【更新】cine21 1468号 | 寝ても醒めてもチョ・ジョンソク

寝ても醒めてもチョ・ジョンソク

ほぼジョンソク、ときどきK活、たまーにあれこれ

す8/6 本日発売です

 

 

 

 

 

 

 

http://m.cine21.com/news//view/?mag_id=105598

 

 

 

 

 

[インタビュー]魅力パレット総集合、<パイロット>チョ・ジョンソクインタビュー

 

 

<パイロット>は、ある俳優が磨いた魅力パレットの総集合体として推進力を得て飛翔する映画だ。前作『エクシット』で何年も就職失敗に苦しんでいた無職の青年は、5年ぶりに帰ってきた『パイロット』で、れっきとした家長であり、勝手な社会人として崇められ、突然没落する。パイロットのハン・ジョンウ(チョ・ジョンソク)が漂流する韓国社会の現在という分秒を争って更新されるSNSフィードほどめまいがする。性差別とジェンダー葛藤、オンライン世論戦、そしてキャンセルカルチャーの突風の中で、ただ「一生懸命生きてきた男」の人生は、一時的にはハードウェア、本質的にはソフトウェアの改造に処される。例えばヨクジサジの体験を通じたジェンダー感受性のアップデートだ。チョ・ジョンソクは<賢い医師生活>シリーズで見せた特有のすっきりとした優しさと<嫉妬の化身>が抱いたアンハムインの魅力をまんべんなく装着したまま、女装男子コメディの胎生的弱点は最小化し、<ヘドウィック>で鍛えた彼の長所は最大値に育てた。ここ、私たちの時代のスクリーンが保有する最高のショーマンシップスターと言っても過言ではない彼との会話を伝える。カメラの前の俳優という重大な服装を脱いで現れた彼の声は、終戦まで繰り広げた上手な才幹が信じられないくらい慎重で優しいトーンで流れていった。

 

 

>現実との時差が大きくないテーマだから、これを受け入れた俳優の感受性についても注目が集中する作品だ。どんな点を見て選んだのか。

 

=ドラマもドラマだけど、コメディ的な部分がすごく新鮮に近づいてきた。コメディーが好き。この映画が持つコメディの力が大衆を愉快にしてほしいという願いが、私の心の中では一番大きい。観客に笑いが必要な時期だという考えもあった。そしてシナリオを見ると、国は人物が特によく代入できるような作品がある。<パイロット>がそうだった。私を投影して代入してみる過程で、この作品をやってみたいという気持ちになったら早く決める方だ。<パイロット>もシナリオをもらって一気に決めた。

 

- 新作を提案されたら、長く悩まずに直感的に決める方かな。作品の見識の良い俳優という点で、シナリオを察する主観的な基準があるのか気になる。

 

=とりあえず自分の気持ちを信じて、それについていく。ジャンルが怖いスリラーといっても「面白い」作品と言える地点を探しに行く。そういうのが確かな作品と出会う時、私も完全に参加したい気がする気がする。それならジャンルを問わずいい作品、面白い作品とは何かという難しい話になるんだけど...(笑)言葉で定義したり説明したりするのは永遠に難しそう。

 

- <パイロット>は服装転換のコンセプトが人物のアイデンティティとジャンルを支配する映画だ。<ヘドウィック>の経験でかなり上手にアプローチしたと思う。ただ決定的な違いがある。ヘドウィックの服装はトランスジェンダーとして本人の真のアイデンティティ実現のための道具だが、ハン・ジョンミの服装はアイデンティティを装う場合だ。俳優の立場ではどんなところが違ったのかな。

 

=基本的には<ヘドウィック>の経験が<パイロット>をもっと簡単に理解するように助けてくれたのが正しい。ところで、おっしゃるように<パイロット>ではあくまでジョンウがジョンミを演じるんだから、その部分に重点を置かなければならなかった。フォーカスを「変身」に置いた。スカートを着ているのに座る時、自分も知らないうちに足を広げているとかというふうに、服と似合わないように飛び出す些細な習慣に関心を払った。家の前でスルギ(イ・ジュミョン)と通話していて、急に弟(ハン・ソンファ)にバレる姿での劇的な違いみたいなのも思い出す。弟の前でヒールを履いて優悪に階段を登らないかな。重要なのは、この人が今演技しているという感じだ。

