あなたのとなりにいる 中年男子の本棚 -5ページ目

その89  ATMに並ぶな!

現金は24日におろせ! 小宮一慶 KKベストセラーズ  1365円

最近、この手のタイトルが多くて埋没しているけど、書いてあることはなかなか良い内容。

「現金は24日におろせ!」
「会社に人生を預けるな!」とか「お金は銀行に預けるな!」とか、「~するな!」「~しろ!」の命令形タイトルの本が、最近本当に多いような気がします。ちょっと前なら、新鮮味のあるタイトルだったのですが、これでは編集者の手抜きとしか思えません。私は、本書に対して「あぁ、お金の本ね」と思い込みを持っていました。

 しかし読んでみると、たしかにお金に対する考え方が書いてあるのですが、ちょっと奥が深い。要は「人生をお金に操られないようにしなさい」ということであり、加えて「人生を時間に操られないようにしなさい」とも書いてあります。逆説的に言い換えれば、お金と時間を人生で上手に操ることが出来る人は、充実した納得のいく人生を送ることが出来る、ということです。


 時間はお金なんです。タイム イズ マネー。そう考えると、給料日の25日にATMに並ぶ行為は「私はお金と時間に操られていますよ~!」とみんなに宣言している様なものです。

 今までの日本は、会社に人生を預け、日本人の持つ協調性を基に、皆一様に日本の経済成長を謳歌することが出来ました。小泉政権の最中、「3丁目の夕日」という古き良き昭和時代の日本を懐かしむ映画がヒットしたのは、派遣労働とか、勝ち組・負け組とかが顕在化した裏返しでしょう。しかし、これからの日本は、二度とそのような時代に戻ることは出来ません。多分、私を含めた国民の大多数が、感じていることではないでしょうか?

 これからの時代は、個々人の能力差で所得も開いてくると示唆しています。お金と時間のコントロールのほか、個人の力を蓄えること、自分にしかできないものを身につけることも大事だと述べています。そのためには、何から手をつければよいのか?私のような凡人は、そこから困ってしましますが、著者は「目の前の仕事に全力を尽くせ」と述べています。その人にしかできないレベルまで、本質まで踏み込みトコトン突き詰める気持ちで・・・。それと、日々の勉強です。著者も、始めからこの様な人生を描いていたのではなく、チャンスを物にする、日々の勉強をしていたからです。「準備」と「チャンス」は一対の言葉です。

「お金は求めると逃げていく」
「成功を求めるのではなく、成長を求める」
結果は後からついてきます。そう思い込んで、今日も一日頑張りましょう!

中年男子の「現金は24日におろせ!からは想像つかなかった内容」度 ★×4.25

現金は24日におろせ!/小宮 一慶
¥1,365
Amazon.co.jp




 


その88  だったら、新書で出しなさい

だから、新書を読みなさい  奥野宣之 サンマーク出版 1470円

結論はタイトルに出ている。この著者のいつものやり方。

「情報は一冊のノートにまとめなさい」の著者ですが、今回の本は余り新鮮味はない。
では、何故このブログで取り上げたかというと、著者も私と同じ悩みを抱いたのだと「ホッ」としたからだ。

「読まなくていけない本が多すぎて大変だ。いったいどれから読めばいいのだろう?」とか、
「読んでも読んでもキリがない。なぜか、本に急かされているような気がする・・・」など、正に私の心境。

著者は、現在この心境から脱却し、「『読まなくてはいけない本』など、読まなくていい。それよりも、本当に読みたい本を読みなさい」とこの本で述べ、この基本原則を教えてくれたのが、ほかならぬ新書である・・・と述べている。

最近、この手のどの本にも書いてあるが、「あえて情報をシャットダウンしろ」と言うことだ。多くの情報をインプットするよりも、自分の頭で咀嚼する時間を持て、ということ。

で、何故、情報インプットに新書が向いているか?という本題に入るが、この理由は至極単純。
「安い」「早い」「旨い」は冗談だが、知りたい情報を気軽にインプットするのに相応しいからだ。ただ、著者は新書を情報源として読む場合は、同じテーマで異なる著者の新書を、三冊同時に読むことを提唱している。これにより、三者三様の違う考え方を同時に読むことで、最終的な判断は読者が下す・・・という理屈だ。

言っていることは分かるけど、なら、これも新書で出せば良いのに・・・と思ったのは私だけじゃないだろうな~。やっぱ、新書じゃ儲からんから、背に腹は代えられないということかな?

中年男子の「読む本は新書だけにしよう!」と思った度 ★×2.5

だから、新書を読みなさい/奥野 宣之
¥1,470
Amazon.co.jp



その87 そろそろ、重い腰を上げましょうか・・・。

お金を稼ぐ読書術 牛堂登紀夫 ビジネス社 1365円

もしもし?本には何も入っていないですよ。

「本書はこんな人にお勧めです」とあるのですが、
1 ノウハウを求めて買ったのに、具体的なことが何一つ書いていないと不満に感じたことがある。
2 新しい情報や新しい知識が書いてあるのを見つけるとうれしい。
3 買って損したと感じる本が多い。
4 本は結構読むほうだが、特に年収も貯蓄も増えていない。
5 本をたくさん読めば、成功できると思っている。
悔しいことに、私はすべて当てはまってしまいました。で、懲りずにこの本も読んだのですが、詰まるところ冒頭に書いた事が全てです。

 かのピーター・ドラッカー曰く、「『知識は、本の中にない』。本の中にあるのは情報だけで、知識とはそれらの情報を仕事や成果に結びつけて得た物である。そして知識は、人間、すなわちその頭脳と技能の中にのみ存在する。」
 あの「夢をかなえるゾウ」のガネーシャも言ってます。「成功しない為の一番重要な要素は『人の言うことを聞かない』や。~成功するような自分に変わりたい思とって、今までずっと変わらへんかったちゅうことは、つまり『自分の考え方にしがみついとる』ちゅうことやんか」
 本を読んでも、その情報を取捨選択する自分、咀嚼し自分の知識としていく私が変わらんことには、なんぼ本を読んでも変わらないと言うことです。

 時間があったら本は読まない。読書をするのは暇人の証である。
 自己啓発本から早く卒業する。
 簡単に読める本は怖い。
 答えが書いてある本はときに悪書になる。

 う~ん。全ての言葉が私にズキズキ刺さります。読書時間:考える時間:実践する時間=1:5:10が理想だそうです。で、だめなパターンはその逆の比率です。

タイトル「お金を稼ぐ」は余り関係ありません。
努力とは当たり前のことを当たり前とは思えないほどの情熱を傾けてすること。私はある意味、啓発本読書に関して、この域を知らず知らずに目指しているのかもしれません。この手の本が出ると、ついつい食指が動いてしまうのよ。

中年男子が「もう、自己啓発本は買うまい」と思った度 ★×4
ー頭のいい人だけが知っているーお金を稼ぐ読書術ー33歳で3億円をつくったインプット・アウトプット法ー/午堂 登紀雄
¥1,365
Amazon.co.jp