先日、父親の実家に行った際、蔵の掃除を手伝わされました。

仙台にある親父の実家は、さほど大きくないのですが、伊藤姓は宮城県では結構多く、その多くは戦国時代、葛西氏の家臣だったそうです。

元々祖先をずーっとたどれば、中臣鎌足。

初代の藤原氏ですね。

なんだかんだうちって由緒正しい家系なんです。

だから、蔵の掃除をするなんて話を聞いたら、これは【出張なんでも鑑定団】に出るチャンスかなぁ、横断幕とか作って貰えるのかなぁ、本人評価額があんまり低めだと会場盛り上がらないし、かといって、高めに設定しといて、下回った時のあの感じはぜったい味わいたくないし・・・なんて考えていたら、なんて言うんですか?手ぬぐい?

小さめの布っきれにくるまれた、巻物と写真が出てきたんです。

でね、すっげー僕に似てんの!

一目で分かりましたね、「あ、ご先祖様だ。」って。

いや、こんなことってあるんですね。

で、巻物をひも解くと、そのご先祖様のプロフィールというか、人となりが書いてあるわけです。

全部をここに書くとめちゃくちゃ長くなっちゃうので、興味のある方は、仙台市歴史民俗資料館に行ってみてください。


僕のご先祖様。

伊藤四鹿。

振り仮名なんて当然無いので、読み方は不明です。

よんか?しか?

仙台藩に士官したお侍さまで、結構腕が立ったみたいです。

しかも、割と有名。

なんでかって言うと、四鹿さんは、左利き(これも僕と同じ)で、刀を右になおさなかったそうなんです。

そうなると、左の腰に鞘を差しますよね。

で、みんなさや当て(鞘と鞘をすれ違いざまにぶつける行為。とっても無礼なので、そのまま斬り合いに発展することも)を避けるため、お互いの左側を通るわけです。

でもね、ご先祖様は左に刀を差してる。

まぁ、鞘と鞘でぶつかることはあんまりないんですが、相手の体に鞘が当たってしまうことがしばしばだったみたいです。

そうなると、相手は「ん?なんだこれ?鞘当てか?でも、体にだしな。よくわかんないけど、でも当たったし・・・まぁいいや、鞘当てってことにしとこう!」とちょっと悩んだ後に、切りかかってくるらしいのです。

そうやって、ちょくちょく斬り合いを起こしていたもんだから、次第に「あいつは手当たり次第に鞘当てを仕掛けて来るやばいやつ」みたいな評判が立って、結構な人がご先祖様を避けて通っていたらしいです。

そんなうわさがうわさを呼び、いつの間にかご先祖様はそこそこの地位の武芸者に上り詰めたんだそうです。

まぁ、実際斬り合いに勝ってるから、強かったんだと思います。

関ヶ原の戦いでもさらっと生き残り、その後ストⅡのリュウみたいな理由で諸国を旅しながら、多くの兵法者に、無意識の鞘当てを仕掛けて腕を磨いたそうです。

宮本武蔵とも対峙したこともあったらしく、彼を目の当たりにした際に言った「あれほど止まんなかった欠伸が、ぴたっと止まったんだもンナァ・・・。」というセリフは、超人気漫画「刃牙道」で形を変えて使われています。

その後、武蔵には「刀を使うまでもない」とグーパンチで惨敗。

以降、山に引きこもり、村人に「お侍さま」と呼ばれるのがたまらなくすきなので、いくらお金に困っても刀は売らず、でも食べるものがないから、畑を耕して過ごしていたそうです。

彼が晩年を過ごした山が、茸の形に似ていたことから、村の人からは「きのこの山」と呼ばれていたらしいです。

実際に、山のふもとには、たけのこの里もあったらしいです。

と、ついついご先祖様の話しに夢中になってしまいましたが、ご先祖様の巻物は、先ほども申し上げた通り、仙台市歴史民俗資料館に保管されています。

興味のある方は、是非とも仙台市歴史民俗資料館にて展示されている、「伊藤四鹿、英符李瑠風流絵巻」をご覧ください。


最後に、蔵から出てきたご先祖様のお写真を皆様にお見せして、お別れしたいと思います。



皆様、愉快なエイプリルフールをお過ごしください!

ボツになった写真たち