20代の頃は、言い方は難しいのですが、意識の低い俳優に憤ることが今よりももっと多く、「俳優も免許制になればいいのにな」と思っていた時期があります。
僕は、なりたくて俳優になったので。
ちゃんとある一定の技能・知識を持った俳優に免許を授与し、遅刻が多かったり、作品への取り組み方に問題があったり、飲むと「上手くなりたい」と言うくせに結局何もしない人は点数が下がっていくみたいな。
そして、何故か出演数が少ない人がゴールド(笑)
だけど、免許制にしてしまっていたら、世に出てこなかった素晴らしい俳優さんたちはいっぱいいるなぁと思うのです。
僕は、俳優の養成機関出身じゃないことがコンプレックスです。
だけど、同時に僕のようなタイプは、養成機関で潰れるタイプです。
実は、僕自身が『俳優が免許制だったら世に出られなかった俳優』の一人だったと気が付いたのです。
これは、僕に限ったことなので、今養成所に入ろうか迷っている人は、「そうか!辞めよう!」ではなく「そういう人もいるのね」程度に思っていただけると嬉しいです。
まず、まだ俳優として活動する前に学ぶことって、正直、ピンとこないと思うんですよ。
現場に出たときに「あぁ、これのことだったのか!」となることは多いと思います。
だけど、そこまでがあまりに長く、勉強しているときには想像がつかないだろうと思うのです。
となると、ちゃんと覚えらんないし、講師の意図もくみ取れない。
その状態で、ただひたすら知識だけを詰め込むのは、僕には合わないなと思うのです。
僕の場合はね。
やっぱりすぐに試したい。
一番いいのは、俳優として活動しながら養成機関に通い、都度先生に相談できる環境なんですけどね。
で、先生は多ければ多い方がいい。
1人の先生にずっとついていくのはかなりリスキーです。
学ぶなら、まずは広く浅く。
そして、自分の信頼できる人を数名見つける。
彼らが自分を形作ってくれます。
僕は幸い先輩方に恵まれたので、それが現場で出来ました。
惜しみなく、知識を共有してくれる仲間もいる。
ダンスとか歌はやってこなくて後悔しました。
身体的なものはまた別。
これは確実にデビュー前に身につけていた方が得。
だから、やっぱり今になって色々と勉強したい欲求が高まっています。
そして、「上手くなりたい」「俳優で食べていきたい」と酔っぱらって話すけど何もしない子にも寛大になれました(笑)
というか、ただのポーズで言っているんだから、まともに取り合っていたのが良くなかったです。
そうだよね。
上手くなりたい人はすぐ行動するし、めきめき上達するもんね。
そんなことを、自分が成長することで教えてくれた後輩もたくさんいます。