事務所の後輩とかも増え、いろんなところの「後輩」が見に来てくれる今回の舞台。
「伊藤さんは自分の武器分かってますよね」「個性的ですよね」なんて言ってくれる子も。
僕はどっちかっていうと、無個性俳優です。
特殊な武器はこれといって持ち合わせていません。
自分の「武器」を理解することが、僕らの職業ではとっても重要なのですが、どうにもこうにもいきなり武器探しをしちゃう人が多いんです。
よく、僕が例に出すのが、モンをハンするあのゲーム。
最初に武器を選びますよね。
もちろん、プレイヤーはやりながら選んだ武器に慣れていくのですが、キャラクターは一応最初っから全部の武器を使えますよね。
それが当たり前なんです。
役者を名乗る為には、まず個性を磨くより平均点を出さなければならない。
今僕がやっているのはこの作業。
まだ武器を選んでいいご身分じゃないと思っています。
武器を選んだはいいけど、大きすぎて持てない。
とか
どこを押したら弾丸が出るのかわからない。
みたいな状況でキャラクター作成は終わらないじゃないですか。
でも、よく陥るのがこれ。
武器を選んだはいいけど、持てない。
じゃあ、そのための腕力を鍛えればいいじゃないか!
っていうのは、危険です。
作品によっては、いつもの武器を使えない場合もあります。
その時、急にほかの武器を渡されて「今から覚えます」じゃ話にならない。
大事なのは真っ先に武器を決めることではなく、どんな武器であれ使い方を知っておくこと。
らせん状にちょっとずつすべてのステータスを上げて、全部で平均点を出せるようになってからやっと評価されるのです。
個性を評価されている方はみんなそう。
もちろん苦手分野はある。
でも、そこを一切やらないというのはよくない。
楽をしてはいかん。
しっかり準備をせにゃいかん。
時間はいっぱいあるんだから。