最近あちこちで耳にします。
「ご時世的に・・・」
とあるワークショップで、女性にいきなり掴みかかるアドリブをした俳優に、監督が「相手の同意のないままそういうアドリブをするのは、ご時世的に辞めた方がいい。」と注意したのを聞いて「あ、ちゃんとしてるなぁ、この人は。」と思ったのと同時に「ご時世的に」という言葉に対する違和感が芽生えました。
ハラスメント問題やコンプライアンス、パンデミック等、我々が向き合わなければいけない業界全体の課題はたくさんあります。
それを、「ご時世」という言葉で表現してしまうと、「今は」感が強くなってしまう気がしたのです。
意地悪な考え方をしてしまうと、「今は世間がうるさいからやめておこうよ」という風にも聞こえます。
もちろん、上記の監督はそんなつもりで発言していませんでした。
ただ、「今は世間がうるさいから・・・」という意味で使っている人も、少なからずいる気がします。
社会的なムーブメントを起こしているようで、実は1年後には元に戻っているんじゃ意味がないと思うのです。
「今は」通用しないのではなく、「これからは」通用しないという言い方の方が、より未来に向かっていく印象を受けるんじゃないかなと思いました。
便利で思わず使ってしまう言葉であり、そんなつもりや意図はないことは重々分かっているのですが、これからは、僕はなるべく「ご時世」で済まさないようにしていこうと思います。