僕は、26歳までフリーランスで活動して、フリーランスでご飯を食べられるようになって、その後、今の事務所に所属しました。
「フリーと所属どっちがいいのか」は僕らの永遠のテーマです。
一番はギャラのことでしょう。
「ギャラ」つまり出演料は、事務所と俳優で折半となります。
給料制の事務所もあります。
折半の割合は、事務所によりけり。
だから、世に出ている金額(ほとんど出鱈目なものばかりですが・・・)から、割合を引かれて、俳優にお金が入ります。
そこから、さらに芸能は源泉が10%程度ですから、個人事業主の場合は、源泉も引かれます。
場合によっては雀の涙になってしまうことも。
これが嫌で、フリーになる人も多いです。
で、仮に。
事務所所属していたころの、ギャラが3万円だったとして、事務所と6:4の契約だったら、その人に入るのは、1万8千円。
今度は雇う側。
今まで3万払っていた人に、今度は2万5千円を支払う。
俳優は、7000円のギャラup、雇う側は5,000円の経費削減。
双方、お得ですね。
お金の面で言うと。
で、今度はお仕事をもらう方法について。
僕はフリーが長かったのですが、基本的にまず「営業」が必要です。
色々な制作会社にプロフィールを持ち込んだり、オーディションの情報を仕入れてきたり、足を使って動き回ります。
あとは、数ある一般公募のオーディションから、自分が受かりそうなものを見つけて、エントリーする。
フリー時代は特に気にせずやれていました。
横のつながりを求めて、いろんな飲み会に顔出したり。
だけど、30代、自分の実力不足を感じることが多く、もっともっと時間をかけて、演劇を学び、鍛錬を重ねなければならないと思うようになりました。
そうなってくると、やっぱり営業に行っている間にも、本を読みたいし、オーディションシートを記入している時間があるなら、スタジオを取って、稽古がしたいわけです。
で、僕は事務所に入っている。
だから、マネージャーが営業に行ってくれている間に、映画を観て学ぶことができる。
マネージャーが書類を書いてくれている間に、レッスンに通える。
僕は僕で、商品価値を高め続けることができる。
マネージャーも、自信を持って売り出してくれる。
だから、僕の性格的には、事務所所属がとても合っているのです。
そして、40代を目前にして、やはり演技に人生は出る。
演技は、才能だけではどうにもなりません。
積み重ねが大切。
知識が必要。
ただ年を重ねるだけで、上達するものではない。
だけど、年を重ねた俳優に求められるもの、期待されるものは、多い。
40代にもなって、薄っぺらな芝居をしていたら、「この人、今までずっとサボって来たんだろうなぁ・・・」と思われてしまいます。
如実に「差」が出る年代に差し掛かってきたと思います。
自尊心を保てるように、今日もインプットと鍛錬を。