・誤字脱字は脳内補完

・同型であっても当方エントリー内容の数値を信用せず、必ず自身で計測の上、部品を発注すべし。

 

事前情報修理

 

計測ミスによる誤発注

 

災い転じて…結果として誤発注品が正解 修理完了

 

夏が近付いてきたせいなのか、夏本番前に扇風機やサーキュレータを修理点検しようとしている御仁が上記3つのエントリーにアクセスしているようで、ここ数日間はアクセス数が多くなっています。

 

よって、上記2年前のエントリーを基に画像を添えた上で、

再度、下記に必要情報だけを箇条書きにしてみます。

 

 

 

・古い扇風機や安価な扇風機やサーキュレータの軸受けに使用されているのは「メタル軸受け」

・そのメタル軸受けにおいて昨今製造されたものは油切れ(作動油、潤滑油)によって「軸ブレ」が発生し「回転停止」「異常発熱」のいずれかが後日発生。

国産品では問題は無いが、特に支那製の極端に安価な扇風機やサーキュレータに上記が多く発生。

・粗悪品になると温度ヒューズが搭載されていない可能性があるので、異常発熱は即火災に繋がる可能性あり。

・一部の扇風機やサーキュレータはボールベアリングに切り替わっている。

 

以上から軸ブレ加熱による油切れに伴う「回転停止」や「異常発熱」による火災発生を極力防止するために

・このメタル軸受けを、メンテナンス性が良く、且つ、信頼性の高い玉軸受け(ボールベアリング軸受け)へ変更する

 

メタル軸受けの本体とその構成部品画像

 

この画像で問題となっているのが構成部品最下段、右から2つ目の黒い輪っか。

これが作動油・潤滑油を保持吸収しておくための皮革であり、

油切れになると比較が縮むために軸ブレを発生させ、場合によっては発熱し火災を発生させる原因となる。

この機能を復活させるには注油しなければならず、例え注油したとしても数か月後に再発する。

(過去製品の軸受けの作動油吸収体には油切れとなっても縮むことが殆ど無いフェルト生地を使用した製品が多かった)

よって、上記画像最下段4点の構成部品を排除し、ハウジング内の軸受けにボールベアリングを使用する。

 

・メタル軸受けはモーターの前後に使用されているので2つのハウジングが存在する

・メタル軸受けのハウジング上部とハウジング底部では内径が異なるため、底部を計測し

且つ、回転子となり羽根が取り付けられる軸(回転軸)の外径も計測。

・特に回転軸に関しては計測する箇所によって微妙に太さが異なるので

3ないし4箇所を計測した上で平均値を出し、対応するボールベアリングを購入すること。

・回転軸にサビなどの凹凸が発生している場合はヤスリなどで滑らかに整えてから計測。

・ハウジング内径がボールベアリング外径となり、回転軸外径がボールベアリング内径となり、

ボールベアリングがハウジング側に固定されるか回転軸側に固定されるかは製品の状態によって異なるが、どちらかに固定されれば良い。

 

・ハウジングに取り付ける際はハウジング上部のみならず底部に若干の隙間が出来る可能性もあるので、何らかの形でその隙間を埋めた上で、モーター本体に取り付けるべし。

・モーターに取り付ける際もハウジングのネジ穴に若干の余裕があることを考慮した上で前後のハウジング位置を調整し中心軸を出し、仮固定すること。

 

・固定したのちは、指で回し、違和感なく回転することを確認。

・次に羽根を取り付け、同様に指で回し、軸ブレが無いか確認。

・上記2つの確認で回転が直ぐに止まるようであれば中心軸がずれてモーター内部で接触しているので、ハウジング位置を調整するか、ハウジングに取り付けたベアリングの位置を調整。指先で回して回転の違和感が無くなるまで調整を続けること。

・違和感が無ければボールベアリングを完全固定し、羽根を付けたままで電源を接続。スイッチを入れ高速回転による軸ブレの有無を確認。高速回転で軸ブレが発生しなければ修理完了。

この際、ボールベアリングがハウジングに完全固定されていないと軸ブレを起こすので、暫くの間は回転の様子を確認し続けること。

羽根そのものの成型が微妙に異なっており、ベアリングに交換した後はモーターが円滑に回転するので、以前よりも羽音が五月蠅く感じるかも知れない。

円滑な回転は風量が増加した証左でもあるので、ベアリングへの交換が成功したと捉えるべき。

 

仮固定の方法

画像はベアリング外形とハウジング内径が合致しない場合の仮固定方法の一例

画像上が半田を使用した6点固定

画像下が半田を使用した4点固定及びアルミ箔を詰めたもの

ハウジングはアルミ製で半田では完全固定出来ないため、

・耐熱性があり金属に使用出来る2種混合型エポキシ系接着剤

・同2種混合型エポキシパテ

のいずれかを使用し完全固定すること。

 

尚、支那製は羽根の成型不良で購入当初から軸ブレが発生し、

異音を発生させる場合もあるので、その際は点検・修理・交換してもらうこと。

 

 

以上となりますが、くれぐれも感電と怪我には注意して下さい。

当方がボールベアリングに交換したサーキュレータは最低速で24時間回してますが、

2年経過しても止まることなく今も元気に回り続けていることをご報告しておきます。

(´・ω・`)