の強い高速道路無料化を巡っては、玄葉光一郎衆院議員が「今後も無料化の旗を掲げるのか」と見直しを提起したが、「議論の場ではない」と押し切られた。子ども手当の財源確保策についても、配偶者控除の撤廃などが検討される秋の税制改正に決着を先送りする方向になっている。

 参院選の指揮を執る小沢一郎幹事長は今月中旬、側近議員に「公約は変えちゃだめだ」と明言。周辺は「マニフェストは数値目標。任期4年でどれだけ達成したか、次の選挙で評価を受けるものだ」と小沢氏の意向を代弁する。こうした空気を察し、同日の企画委は公約と財源をどこまで関連付けるかについて「政府・与党の枠がはまっていない」(細野豪志副幹事長)と議論を見送った。米軍普天間飛行場移設問題に追われ、明確な方針を示さない鳩山由紀夫首相への不満の声も上がり始めている。

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