ナイフメイキング | トレーラブルヨットの世界

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トレーラブルヨット Seascape18 (ベネトウ・ファースト18)の話題。ブログを通じて知り合いが増えると嬉しいです。お気軽にコメントをお願い致します。

ある人と出会って、ナイフが自分で作れる事を教えてもらいました。
その方は、趣味で鍛造ができる炉やハンマーまで用意していたので、はがねを打って、焼き入れして遊ばせてもらいました。
通常はナイフ用の鋼材を買ってきて、ヤスリで削り、業者に焼き入れをしてもらいます。

http://www.matrix-aida.com/

今回はぺティイナイフを作りましたが、焼き入れ後、曲がってしまいました。
まっすぐにならないかと、力を加えてみると、!!なんと刃の途中から折れてしまいました。
薄い刃物を作るのは難しいようです。
 
折れた刃を無駄にしないように、ベルトサンダーで削りなおしました。
 
イメージ 1
 
 
焼き入れ後の鋼材は硬くて通常のドリルは全く穴を開けられません。
困った時はダイソーへ。
ありました、ガラスドリル刃。タングステンカーバイド製です。
あんなに苦労したのに、サクサクと穴が開きました。
 
柄はスネークウッドの端材を使いました。
 
イメージ 2
 
 
蛇の鱗のような独特の模様がでます。
 
使った鋼材はVG-10です。
曲がったり、折れたりとトラブルがありましたが、ATS-34より切れるような気がして好きです。
 
普段、釣りに使うナイフはこちらです。
 
イメージ 3
 
 
小出刃のように片刃で仕上げています。
PEも触れるだけで切れます。
カイデックスで作ったシースの刃側にカラビナが付いてるのがポイントで、ライフジャケットの紐に付けると片手でスムーズに抜くことができます。
 
鋼材はS30V。この鋼材は海での使用に向いていました。
ほとんど錆びない。多少錆びが浮く事がありますが、深くまで錆びないで、研磨剤で拭くとスグに取れます。
 
追記:やっぱり孔食が起こります。
刃先に出るとかなり研ぎ上がらないといけなくなりますが、耐摩耗性が強い為、砥石の上を滑り大変です。
一方で高い耐摩耗性で骨に刃を当てても刃持ちが良いです。
 
切れ味は独特でザクザクした切れ味ですが、ツルツルした魚の腹を裂いたり、〆たりするにはピッタリです。
 
これまで、作った数は10数本ですが、鋼材の感想です。
刃角や焼き入れの業者が違うため、あくまでも印象です。
 
ATS-34:ナイフでは最も評判の高い鋼材ですが、仕上げ砥までかけると、初期の切れ味が持続しないような気がします。使っていると比較的早くツルツルとした切れ味になりました。1000番ぐらいの中砥でギザギザの刃を付けると良いようです。刃先が欠けている感じではないので、フィールドで折れたり欠けたりせず、トータルバランスが良いのでしょう。
 
VG-10:ATS-34よりもサクサク切れる刃がつきます。刃持ちも良いようです。コストパフォーマンスも良い。
 
CRMO‐7:柳刃包丁を作りました。お世話になった人にあげたので手元にありませんが、一番切れ味が良かったような気がします。丸めたティッシュもバターのように切れました。ヨットで使ってもらっていましたが、殆ど錆びません。薄らともらいサビの様に出てもピカールで落ちます。
 
S30V:上記のとおりですが、焼き入れ前はCRMO‐7と同じように非常に削りやすかったです。
 
ZDP-189:切れ味はまあまあ。デスクまわりで一番使っていますが、確かに切れ止みません。木を削ると鉋で削ったようにピカピカになります。ただし、料理で醤油がついた際に針の穴のような深い錆びが出来てしまいました。錆びやすいようなので海では使いません。刃先を薄くしたり力を加えるような使い方をするとマイクロチップを起こします。
 
砥石はシャプトン「刃の黒幕」の研削力が強いです。
もっと早く買えばよかったと思っています。
 
砥ぐコツは一定の角度でカエリが出るまでしっかり砥ぐこと。砥ぎの最後の方はだんだん力を抜いて砥ぐ。砥石で細かいノコギリ状のギザギザを沢山付けるイメージで。
仕上げに割りばしにピカールをつけて、これも刃に直角にバリを落とす様な感じで軽くこすると、スパスパに切れるようになります。