 

 

 

- 家庭に疎かで社会的に勝っているパイロットのハン・ジョンウは、上司のセクハラ発言を晴らそうとせず、自分も飲み会で失言することになる。色々な面でもっと風刺化できるキャラクターだけど、<パイロット>は一人の人間の成長叙事詩としてマイルストーンを設定した。人生で初めて転落を経験した男が女装を決心するまで、人物の内面で俳優が注目した点は何か。

 

=彼が不本意に人生の空白を経験して反芻するようになるという点が良かった。ハン・ジョンウが遅ればせながら自分の矛盾を悟るとも思った。自分の他には、家族を大事にしなければならない家長の重さを感じながら、その役割と責任感によって動くという誇りを持って生きてきたのに、今来て振り返ってみると、実は全部自分のためだったんだよ。私もそういう時期があった。どれだけ私のために、そして家族のためにするのか考えてみたりして、仕事と本来のチョ・ジョンソク、一般人のチョ・ジョンソクと俳優のチョ・ジョンソクはどれだけどのように分離されるかという悩み。<パイロット>のハン・ジョンウもハン・ジョンミで生きながら、むしろ本来の自分を探しに行くと感じた。

 

- 最初は性別割当制を狙って再就職のために女装男になるという目的性が目立つが、また他の女性パイロットのスルギとの仲間愛叙事も着々と展開される。女性の立場に置かれるようになったハン・ジョンウに、やっと見えて聞こえるものがあるわけだ。

 

= 良く見てくれてありがとう。私はハン・ジョンウが最初から勇気が仮想した人だとは思わなかった。厳密に見ると、勇敢というよりは切迫して渇望した人じゃないかな?守って取り戻したいのがあまりにも多くの友達だと思ったので、まずはただ自分の前に当面の状況を完全に自分のものとして受け止めていると感じた。だから、一人でお酒を飲みながらお母さんに電話する場面が、自ら覚醒する過程で人物の実体を見せてくれるとても大事な時点だと思った。自分の人生で一番大事なことが何か自分でも悟って、これまで自分で背負った役割から本当に自分を分離させるための出発点ではなかったかと思う。

 

 

 

- 演技しながらチョ・ジョンソクとハン・ジョンウを重ねてみた瞬間もあるのか。

 

=私もジョンウが飲み屋でお母さんと通話するシーンを撮る時、深く共感した。幼い頃から環境的に一番でなければならない状況で一度も休まず生きてきた。それがハン・ジョンウという人物に私自身を代入できる地点だった。2004年のミュージカル『くりす人形』から始めて、2009年の『スプリング・ア・ウェイクニング』をやるまで、約5年間完全に休んだ日を全部数えてみたら半月くらいだったよ。その半月の間、一度だけ友達と旅行に行ってきたのが全てだった。それ以外は一度も休んだことがないくらい切迫した時代だった。その時の私を思い出してみたら、ジョンウが今まで本当に一生懸命生きてきたとお母さんに認められたいという姿に心がかかった。韓国男性のどんな姿というよりは、ただ私、チョ・ジョンソク個人の経験と重なって共感した場面だ。

 

- <EXIT>との楽しい共通点も探してみたい。コ・ドゥシム、キム・ジヨン俳優に続いて<パイロット>ではオ・ミンエ、ハン・ソンファ俳優と現実的で止められない家族コメディのケミストリーを見せてくれるんだけど。

 

=私が本当に大家族の間で育ったからかもしれない。4人兄弟の中で末っ子だ。両親が年上だから、両親の元家族もみんな大家族だ。おばあちゃんの家に行ったら、あっちこっちのいとこ、甥っ子だけ集まっても十寿命は十分になる。実際に複作する家の中で部隊を挟んで過ごしてきた感覚が<EXIT><パイロット>をする時にすごく役に立ったみたい。おばあちゃんの家に行ったらどんな香りがするのか、どんな雰囲気に置かれるようになるのか、そういうことだ。基本的には作品が抱いた想像力に充実しようとするけど、私の経験が密かににじみ出てくるのではないかと思う。お母さんもずいぶん前に七旬の宴をして、韓国のコ・ヒヨン特有の感じもよくわかる。

