先日、俳優仲間と話していたのですが、今は「自己顕示欲の時代」だなぁと強く思います。

 

プロでない人のダンス動画やショート動画が流行し、ファンと交流することができるライブ配信だって、誰でも出来る。

 

LINEにまで出てきますもんね。

 

今は、誰でも見つけてもらえる時代であり、自己顕示欲があっという間に叶う時代です。

 

ちょっと前までは、自己顕示欲に対する気持ち悪さ、批判も多かったですが、今は少ないですね。

 

世の中は変わってきていますが、それでも見ていると未成熟な人はたくさんおり、心無いコメントも多いですね。

 

しかし、それはどちらにも言えること。

 

発信側の「責任」はとても大きいですが、誰にでも出来るということは、その責任を感じていない人の方が大多数になってしまいます。

 

そりゃそうだ。

 

誰でも気軽に発信できることが、それぞれのよさなのだから。

 

だから、やはりプロとして関わる身としては、やっぱり「一緒」じゃいけないと思うのです。

 

名前が知られてきて、反応してくれる人が増えて、はしゃいじゃうのは誰しもが通る道であり、少なからず自分にも黒歴史のようなものはあります。

 

通過儀礼のようなものでもある。

 

僕は、自己顕示欲というよりも、承認欲求が強かったです。

 

実力を認められたかった。

 

だから、自己顕示欲に飲まれて、立ち止まることなく頑張れたっていうのもあるけど。

 

誰でも参戦できるものに、プロとして参戦するならば、そこはプロとしての責任として、やはり「技術」と「責任」を持たなければならないなと、最近改めて思うところです。

 

それをきっかけに「プロ」になった場合も同じく。

 

半分プロっていうスタンスはあり得ない。


だって、そもそも「プロ」がいないからこそみんな好きに遊べる空間なんだからさ。

 

また、「無料」であることもしっかりと意識しなければいけません。

 

僕らは、表現をすることで生活をしています。

 

今まで積み重ねてきた技術を、ステージで見せることでお金を頂いています。

 

美容に力を入れていれば、自分の磨かれた外見をSNSで無料で提供しているわけです。

 

もちろん、発信が宣伝となり、そこから仕事に繋がることは少なくありません。

 

だけど、そこに「自己顕示欲」が乗っかると、上手く行かない。

 

自分を安売りしてしまう。

 

目先の「いいね」やコメント欲しさに。


せっかくの価値を安売りし続けると、無料で見れていたものが有料になった途端、誰もお金を払ってくれません。


本当は有料だったものを無料で提供していたはずなのに、いつの間にか、その価値がなくなってしまうから。(広告収入で稼ぐためにはとてつもない知名度が必要です。一朝一夕ではまず無理です。)

 

心ある人の助言は届かず、ずっと業界からは生暖かい目で見られ、一時的についたファンからは、あっという間に飽きられてしまう。

 

かと言って、頭を切り替えて、真面目に自己研鑚には励めない。

 

ずっと、上達しないパフォーマンスを垂れ流し、仕事も減る。

 

そうなると・・・距離感を武器に、配信の投げ銭や、欲しいものリストだけが頼りのおねだり俳優になってしまう…。

 

ここまでがひとつの流れになっている気がします・・・。


もちろん、そこで成立しているなら構わないし、自分が選んでやっていて、ファンも当人もそれが一番ならば、外野がいちいち口出すことではありません。


ただ、ここに陥った人からの「お前はいいよな」的な言葉はたくさん浴びてきました。

 

僕は昔からずっと言っているんですけどね。


どうにもまだまだ自分のカリスマ性が足りないのか、聞く耳を持ってもらえない。


ほんで、結構頑張ってるんすけど、「お前はいいよな」みたいな感じで言われる。


おかしいなぁ。


結構バランス見ながら、それでもたくさん傷付いて、失敗して、反省していきてきたつもりなんだけどなぁ(笑)


これは、ヤングに限ったことではありません。


僕らが誰しも陥る可能性のある落とし穴。


ベテラン俳優さんのそんなトラブルが以前話題になりましたよね。

 

ほっときなよ!

 

と言われますが、関わった以上そういう風になっていくのを見るのは辛いですし、また少なからず迷惑もかけられます。


なので、何も言わず見捨てるのではなく、ちゃんと1度伝える。


そういうことがあるよって。


そこからは、それぞれのやり方。


そうならずに済むことだってあるから。


まぁ、余計なお世話。

 

僕も俳優活動を続けてまもなく20年になります。

 

こうやって自分の考え方を、それこそ承認欲求から皆様に発信し、そのうえで判断をして頂き、ここまで来ています。

 

もちろん、考えが合わず去って行った方もたくさんいます。

 

ですが、僕はファンの皆さんに対して、変な距離感で接することはできませんし、嘘をついて自分を無暗に飾ることもできません。

 

だから「WITH」なんだけど。

 

甘やかしてもらうのも違うと思います。

 

もちろん、皆さんのことは最大の「味方」だと思っていますが、テーブルクロスの柄しか褒めるところがないようになってしまっては終わりだと思っています。

 

やっぱり、皆さんに滅多なものを見せられないからこそ頑張れるわけです。


信頼は裏切れない。

 

台本の読み込みで、作品への愛情で、Performanceで、皆さんに負けるわけにはいかないのです。

 

やっぱり「プロ」としての特殊技能でなければいけないのです。

 

どこの業界だってそう。


誰にでもできることをやっていて生き残れる世界じゃない。

 

演技って割と誰でも出来るものだと思います。

 

「演技に挑戦!」ってよく見ます。

 

それが、「アクション」や「楽器」だったらしっかりとレッスンをしてもらえたりしますが、「演技に挑戦」する人の大半はいきなり現場に放り込まれる。

 

可哀想だなぁって思うこともあります。


誰でもできるからこそ、クオリティの差は歴然。


ごくたまに天才的な才能を披露する人もいる。


勿論、上手けりゃいいってわけじゃない。


人気があればそれでいいってもんでもない。


上には上がいて、その上もいるし、果てがない。


自分の小ささにいつも辟易する。


だけどそこが、ショービジネスの面白いところですね。

 

なんか話がそれましたね。


本日は、顔合わせ!



 

今日もがむばりましょう!

 

完了