オーディションに受からないと仕事はもらえない。

 

僕らの世界には、厳しい競争を勝ち残った【勝者】しかいないのか。

 

 

 

結論から申し上げると、僕は、そうは思っていません。

 

というか、むしろ【どんなに負け続けても諦めなかった人】だらけだと思っています。

 

オーディションと言うのは、単なる実力勝負ではありません。

 

役のイメージや、他役とのバランス等様々な要素で判断されます。

 

我々プロの俳優に対して「あまり上手じゃない人・素人っぽい人がほしい」なんてのうのうと言ってのけるオーディションもまれにあります(笑)

 

だから、オーディションに受かることは、必ずしも「勝利」ではない。

 

だけど、落ちることは何故か「敗北」に感じる。

 

また、「敗北」はオーディションに落ちることだけではありません。

 

「演出家や監督の理想を果たせなかった」

 

「納得のいく評価が得られなかった」

 

「みんなの足を引っ張った」

 

などなど。

 

あちこちで、僕達は「敗北」を味わいます。

 

 

つい先日、こんな自分に酔ったツイートをしましたが、この世界にいればいるほど、それはありありと感じます。

 

と、いうか99%の人はみんなそうなんです。

 

もちろん、【順風満帆】傷つくことなく来た人もいます。

 

本当にごくごく少数。

 

ある意味で、そう言った人たちの表現はとても魅力的です。

 

浮世離れし、美しさすら感じる。

 

共感はできないけど、共感できる演技だけが面白いわけじゃない。

 

だけど、どんなに順風満帆に見えている人でも、恐らくとてつもなく悔しい思いをしてきているはずなんです。

 

あとは、それとどう向き合うか。

 

力に変えるか、隠すのか。

 

はたまた「敗北を認めない」か。

 

以前からよく、劣等感や自己嫌悪の話をしています。

 

これらには、呑まれる。

 

呑まれてしまうと、消えたくなる。

 

それで辞めていった人もたくさんいる。

 

だから、蓋をしている人もとっても多いです。

 

だけど、これらととことん向き合うことができると、もっと先へいけると思うのです。

 

ここでしか見れない景色があって、嗅げない匂いがあって、痛みがあって・・・。

 

自分の嫌なところをとことん嫌って、傷ついて、それでも変えられないものもあって。

 

叶わない人がいて、それでも目指したい理想があって。

 

ひたすら藻掻いて、焦がれて、愛して、限界を超えて。

 

それをぜんっぶひっくるめて、自分の表現にのせる。

 

 

飼いならす必要はない。

 

僕なんか、自己嫌悪は3日に1度は襲ってくる。

 

きついけど、戦うしかない。

 

食い殺されないように。

 

全力で。

 

命を懸けて。

 

 

僕が魅力を感じる人たちは、そんな危ういバランスに自ら勇気をもって飛び込んでる。

 

笑顔で。

 

格好いいんだよなぁ。

 

完了