 

脈絡を守る、躊躇なく表出する

 

 

- 女装男が遂行する性役割の苦情、職場で発生する性差別問題から笑いと意味が全て発生するコメディだ。どれだけ様式化された演技をするのか、緩急調節がカギだったと思う。例えば、課長の程度とスラップスティックの水位にどう接近したのか。

 

=作品を初めて読む時に把握する大きな文脈を忘れないようにする。初めて理解されたその文脈を守っていくことが、細かい緩急調節より根本的にもっと重要だ。<パイロット>は私にあまり大げさにならないように、観客を消耗させないさわやかなコメディで読まれた。やりすぎないで、ちょうど「この程度」というのがシナリオを初めて読んだ時から無意識的な感覚で入力された。だから私にはいつも初めて読む時の感じがすごく大事だ。撮影しながらは頭の中に描いた感じと監督のディレクションを合わせていく方式でたくさん会話をしながら撮っていったみたい。

 

- キム・ハンギョル監督は<最も普通の恋愛>で完成度の高いロマンチックコメディを見せてくれた、商業映画のシーンで際立つ女性監督だ。呼吸はどうだった。

 

=すごくすごく良かった。監督が笑いが多い。一度は笑ってカットできなかったこともある。俳優としては気持ちいい。俺がそんなに笑わせたのか?ふっ」しながら。(笑)転換が必要な時にも、キム・ハンギョル監督はいつも「今これもすごくいいけど、他の試みも一度やってみましょう」というふうに楽に励まし、エネルギーをくれた。

 

- 初めて注目された<建築学概論>の真っ直なキャラクターがあまりにも旋風的な人気を引いたから、チョ・ジョンソクのコメディ演技は派手なアドリブに基づくという視線も受けただろうね。実際にはどうなのか。舞台で本格的な演技を始めたチョ・ジョンソクは、むしろテキストの停電をもっと厳密に守る俳優じゃないかと思うけど。

 

=本当にそうだ。行って、何か現場で即座にアイデアができたとしても、まず約束通りに忠実にして、今度新しいことを試してみる。アドリブを自由に試みる場合なら、監督がカットをしてない時だ。何かの後ろにもっと見たいものだろうから。私がテキストの間に突発行動をすることはほとんどない。ただ、アドリブではなく、俳優の自由度やアイデアが準備した神には、それなりに忠実にする。<パイロット>ではジョンミが面接を受ける時、ハワイアンダンスを踊るシーンがそうだった。一人で踊らずに転ぶばかりのディテールは、ただ私が狂ったように、ありとあらゆる試み中に出てきた。台本には若干の歌詞以外は振り付けに対する特定の指示がなかった。(突然歌を実演しながら)どうしたら原住民らしいステレオタイプを間違って解釈した人の笑えるダンスが出るか、悩んだ。一人で面接場の中を回りながら踊る時、特に監督がカットをしないで長く笑った。

 

 

- コメディ演技のためのエネルギーはどこから出てくるのか。誰かを笑わせるために学ぶどんな努力をしなければならないのかな。

 

=私の場合はとりあえず躊躇しないようにする。だから、私が何か少しでも躊躇した瞬間、本当に面白いものが見つからないという感じがする。コメディーだけでなく、ジャンル性が強い映画ほど、俳優が自ら悩んだ数多くの考えやアイデアを自己検閲なしに必要な瞬間に最大値で表現することが重要だ。そうした時、簡単に言うとたまに「得て引っかかる」と思うのも一つ出てくる。簡単に得られるわけではなく、それだけの努力が伴わなければならないようだ。俳優の私が一人で規定し始めて、自分の考えに閉じ込められるほど、もっと見せられなくなる。想像力を最大値で表現するのが俳優の分だから、現場で躊躇しない状態を維持しようと努力する。

 

- スポイラーを避ける線で後半のシーンを一つ話そう。決定的な瞬間に舞台の上に立ったハン・ジョンミを見ていると、<パイロット>が韓国で<ヘドウィック>を一番何度も消化した俳優(全5シーズン)チョ・ジョンソクをオマージュする作品だという気がする。

