子供が感じている世界の閉塞感って、とてつもないと思うのです。
それは、自分の意志で切り離せるコミュニティの少なさが大いに影響しているのではないかと、僕は思っています。
家・学校・習い事。
が全てだった気がする。
僕が子供の頃感じていた「世界」って。
大人になってもさほど変わらないかもしれないけど、「小学校時代の友達」と「大学時代の友達」は、被ることは少ないと思いますし、「社内の人間関係」が嫌でも、中学の仲間とは楽しく飲めるみたいな。
こっちがダメでもあっちに行けばいいか。
という選択肢が増える。
お金はかかるけど、全く自分のことを知らない土地でやり直そうかって言うことだって、選択肢の中には入る。
けど、子供の頃には、漠然と逃げ切れない「世界の果て」があったように思えます。
立ち向かえるマチルダは立派だなぁと思うし、見習いたくも思いますが、僕は子供の頃はいくら逃げてもいいんじゃないかとも思います。
子供の頃「逃げちゃいけない」「立ち向かえ」という思いに苦しめられた気がします。
もちろん、結果逃げなくてよかったのだけど。
そんなテーマの作品を「子供にも観て欲しい」場合、極彩色で描かれるのものが多いです。
入り口はとっても大切だから。
本当は、きっと灰色。
だけど、自分が今観ている(言葉は乱暴だけど)「つまらない世界」を何も映画でもう一度見せられなくたっていい。
エンタメとして、誇張することで、より異常性が際立つ場合も(さすがに、ジャイアントスイングや地雷はヤバすぎる)あるし、もしかしたら子供にはそれくらい脅威に映っていることだってある。
そして、大人がそれを自覚する必要もある。
誰もが「自分事」と捉える必要はないけど、そう言った子供たちの「明日の希望」になり得る作品と言うのは、随所に作り手側の配慮や工夫のようなものが感じられます。
ミュージカルにするというのもとってもいいことだと思います。
【大人になってしまうと忘れてしまうこと】はたくさんあるけど、決して思い出せないわけじゃないと思うのです。
僕達大人だって、それは諦めなくていい。
一緒になって考えればいい。
大人だって、責任に押しつぶされなくたっていい。
ミュージカルじゃないバージョンもあるようで、こちらも観てみました。
こちらは歌がない分、団体芸が映える、とても見やすい作品でした。