 

=私の公演を見てくださった、そして<ヘドウィック>が好きな方々がそんなことを考えてくれたらすごく嬉しいと思う。かつらがタイトなカットに見える時、私も特別なインスピレーションを感じた。この場面でもあまり重くもないし、だからといって軽くもないトーンアンドマナーで感情を表現しようと努力した。特に作品の内的な論理からすると、ジョンウの感情表現に慎重にアプローチする必要があった。ただ虚心安懐に告白してはいけないし、ハン・ジョンウの選択が結局は誰かを騙し、その過程で傷を与えたという事実を忘れないようにした。彼らに対する申し訳なさ、慎重さ、贖罪したい気持ちも込めたかった。

 

流れていく私の姿がいい

 

 

- 今日、グラビア撮影現場で、あらゆるポーズに流麗な姿を見守りながら、生まれつきの、卓越した才能とは何かを実感した。(笑)幼い頃からいつか俳優をしたり、舞台に上がる子供という言葉を聞いたりもしたかな。

 

=幼い頃はもっといたずらっ子だった。未就学児の時、一番ひどかったかな?両親の前で一生懸命マイケル・ジャクソンのダンスを踊って、クラスで盗難事件が発生してみんなで怒られている時もいたずらをしてひどく怒られるとかいう感じだった。有名な町のいたずらっ子だったけど、思春期が少し早く来た。どうやら家庭の都合の影響もあったんだろうね。小学校高学年の時から急に静かで内向的な学生になった。

 

- ギタリストを夢見ていた時代を過ぎて、何度か演劇映画科の大学入試を経て、いきなりミュージカルの舞台に立って、スクリーンとテレビで徐々に歩みを広げてきた。成功したキャリアだけど、いつも予想可能な瞬間に経路を少し逸脱したというか。同心円を描きながら進む俳優みたい。

 

=本当に!人生は予測不可能だというのが私の考えだ。<パイロット>が良かったのもそういう理由があるはずだ。ジョンウの人生だけ見ても全く予期しなかった地点から経路を逸脱するから。何かを一生懸命追ってみたら、横に横に広げてきたみたい。毎瞬間、私の前に置かれた状況に最善を尽くしただけで、人生がこんなに流れていくとは全く予想できなかった。だからたまには私に与えられたものがすごく不思議だ。

 

 

- ミュージカル『くるみ割り人形』をデビューで見るなら、今年20周年だ。

 

=子供が産まれた後、本当に後ろを振り返るようになったよ。私がお父さんになったのね?そう、一生懸命生きてきた。少なくとも恥ずかしくないお父さんだ」自分でこの程度は考えられたことに本当に感謝する。次回作の『ゾンビ娘』も私には本当に不思議な縁で感じられる作品だ。人生のタイミングとぴったり合ったキャラクターだ。よりによって本当にお父さんになった状況でもらった作品だから没入できない。<パイロット>に代入できた私の姿と<ゾンビ娘>での私の姿が時間とともに少しずつ変化して流れているという事実も良い。

 

- 6月末に<ヘドウィック>公演を終えた。テレビとスクリーン、舞台を現在進行形で交差して闊歩するトップスターの1つだ。様々な媒体を行き来する経験が今のチョ・ジョンソクに残したものがあれば。

 

=ちょっと年を取ったからか、最近になって周りが見える感じがする。ちょっとした余裕と言っていいかな?一瞬一瞬が見えて聞こえて、次に私がどうすればいいのかリアルタイムで少しは感じられるようになった。その感覚がとても不思議で、それが私にとって新しい楽しみだ。ひたすらいいところがあるわけではない。体力が昔らしくなくて、こうやって死にそうだなという時もある。(笑)

 

- <パイロット>のほか、歴史的激動の中の弁護士を演じた<幸せの国>があり、Netflixの芸能<新人歌手チョ・ジョンソク>まで控えている。忙しい日程を全部終わらせたらどう過ごしたいかな。

 

=最近、私の頭の中は映画がうまくいってほしいという願いでいっぱいだ。全ての日程が終わったら、少しの間でも家から出たくない。家族と家でひっそりと過ごしたいと思うだけだ!